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毒親育ち視点で見るジャンケットバンク デッドマンズ・キャンドルライト 陸

11ラウンド結果


叶   1:03
獅子神 0:04(停止)

 9ラウンドにて「たいまつの死者を通過させても、酸素不足でロウソクに点火されないこと」が観測された為か、ハートの死者が歓迎されるように(ただし、ハンマーの死者は通過するので獲得したハートは1つ)なった。だが、カウントダウンが進まなくとも、叶との残り時間の差はまだ有るし、毒は獅子神の体に吸収されている。

「誰もが自分の世界に国境を持ち
 魅力がそこに入るパスポートになる
 思う存分殺し合おう
 2人の世界で」

 司会やVIPをスルーし、2人の世界で殺し合う。ギャンブラーが苦しむ姿を待っていたVIPだが、2人の世界を見ながら喜ぶVIPも中には居るだろう。とりあえず、KinKi Kidsのファンは「相方正面」なる単語を生み出し、尻を見せられながら話し続けられても喜ぶ猛者が沢山居る。仲良くしている姿がファンサービス。それが、前世紀から2人で活動し続けてきたアイドルの姿だ。

 そして、叶の「思う存分殺し合おう」に対して獅子神は返した。

「言っただろ?
 押し入ってブン殴るってよ」

 ただ、ブン殴るつもりは有っても、これまでの戦いから実力差を理解しているのが獅子神だ。ここにきて虚勢を張ることはしない。

「勘違いはしねぇさ
 オメーが先に置く門番を読むならまだしも
 オメーに読みを外させるなんて
 すぐにできることじゃねぇ
 オメーはわざとオレにハートを渡した」

 デッドマンズ・キャンドルライトのいやらしい部分、門番サイドから先に置く。これにより、後に置く死者サイドが圧倒的有利になれること。ただ、それも相手の手を読めてこその有利性。そのポイントにも獅子神は気付いていた。

「オメーにとって一番いいのは
 『自分がハートを集めて勝つ』こと
 次にマシなのが
 『オレにハートを渡して勝たせる』ことだ」

 それぞれにハートを抱えて表彰台に乗るイメージ画像。獅子神自身が幽霊になった姿がない辺り、これまでに吸い込んだ毒で死ぬことは考えてもいないと言うことか。また、獅子神は「隙間があると暖房効率が下がる経験」をしてこなかったのだろうか?
 残念だが、毒の流れる穴が有るなら、幾らかの対流は起きてしまう。冬場には、様々な「ドア下の隙間を埋めるグッズ」が売り出される。窓やドアを閉め切った部屋で暖房をつけていても、ドア下の隙間から廊下の冷えた空気は流れて込んでくる。これが、隙間が有れば対流は起きる身近な例だ。名探偵コナンの場合、ドア下から流れ出た冷気がトリック解明のヒントになったこともある。つまり、推理ものにおいて、隙間は見逃してはならない部分と言う説が有力です。

その頃の観戦組

 自称「神」の天堂は、何時でも天堂だった。神としての自信に満ちている。

「だが今はやるしかあるまい
 脅迫は本気でやらねば成立しない
この神がやったように

 牙頭と漆原相手に、生き残るのは(つまり、生贄をどちらにするかとも言える)どちらか選べと迫った天堂。そして、(同じチームである村雨は天堂の考えを察していたが、)オオカミの憤怒を発動してしまった漆原も、その後の漆原の様子を見ていた牙頭も、天堂の脅迫を受けて親友の為に死ぬ決心をした。どちらが天堂のオオカミに襲われても、親友との永遠の別れだと思い込み、これまで言えなかった本音を吐き出して。何と言うか、神の本気の脅迫は、善行でもあったから余計に質が悪い。

「手加減してまで勝ち方を選べるのは強者のみ
 この神のようにな

 大事なことなので、2度言いました。ピーキー・ピッグ・パレスの結果から、神の勝ち方が見事だったのは否定出来ない。御手洗が疫病神だったのと、反省する点が有った為にブルー・テンパランスでは負けただけだ。何故なら、神は全能だから。

「マヌケが
 もう区別はついてるんだろうな?
 自分に足りないモノ
 自分に必要なモノの」

 自己愛に満ちた天堂とは違い、村雨はまるで画面の中の獅子神へ話し掛けるように問うた。流石は、思いやりに目覚めた医者。マヌケ扱いはするが、獅子神を心配しているようだ。

12ラウンド結果


叶   0:58
    →0:29
獅子神 0:04(停止)

 獅子神は見事叶の残り時間を半減させたが、ハートを1つ通過させた。そして、残り時間が29分になった叶は、悲観的になってはいない。

「目を逸らすなよ
 眼の前のオレから」

 これがストリーマーの本領か。見られてナンボの職業ストリーマー。体調が悪くとも、笑顔で配信するタイプのストリーマーか?

13ラウンド結果


叶   0:24
獅子神 0:04(停止)

 ロウソクの火が消えた後のラウンドからは、1つずつハートを集めていく獅子神。だが、残り時間が24分になっても、叶にはまだ余裕がある様子だった。

「喜びを得る為には
 その大きさに見合った代償を支払わなきゃならない
 だから人が持てる幸福には上限があるんだ」

「何も支払いたくない奴には
 平穏という名の退屈が訪れ
 何かを求めようとする奴は
 良くも悪くも多くのモノを得る」

 この部分、鋼の錬金術師で知った等価交換を思い出す。何かを欲するなら、それに見合った対価が必要だ。それは、人生も同じ。甘い汁だけを吸える人生なんて、有ってはならない。喜びの対価、それは金銭かも知れないし労力かも知れない。だが、代償なしに何かを得続けることなど、有りはしない。

「敬一くん
 オレは喜びが欲しい」

 叶は代償を払ってでも喜びを得たい模様。それが本心か作戦かは、はっきりしない。

「行くとこまで行こう
 オレ達2人で」

 それ、地獄へ続く道に向かってませんか? いや、アンハッピー・ホーリーグレイル戦では、御手洗のモノローグで似たことを言っていたから、何も悪い方に行かないか?

「お前は
 もっともっと支払えるよな?」

 にかやかに吐血しながら話す叶。それを受けた獅子神が動揺しない筈も無かった。脳内の獅子神は色々と言ってくる。

「そこまでして勝たなくてもいいじゃねぇか」

 友の命を賭けるまでしたくない様子の獅子神。それは優しさ故か甘さ故か。とにかく、この獅子神が脳内会議で勝てば、デッドマンズ・キャンドルライト戦で勝つことは出来まい。

「ふざけんじゃねぇ
 だからお前は
 いつまで経っても
 弱ぇままなんだ!!」

 弱気になった自分へ喝を入れる獅子神。だが、真経津は「君は君のままで強くなりなよ」とケーキを摘まみながら言っていた。

「ヒデェことばっか言いやがる
 そんなに自分が嫌いなのかよ」

 ここに来て、気分屋ルーシー戦で鏡に映し出され、ライフ・イズ・オークショニア戦では1ページ丸々使って描かれた狐の登場です。ただ、このタイミングでは少ししか登場しなかった上に、獅子神はその違和感を気に留める程の余裕は無かった。少なくとも、選択までの制限時間である5分の間には。

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伊野聖月
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