ナベプロが賞レースで勝てない理由。
よく巷ではナベプロの芸人は
「賞レースに弱い」と言われている。
一応調べてみると、NHK新人演芸大賞は「Gパンパンダ」
お笑いホープ大賞は「アンガールズ」
キングオブコントは「ハナコ」が獲っているが、
あれだけの大手、かつ、預かりもいれて大所帯の事務所で、
たったこれだけなのかと、改めて実感させられる。
賞レースは数あれど、メディアの影響力を考えると、
M-1が群を抜いていて、次点でキングオブコント、
R-1が2ランクダウンで鎮座してるイメージだが、
この三大賞レースをハナコしか獲れていないは寂しい。
理由として「吉本主催のレースだから」とよく言われる。
大手事務所同士の牽制はあってもおかしくない。
が、それよりももっと根本的な理由があるようにも思う。
ナベプロ芸人自身の賞レースに対する
飢餓感が全く足りていない。
吉本の芸人が特に言うが、優勝した時や、
三大賞レースの決勝に出た時のインタビューで
「僕たちにはコレしかない」と、言う発言がよく目立つ。
吉本は所属芸人が多すぎて、そこで目立たないと埋もれてしまう、
決勝に出て、きっちりホームランを打って、初めて吉本が
重い腰を上げて「お前ら認めたるわ」といわんばかりに
メディアに打ち出していく。そこまでしないと推されない。
ナベプロは賞レースでもなく、メディアで少し結果を出した
だけでも、結構ちゃんと推してくれる印象がある。
「おもしろ荘」でハネた「クマムシ」「ブルゾンちえみwithB」
なんかがそのイメージが強い。
東京の事務所で、キー局の番組に出る事も多いので、
一回ハネたら一気に全国区だ。そうなると入ってくる
お金の額が全然変わってくる。呼ばれてるうちはバイトもせず、
何不自由なく芸能人の生活は送れるし、羨望も受けれる。
またナベプロは売れてない芸人に無関心なのは
他の事務所と一緒だが、一度ハネた芸人には優しい。
一気にぬるま湯につかることができる。
別に勝たなくても生活が出来てる、有名になってる、
そういう先輩たちがゴロゴロいて、後輩はその背中を見ている。
そうなると、賞レースに対する飢えはまぁ無いだろう。
事務所が芸人をタレントとして
商品化するのが尋常なく上手すぎる。
ナベプロは一度ハネたら、最短に近い形でタレント化される。
タレントに必要なのは芸人の尖りやギラギラではなく、
問題を起こさない、発言も炎上しない、無難なキャラクター。
それが番組制作側から求められる部分が多い。
なので、ナベプロの芸人は周りの芸人や事務所の色がそうだから
養成所の時点から尖りがなく丸い感じで
キャラが作られていってるような、そんなイメージがある。
朱に交われば赤くなるとはよく言ったものだ。
手を叩いて笑う、爆発的な笑いを起こすようなネタを
ナベプロ芸人のネタで正直見た事無いなぁと思うのは、
多分、自分の偏見だけの問題ではないはずだ。
そこも賞レースで弱い一因だと私は思う。
ただ、事務所ライブのネタ見せの時点で、
きっと事務所の色に合わせた受かりやすいネタがあって、
そこで自分たちの方向性が決まっていくのがあるから、
こればっかりは一概に芸人自身のせいばかりとは言えない。
もしかしたら、この事務所で漫才師だったとしたら、
事務所ライブには一切出れないけど、ソリッドなネタをM-1にかけ、
準決勝、あわよくば決勝行って、評判をぶち上げて逆輸入的に、
事務所でポジションを獲得した方がいいのかもしれない。
そこまでのメンタルがあるかどうかが問題ではあるが。
最後にまとめ
ここまで思った事を赤裸々に書いてきたが、
これは賞レースに特化しての事。
芸人は売れたら結局はネタ作りを一旦置いて、
タレント化していく方向にシフトチェンジしてくので、
早い段階からそこに持って行って、生活の安定を図れるナベプロは
芸能界でやっていく身としてはありがたい事務所であると思う。
また機会があれば、ナベプロのよき所も書いていこうとも
思ったり思わなかったりするので、その時はぜひよしなに。