毒親育ち視点で見るジャンケットバンク デッドマンズ・キャンドルライト伍
8ラウンドも叶にハートのみが渡されて終了した
叶 4:43
獅子神 0:07
残り時間が7分になった獅子神は、焦点の合っていない目で話す。これが演技でなければ、かなり毒が効いている状態である。獅子神が演技をしたところで叶は読むだろうし、出血度合いからして無傷でないのは確かだが。
「やっぱりオメーは強いな
オレには無理そうだ
忘れられねぇよオメーを殺したら」
改めて叶の強さを認めた獅子神。そしてそれは、観測能力や読みだけでなく、相手の命を奪う覚悟も含まれている模様。
「どんなに逃げて拒絶しても
クソな奴は世界に土足で入ってくる
そしてそのクソからしか
知り得ない真実はあるんだよ」
獅子神は誰のことをクソ扱いしているのか。とりあえず、真経津は「クソガキ」扱いされていたし、獅子神の心に土足で入ってきてオーバーキルに誘った感じはある。そして、そのクソガキに負けたことで、獅子神が真実を突き付けられていた感もある。
「よーく見てたかピカピカ野郎
オレの惨めなロウソクの火は
1本火が点くたびに少しずつ小さくなってる」
だが、裏を返せばロウソクの火が小さくなるまで、獅子神は銀行側が用意した穴に気付いてはいなかった説が有力です。今や幽霊となった小学校教師から、火の点いたロウソクに「下部に幾らかの隙間だけは開けて」集気瓶を被せた後、どんなことが起きるかを教えて貰おう。小学校によってどんな実験をするかはそれぞれだろうが、眞鍋先生は子供の理解度に合わせながら、分かり易く教えてくれる説。
「だからオレは賭けたんだ
バカみてぇに火をつけりゃあ
酸欠で消えちまうってな」
酸欠表現に、ドクター村雨がツッコミを入れるかと思ったが、特に無かった。天堂が酸欠になると、光る階段とか天使とか見えるらしいが。
「『炎と共にタイマーは減少する』
ルールではこう言ってた
つまり言い代えりゃあ
火が一つも点いてなきゃオレの時間は無限だ」
負け続けているようで、司会が説明したルールを聞き逃さなかった獅子神。シヴァリング・ファイア戦で真経津が「硝子製」を聞き逃さずに檻を破壊したように、銀行側が用意した穴を見付けた獅子神。引率の先生なしでも、獅子神は成長しているようだ。
「オイオイ随分と遅かったじゃねぇか
ようやくコッチ見やがったな
はじめましてクソ野郎」
やり切った表情で叶をクソ野郎扱いする獅子神。そのクソ野郎からしか、得られない真実も有ったのだろう。
9ラウンド結果
叶 4:38
獅子神 0:04(停止)
獅子神がゲートキーパー側のラウンドでは、相変わらずたいまつの死者を通過させてしまった。だが、着火のモーションはなされても、酸素不足でロウソクに点火することは無かった。そして、獅子神は語る。
「だから用意した
どんなにオメーに読み負けても勝てる方法をな」
対戦相手から「勝てる方法」を明かされた叶。獅子神の作戦を聞かされても動揺することなく、叶は胸に手を当てながら話した。
「白状すると敬一君
オレはお前に魅せられてる」
このストリーマー、魅せ方を熟知している。ゲームを観戦しているVIPを飽きさせることなく、対戦相手を動揺させた。この時点でも、まだ実力差は滲み出ている。獅子神が動揺してしまったのだから。
「認められて喜んでんじゃねぇよ」
毒親育ちの弱点、褒められ慣れていない・認められ慣れていない。慣れていないから、対応も直ぐには出来ない。ハートに埋もれるイメージと、涙を流す獅子神の姿。これはもう、獅子神の殺意揺らいだよ。そして、見抜かれているやつだよ。
「優しい敬一君は
ちゃんとオレを殺せるのかな?」
まあ、メタ視点からしても叶は死なないだろう。そもそも、ワンヘッド戦以外は、基本的に対戦相手を殺す必要は無いのだから。
10ラウンド結果
叶 4:33
→4分の1
→1:08
獅子神 0:04(停止)
「傷つくことが増えたってことは
好きなモノが増えたってことだ
命はそういうコトに使うべきだよ」
ポーズを決めつつ語る叶。何と言うか、ギャンブル漫画の皮を着た人生論を語る漫画に思えてくる。一方、獅子神は殺意をみせる為か「オメーも笑ってはいられねぇよ 死ぬ直前になったらな」と言い放った。そして、ギャンブラーの能力が高い叶はそれに動じることはなかった。
「泣いててもいいさ
好きなモノのためなら」
叶の好きなモノとは何なのか? それが何時か分かるのだろうか?