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コント脚本「第二ボタン」

★登場人物
・田中 : 高校2年生。

田中くん。


・先生 : 48歳。既婚。最近疲れが取れない。

疲れが顔に出ている。


先生「おい田中。お前、いじめられてんのか?」

田中「え、なんでですか?」

先生「そりゃだってお前、そんな毎日制服のボタンとか靴袋とかなくなってるのを見てるとな…。誰かに隠されてるんじゃないのか?」

田中「先生、違いますよ。僕が主人公だからです」

先生「……は?」

田中「先生がなくなったと言っているものは、全部城ケ崎さんにあげたんです。『田中くん、主人公キャラだよね。縁起良さそうだから、第二ボタンちょうだい』から始まりました」

先生「……。」

田中「先生、そういうわけで、別になくなっても困らないものをあげてるんです。学ランのボタンなんて、一番上に1個ついていたら、防寒はばっちりですからね!あとは靴袋、リコーダーの滑りを良くするクリーム…….。」

先生「……まあ、お前がいいならいいんだ…….。」


城ヶ崎さん。結構キュート。

②(その後の休日、先生はフリマアプリを見ている。)

先生「息子が制服のボタン落としてきたんだよな……。先月、すでに1回付け替えたのによ……。俺に付け替えろって、自分で付け替えろよな……。……うん?」

PC「大特価!なんと、あの某有名漫画の主人公が学生時代に着用していた学ランのボタン、1個5万円!!」

先生「いや、まさかな..….。」

(先生、フリマアプリ内で「主人公 学生」で検索)

PC「某有名漫画の主人公が学生時代に使用していた靴袋、今なら安売り3万円!」「学生主人公のリコーダー、6万円!」

先生「漫画のキャラの日用品とか、意味わかんねえだろ、こんなの買うやついるかよ…...。しかもよ、リコーダーのに関してはクリームの方だろ?変な書き方すんなよ......。」

PC「あの主人公の学生時代はどんな感じ?生写真3枚セット10万円!」

先生「おい、肖像権までやられてるよ………あ、本物の有名漫画キャラの方か?普通の転売ヤーかよ…。」

③(休日明けの平日、先生は田中を呼び出す)

先生「先生な、フリマアプリで、……..その、な、お前が城ケ崎に渡したっていう物が勝手に高値で売られてるの見つけちゃったんだよ….」

田中「そうですよ」

先生「そうですよ!?」

田中「そりゃ、僕だってタダで渡すわけないじゃないですか。城ケ崎さんが僕のカッコよさに惚れてるのは事実です。僕が私物を渡す。城ケ崎さんが自分で楽しんだ後に、フリマアプリで販売。売り上げの5分は僕に入ってきます。」

先生「(.......9割5分、まんまと城ケ崎に取られてんじゃねえか。しかも、あんなの買うやつどこにいんだよ……)」

田中「先生も、『僕の上履きの裏にいつの間にか刺さっていた画鋲』、いりますか?」

先生「いらないよ!!!」

④(10年後。職員会議にて。)

校長「えー、本日は先生方にご報告があります。本校のネーミングライツが、一括1500万円で買い取られました。本日を持ちまして、『俺の高等学校』になります。出資者は、本校卒業生・田中さん。」

先生「…...あれ、買うやついたんだ……。」

完。

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