M-1グランプリ2021 パート4
六組目、オズワルド
関東芸人の鬼門、ABCお笑いグランプリを東京芸人で初制覇し、
M-1も三年連続出場、今年一番、心技体整ってるのが
オズワルドだと。なので優勝候補だと踏んでました。
ネタは友達が欲しい。
畠中のサイコパス感がいきなり伝わるツカミから、
前半からウケてて、後半は畳みかけが全部決まって
4分という時間を余すことなく使い込む。
その会場全体を笑いの渦で包み込む漫才でした。
今までは畠中のボケは聞いただけではなかなか意図がわからず、
伊藤のツッコミで理解するパターンが多かったんですけど、
このネタは畠中のボケでちゃんとウケて、
伊藤のツッコミで笑いが倍化する理想の展開。
得点は665点
誰もが納得する一位でした。審査員も絶賛で、
松ちゃんの「めちゃくちゃ面白い」で感極まりそうになる伊藤。
あとナイツ塙の「畳一畳で笑わせるのが素晴らしい」と、
同じ漫才師から言われるのはこの上なくたまらないでしょう。
オズワルドの圧巻の一本目の漫才で、
俄然優勝ムードが高まった所で次の笑神籤は・・・。
七組目、ロングコートダディ
キングオブコントのファイナリストでもある
コント師のイメージが強いコンビで、
大喜利も平場のコメント力も強いボケの堂前と
楽屋でこの人の周りでは常に笑いが起こる楽屋番長の兎。
初めてのM-1でどんなネタをするのか、楽しみの一つでした。
ネタは生まれ変わりの練習
亡くなった時の魂をする兎と天界全部を担当する堂前。
舞台を広く使ってセンターマイク放置の
ほぼほぼコント漫才でしたけど「肉うどん」のパンチラインと
兎の言われた時の顔のインパクトで全部持っていきました。
堂前は声もたたずまいも言い方も良くて、芸人がうらやましがる、
「同じ事言うてもこの人の方が面白く聞こえる」代表の人で、
観客の堂前のセリフ待ちの雰囲気がひしひしと伝わりました。
また兎の顔の演技もびっくりした時の顔とか、
天寿を全うする時の顔も素晴らしく、審査員も気に入ってました。
得点は649点
松ちゃんと巨人師匠と意外にもサンド富澤が90点付近。
松ちゃんと巨人師匠は漫才師のシンボルでもある、
サンパチマイクの前でなんとかできなかったのかという所が
引っかかってました。確かにあんなに広くやらんでも、
マイクの前での前後の動きで表現できたんちゃうかなとも思ってたんで、
その評価は納得できました。ただ、これはすぐに修正出来る事ですし、
ネタの評価は非常に高かったので、そこだけを変えれば、
最終決戦残れるポテンシャルを秘めてるので、
キングオブコントでもM-1でも旋風を巻き起こすんじゃないでしょうか。
八組目、錦鯉
「愛すべきバカ」の筆頭格が八番目に来ました。
去年は笑いのウケでは最終決戦残ったかもと思うほどでしたし、
やはり芸歴から考えたら、技術、声量は間違いないわけで、
ここがM-1が芸歴ではなく、結成年数でくくる妙があるなと思います。
最年長記録を自身で塗り替え、セルゲイブブカと同じパターンと
自分達で発言し、ラストイヤーがまさのりさん56歳と、
M-1の元々のコンセプトを覆し続ける錦鯉が
去年の出来を超えれるのか、そこに注目が集まりました。
ネタは合コン。
以前見た事あるネタでしたが、改良されてる部分が多く、
ボケ数が相当増えてたので、初見に近く爆笑しました。
まさのりさんのキレある動きとバカの象徴の声のデカさ、
スベり笑いの箇所の動じなさ、力技で持っていく所や、
加えて、今回はたかしさんのツッコミの緩急がすごく心地よく、
序盤はほどほどに優し目に叩き、まさのりさんが後半怒涛のように、
ボルテージが上がってくると、負けじとツッコミも強くなり、
漫才の流れにメリハリが生まれ、オチに向かってぐっと盛り上げてくる。
しかも早い掛け合いでも、まったくお互いの言葉を邪魔しない、
漫才の上手さがさらに進化してて、いい漫才を見たという感じでした。
得点は655点
90点中盤を叩き出して、オズワルドと10点差の2位。
礼二も「去年と雲泥の差ぐらいうまくなってる」と言い、
巨人師匠からも「50歳からでも漫才が進化できる」と評され、
去年の出来をはるかに超えて最終決戦を手繰り寄せました。
ファーストラウンドは残り二組となりました。
今回はここまでしますんで、また聞いて~!(紅しょうが)