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rekordbox lyricの終了とお気持ち表明

2024/11/30を持ってrekordbox lyricが終了します。

ちなみに2024/12/03時点の挙動としてはこんな感じ。
・今まで取得した歌詞は使える
・新しい同期歌詞の取得が不可

正直な話12/02時点では今まで通り使えてはいたのでこれからも使えるかな?と思っていたのですが、やっぱり停止されてしまいましたね・・・

それに伴い、このソフトへのお気持ち表明をさせていただきます。

良い点に関してとか、使い方に関してはCUERaiderのときのnoteを見てください。

ヘビーユーザーならではの視点もあるので愚痴として聞いていただければ幸いです。

わたしがいろんな現場に呼ばれるきっかけとなったり、CUERAIDERでレコボリリック回をやったりと愛用していたのですが、サービスとして惜しい部分が正直かなり目立ちました。それも含めてお話しします。

良かった点

・歌詞を投影すること自体はかなりお客さんの評判がよかったです。
クラブでは踊りたいって欲求の他に歌いたいって欲求も結構大きい。そのニーズに対応しつつも、もともと投影している映像の雰囲気を基本的に崩すことなく対応することができました。

・公式として想定した仕様ではないにせよVJソフトにSpoutを使って取り込むことができたので、余計なキャプチャソフトを挟まなくても運用できたのは良い点。

・この手の機能はDVJとしても使え、再生位置に基本的には歌詞が追従できるのでDVJ/配信DJにとっても嬉しいポイント。

特に配信VJや現場でいわゆるアニクラVJができない人にも重宝されました。

レコボリリックはなぜサ終したのか

これは推測の域を出ませんが、理由は主に以下の通りかとおもいます。

利用者が少ない
・CDJの普及によりcoreプラン以上を契約する人が増えたのでPioneer/Alphatheta側でも「入れなくてもサブスク契約してくれるやろ~」ってなった
・rekordbox lyricを搭載することでlyricを使わない場合でもソフトの挙動が重くなった

利用者が少ない

やっぱりこれに尽きます。

DJにとってもVJにとっても使いにくいこと限りないです。以下の理由より。

・高画質でlyricを投影するにはそれなりのゲーミングPCMacBook(M1クラス以降orそれ以前なら15inchクラス)が必要。
正直私の使ってるVJPCくらいのスペックは必要で、DJ用にそんなスペックのを使ってる人は多くない。低画質は目に見えて低解像度。

・Windows機でLyricをVJソフトに混ぜるにはキャプチャデバイスかミキサーが実質必要とされている(spoutやsyphonで飛ばすのは本来バグ技です)

・色が固定できないし透明度が調整不可。
→これが最大にして最悪。rekordboxで映像と混ぜる時、変に色がつくせいで他の素材と混ぜるとなんか汚い
せめて白文字固定ができればと思ったんですが、できないです。やるにはジャケット画像で黒背景に白い丸とかが乗ってるやつをわざわざ登録するなどの邪道な手しかなく、手間が多いです。透明度が調整できないのも大きいです。白文字だったとしても、それが不透明度100%で乗るので後ろの映像が非常に見づらい。

モーションの中にもreverseみたいに背景を塗りつぶすものもあるわけなので、それを引いちゃうともう後ろの映像が見えない。モーションの変更は可能なのですが、もったいない仕様です。


モーション「reverse」。白くないところに映像が残る。DVJで使うと全く映像が見えない

ようは、うまく合成するには邪道な方法をとるかほかのVJソフトの力を借りなくてはならないのが正直なところで、rekordbox lyricをpioneer公式の方法で使おうとするとlyricが邪魔になる印象を受けることが多いと思うのです。

せめて黒背景白文字で固定できたなら、暗い空間に歌詞が浮かび上がるような使い方ができたと思うのですが...

MIDIコンで入りきり調整できないのもマイナスです。歌詞がない曲やMVにすでに歌詞が表示されててリリックを表示すると二重になる曲はリリックを載せると邪魔になるのです。また、取得できないものはなんかふわふわ浮いてるし白い背景が表示される市で使いにくい。

このときlyricを切る操作をMIDIにアサインできないのでマウスで動かすしかないです。

・DVJしたりVJが耳で合わせるとお客さんに歌わせるには歌詞が遅い
→実際VJで使うには耳で合わせるタイミング+4-8拍くらいで出してちょうどくらい。モーションによっては歌うのに間に合いますが、DVJのときは調整する術があんまりないかな、とおもいます。

・VJが使うにあたっての最大の問題:音源が必要
→わたしはDJやってるVJなのでたまたま運用できましたが、そうでなければなかなかよく流れる曲の音源は持ってないでしょう。
ダミーデータを作っての運用は可能ですが手間を考えると結構きつい。

まとめると、

・DJとして使うならゲーミングノートが必要。歌詞の同期は歌わせるには遅い。
・VJとして使うなら音源が必要。
・公式の方法でrekordbox video&rekordbox lyric使うと割とキレイに歌詞が載らない。

以上の理由によりDJが使うにもVJが使うにも難がいろいろありました。

なので、利用者は自ずと少なくなるかとおもいます。

CDJの普及によりcoreプラン以上の契約者が増えた

これはまあpioneerにとってはいいことなのかもですが、正直、モデルとしては不健全かなあ。

というのは、「rekordboxを使って現場に安全に出れるのはサブスクを契約してる人だけ。」ってことであり、DDJ-FLX4を買って現場出るぜい!
ってなっても現場の機材がCDJ3000以外ならhardware unlockが実質効かないわけです。

サブコントローラーオーディオインターフェースなんかでもう少しスムーズには行きますが...

まあpioneerとしてはUSBメモリを推したいんでしょう。というのもわかりますが、HIDの機能があるにもかかわらず「不安のためにDJが予備機材を持ってくる」というのはなんかスマートじゃないです。

また、契約している人にとってもライセンス関連の確認をするためにインターネットに接続する、期限切れにより現場で使えなくなる可能性があるかもしれず、そこも不安。
(USBメモリを予備で用意しとけ、はそれはそうとして。)

いずれにせよ、商売がうまいというべきか汚いというべきか、サブスクを契約してもらえる理由としてrekordbox lyricを残さなくてもよくなった、とは言えると思います。

rekordbox lyricを搭載することでソフトの挙動がlyricを使わない場合でも重くなった

たぶんこれも原因でしょう。

ようはlyricを使わない時でも何らかのlyric関連機能が動いており、これがrekordbox 6の解析が重いと言われた一因と考えられています。

また、インターネットとの承認プロセスもおそらくはレコボリリックによって複雑で遅くなっていた。と考えられます。

つまり、Pioneer側にとってDJプレイを安定させるソフトを作るにあたって、lyric機能は障害だった可能性があり、そのため切られてしまった可能性があります。(ver7も安定してるかというと怪しいですが)

これは仕方ないこととはいえ、なんとかならなかったのか・・・

ソフト開発側としてもlyricがついたVerとそうでないVerを別々に作るのは手間でしょうし、まあ仕方ないのでしょう。

rekordboxのタイムコードと曲情報を読み込んでリリックを取得し映像として出力するなんらかのソフトがあればいいなとは思いますが、おそらくrekordbox video/lyricの機能更新がしばらくされないことから開発チーム自体は実質開発を進める側で動いておらず、機能の復活や代替機能がPioneer/AlphaThetaからお出しされることはほぼないんじゃないかな、と予測しています。

これからの展望と代替サービス

DJ領域でこれに代わるサービスはなかなかありません。一応、使えそうなソフトを列挙します。

1.歌詞ソフト/カラオケソフト

歌詞を表示するだけならカラオケソフトとかがあるにはあるし、プチリリで歌詞そのものは出すこと自体は可能です。

ただ、ほんとに歌詞が「テキスト」とか「カラオケ」って感じの乗り方にはなってしまうので、VJとして使うにはかなり難かな・・・

歌詞を切り取って下に載せるとかはギリ可能かもです

プチリリ

2.text alive/After Effects

Text aliveが代替として上がることはありますが、あらかじめ歌詞を生成しておく必要はあるかなとおもいます。よって歌わせたい曲が決まってるならアリかなあと思ってます。キャプチャでやるにしてもフルスクリーンやPinPで投影できないので結構難しいです。
また、対応してる楽曲が「songle」というサービスに対応している必要があり実質ボカロやVTuberの一部の楽曲しか対応してません。
これらのジャンルは正直な話、MVなどに歌詞が入ってる可能性がかなり高いので、改めてLyricを投影する意味があるかというと、うーん・・・というところです

3.After Effects

あんたVJやろ!AfterEffectsでキネティックタイポグラフィ作れや!という人もいて、その理屈もわかりますが、

正直な話、自分でキネティックタイポグラフィーを作成し、rekordbox lyricのようにある程度の割合で歌詞を投影するためには気の遠くなるような作業量が必要だと思います。

ただ、ライブやセトリ決まってる場合あるDJの渾身の一曲に映像をあてる、イベントで大合唱させたいアンセムが決まってるならともかく、その場で曲を選ぶDJの文化に対応しきれるかというとなかなか大変かなとおもいます。

(ライブやMVと違って自分の作ったモーションが確実に投影されるとは限らないのに作るの?っていうモチベーションの問題もありそうですし・・・)

4.AWA/Lyric DIVE

今のところ最有力サービスかなあ。レコボリリックと同じくCOTODAMA社Lyric Sync Tecnologyを使ってます。(月額はかかります)


問題としては歌詞表示フィールドが正方形なこと。
あとはWindowsのAndroidエミュレータを使うとDIVE機能が使用できないのでiPhoneとかを別に用意することになりますね。

フルスクリーン投影できれば世界変わるのに...

モーションに関しては選択不可なのが残念ですが、まだなんとかなります。

shazam的検索ができる、音源なくても投影可、再生位置調整可能、モーションもレコボリリックっぽいので割と実用的かな。

とりあえずはわたしはこれを使っていきます。

使い方は一応ブログに今後記事を書こうかなと思っています。

今後の展望の予測

今後ですが、djayとかにこの手の機能が搭載されないかな...もしくはLyricをVJがより利用しやすい仕組みができないかな・・・と思っているんですが、COTODAMA社のプロダクトでAWAのLyricDIVE以降のソフトウェア系の動きがあんまりないように見えます。
会社としてもAWA/LyricDiveでLyricSyncTechnologyを体感してもらい自社のプロダクトを買ってほしいんだと思います。
DJ、とりわけDVJって割とニッチな趣味ですし・・・

今後、より良い歌詞投影システムができれば良いんですが、最近のMVはそもそもキネティックタイポグラフィや歌詞が載ってることが多くこの手のシステムは必要ない。しばらくはリアルタイム歌詞映像生成VJは冬の時代になるんじゃないかなと思ってます。

いいプロダクトが出ることを願っています。

結語

rekordbox lyricはすでに取得した歌詞は使えるのですが、やっぱり使えなくなると思っていたほうがいいと思います。
個人的には自分がVJ活動をするにあたってかなりお世話になった機能なので痛いところです。

LyricDiveに関しては操作に慣れが必要だったりはしますが、使える可能性を一番感じてる機能でもあるので、いいやり方を見つけつつ慣れていきたいなと。

これからは各アプリをなんとか駆使してみなさんを歌って踊らせるVJをなんとかやっていきたいと思います。今後とも応援よろしくお願いいたします。




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