VJ3周年note VJを増やす、ということをやろうとしたこと。
一応VJは3周年、DJは約4周年になりました。
今年やったことなのですがVJを増や(そうとする)という行為をしました。
なぜかという結構いろんな背景があります。
1.明らかにワンオペが増えてきた
コロナ禍ということもあり現場でのアニクラVJの案件はかなり減りました。動ける人も減り、情勢が情勢なのでなかなか遠方からも呼べない、ってなると自他含めてワンオペで6時間とかが割と地方では出てきてます。(昔からありましたが)
ワンオペはワンオペで自分のやりたいことをひたすら試せるのでいいですし、意外とやれちゃうのも事実なんですけど、やっぱりマシントラブルやトイレや喉乾いたときに抜けられない、挨拶に回れないのは単純につらいです。
2.アニクラも分化してきたため、特化したVJが欲しくなってきた
アニクラ/アニソンDJも割と以前より人口が増えたのと、各種コンテンツもアニソンだけじゃなく分化してきました。
具体的に言うと、アニソンでもややマニアックなところがかかるところもあれば、VOCALOID、VTuber、リミックス、二次元アイドル(そのなかでもアイマスオンリーだったりブシロード系特化だったり)などを立ち上げたい!という声もあり実際各地で立ち上がったりもしています。
わたしもある程度コンテンツに関する知識を深めたりはしてるつもりですしこの手のイベントに呼ばれれば喜んで乗りますが、さすがに生粋のファンに熱量で追いつけるかはかなり怪しいです。(ついていこうとはする)
何が言いたいかって言うと、詳しい人がやったほうが楽しいしどんな映像がほしいか、がわかると思うのです。ここは曲に対して汎用素材的なもので対応するときもそうです。
やっぱりVJも自分の詳しい曲や知ってる曲に当たったほうが嬉しい!し対応できる手数も多いというのが普通でして、オールマイティーにいろいろやりつつもある程度好きな分野や得意な分野がある人が参加してくれると、映像にも「わかり」の要素が入ってくるし、やっぱり盛り上がるし楽しくやってくださると思います。
3.若手DJ/オーガナイザーが増えてきたのでVJとの関係を再考したい
嬉しいことに、地元でも都心部でも若手や新しいDJ/オーガナイザーが増えてきています。
だからこそ、VJとの関係を再考したいのです。
例えば、こんな人がいるかどうかはわかりませんが、「VJはどんなジャンルでも対応できる!」とか「ワンオペでも大丈夫だよ!」とか、「ベテランの人にお願いしてれば間違いない!」とか、「映像のことは完全にお任せ!」とかの文化もあるかもしれません。
もちろん頼られることはいいことなのですが、人間が動いている以上限度はあります。設営は大変なこともあるし、DJと協力できればうまく立ち回りやすいところもあるし、連続でデイナイト受けられるわけでもないです。
会場の設営とかの都合もあるんですが、やっぱり設営を手伝ってくれる、とか、プレイの感想を述べてくれるとか、負担を考えてブッキングしてくれる、セトリを組む人でセトリを出してくれる、セトリを組まなくとも選曲をスムーズに行い、直前での曲変更時にはひと声かけてくれる、など結構負担を軽減したり心理的に楽にするための工夫って多々多々あります。
何が言いたいかって言うと、イベントはDJだけで成り立ってるわけじゃないし、負担軽減できるところはどこだろうというのを再考してほしいのです。わたしは比較的慣れてはきたので設営とかもなんとかなるにはなるんですが、こうしたら助かるかもな・・・という視点は持っていてほしいです。とくに初心者アニソンVJがスムーズにデビューするためには、DJの協力はどこかしら必要にはなってくるかと思います。
そういう意味で、VJ講習会は実はVJ以上にDJに対して行ってる側面があります。VJとして活動しなくとも、一緒に動く人の導線を知り気を配れるようになるだけでもかなりイベントはやりやすくなるのではないでしょうか。
もちろんDJが音を止めない、他の人がDJのプレイを邪魔をしない、のは前提ですが、一緒に動いている人の動線や気持ちを理解して動ける人は、人間関係についてもうまくいっててやっぱりそういうところでも評価されている気がします。
VJが増えれば増えるほど、地理的に近い、とか特定のDJと仲がいい、とか、イベントで客同士として会って話しやすくなる、とか同じものが好き、とかそういう要素も増えてくると思うしサブスキルとして技術を持っておけば互いの気持ちと動線がわかると思うので、やっぱりVJが増えるもしくは体験したことのあるDJの割合が増えると互いにやりやすくなると思ってます。
ようは互いに必要な情報をやりとりし、ときに助け合うような関係性になっていきたいものです。
4.若手がイベントを開くための敷居を低くしたい
こういう書き方をすると賛否あるかもしれませんが、地元にVJがいるのとそうじゃないのではアニクラの開きやすさがかなり変わってきます。もちろんVJのブッキングのしにくさがストッパーになってることはイベントをある程度制御できたり、近くでイベントが被りづらくなるなど悪いことばかりではないんですけど、やっぱりイベントが開催しやすくなるってのは結構その土地のシーンを維持する上で大事です。
一時期のイベントの話を聞いたのですが、地域によってはイベントを開くための一番の山がVJ確保だったりするところもあります。隣県から呼ばなくてはならない、ワンオペであることを宣告しなければならない、その人がレギュラーで所属しているイベントの日程と会場の日程が合うかをちゃんとチェックしなくてはならない、などなど。
そうなってくるととたんにイベントが開きにくくなってしまったり、本当に呼びたいDJが呼べなくなったりといろいろ問題が起きやすいので、やっぱり地元やイベント開きたい地域に数人いる!ことはかなり大事だと思います。
5.自分の日程次第でイベントそのものの生殺与奪が決まる可能性がある
いろんな案件でわたしに打診があるたび思うんですが、わたしの勤務日程が出るのは一ヶ月前で、夜勤のある職業で行楽シーズン等にも仕事が入ることがあり仕事の勤務日程交換も簡単じゃないため、返事を保留することが多いです。
そうなったときに、わたしの日程ありきでわたしをワンオペにしてイベントを実行しようとすると、受けるのが難しいってなったときにVJできる人がいない!ってなる可能性は結構近くのイベントでは感じてます。
そうなってイベントをやむを得ない事情でお断りしたときに、イベント開催を断念する、もしくはVJがつかないイベントになる、は結構可能性として考えられまして。
2人が1人になる、とかならどうにかなる方ですが、ワンオペがゼロになる(かもしれない)、は本当にリスクが高すぎます。
そういった意味で、難しいとは思いますができればイベントにVJは2人(できれば3人)はいたほうがいいです。
仕事を理由に断るのはめちゃくちゃ申し訳ないんですけど、それによってイベントができる/できないが変わってくる、ってのは本当の本当に申し訳ないので。
あと、DJのブッキングに自由性がなくなってしまうのも申し訳ない。わたしの日程を考慮してくれるのはめちゃくちゃ助かるのですが、私の返事を待つと「2ヶ月前に休み希望だしてね」、や「宿や新幹線早く取ると安くなるよ」な人が出れなくなる可能性があるわけです。
なので、イベントの日程をある程度決めるためにもVJは声かけられる人が何人かいる!って条件は必要かと。
以上の理由から、まあVJは多いほうがいい、ってなります。
が、やっぱりいろんな要因で敷居が高いのは事実でして、
・作業量的障壁(作業量が多くて辛い)
・金銭的障壁(機材やソフトを買わなければならない)
・体力的障壁(連続でイベントに出たりワンオペは辛い)
・技術的障壁(ソフトの挙動を理解するのが難しい)
・心理的障壁(映像間違えたりソフト落としたりすると怒られる)
など数々の障壁があります。(実はいくつかはかなり環境次第で軽減できるんですが)
それらの障壁をうまく取り除いていかないとなりません。
そのために行ったのが
・VJ講習会
・ブログやnoteでのTips公開
・勧誘
・Discord等でのフォロー
になります。
ようは人が増えるほど楽になります。人が2人いれば負担が1/2です。楽しさは2倍です。
これらの活動を通して気づいたこと、とかこれからの指針についてもお話しますね。
1.とりあえずはセトリあり枠からでもいいのでソフト触らせたほうがいいし体験してもらったほうがいい
とりあえずは誰か欠けたときに「できるかも!」な人を育てること&動線を理解してもらうことが先決です。最終的にVJとして正式なイベントでデビューするかは置いといて、VJに理解がある人がいたり補助に入れる人がいるとかなりイベントがやりやすくなります。
あとは練習会のときハードディスク持ってきたんだよねーとか、今日はセトリありの人限定だけど映像も扱ってみるよー!とか。プロジェクター借りれるならiPadで雰囲気だけでもやるかー!とか。そういうのを繰り返していくと「じゃあイベントでサポートからやってみようかな?」とか「自イベントくらいなら!」「ラウンジや練習会くらいなら!」という感じで敷居が下がってくると思います。
とりあえずはロゴ入りVirtualDJでスタジオからデビュー、ラウンジから飛入り、家練習からスタートでもなんでもいいので、始めてみることがとても大事です。
2.難しい技術は後回しにしたほうがいい
これは私自身の反省でもあるんですが、難しい技術(エフェクトや複数ソフト連携)などは興味のある人であれば勝手に研究していくので、後回しにしたほうがいいかもしれません。
VJ自体ResolumeやVDMXにできることが非常に多くて楽しいよ!ってマシンガントークで説明してしまうんですけど、それを全部最初から説明してしまうと、面白い!より難しい!が先に来てしまい敷居が高くなってしまいます。なので、まずはポン出しであるとか、2素材合成であるとかその辺からやってみてもらうのがいいと思います。
3.DJVJ練習会はやったほうがいい&DJ練習会でVJ練習したほうがいい
将来的に映像を使ったイベントをやりたくて練習会で環境あるなら、映像は誰か扱ってたほうがいいと思います。別にVJがいるからといってDJの得られる経験値が下がるってことはめったにない、むしろVJにも経験値入るならやらない手はないです。「映像扱えるんですね!じゃあ私の開くイベントでVJやってください!」といっても正直なところみんな怖いと思います。
そこまで持っていくためには家練習とイベント本番の間にワンクッションほしいのは事実です。
あと、DJにとっても配信やmixcloudでDJをするのも悪くないんですが、DJ同士の転換、現場での機材の使い方、自分のターンの役割とデザインの仕方、フィジカルな反応などDJにとっても現場に出るまでに覚えておいたほうがいいことは学ぶ機会が必要です。(現に私があんまり現場でやってるタイプじゃないので今でも緊張しますしCDJ使えるか、ミキサーから音がでないときどうするかは今でも迷います・・・)
そういった意味で、配信やmixcloud、VRやDiscordなどのおうち活動が流行ってきた今だからこそDJ、VJ双方のために練習会をやっていくといいと思います。
4.すぐに育つわけじゃないので種を撒いておこう
DJと違って育つのに間違いなく回数がかかるので、根気よくやってくしかないです。体感、新しい人が入ってくるには機材準備や声掛けから1年位はかかります。
去年の失敗として、BlackFriday前に急いでVJ講習会を行いましたが、正直なところそのタイミングでは増えませんでした。
そもそも特にアニクラVJの分野においてはVirtualDJスタートになることも多いのとVDMXでも複雑な構成を組まなければ無課金である程度過ごす事ができる、ほかのソフトも構成はどの時期でも組み始められるため、まあ別に無理やりBlackFridayに合わせることはなく、8月くらいに体験版導入!くらいにしないと決断しにくいと思います。(VJソフトの値段も大幅割引とはいえ安くはなく、買ってやっぱり『合わない』というのも辛いので)
本格的に始めようとなるとやっぱりPCは必要で、無料のソフトとかを使うとかえって知識が必要になる要素もあるので、決断してもらうためにはかなり時間がかかります。
とりあえずはきっかけだけ作って興味のある人は拡張のために各VJソフトを買ってもらう、それまでは体験と操作習得、という感じに持っていくのが○かと。
欲しい人は自分で本格VJソフトを買おう!って流れになっていくので、まずはきっかけと体験する機会を提供しながら、ゆーっくり育てるのがポイントになってきます。
最後に
記事書いたり講習会はしてるんですがなかなか増えない、ですが結構興味を持った人も増えてきました。育てるのに時間がかかる、&イベントで当たり前のように映像を出しているのが現場の常識になりつつあるので地域によってはそこからほどかなくてはならない、のですが気ままにやっていこうかと思います。
さすがに遠方や知らない方へのサポートは限界があるので、noteやブログを使ってのフォローになるとは思います。が、これから映像もクラブやイベントの楽しみの一つになっていくとひとりのVJとしては嬉しいです。
ということでまもなく4年めになるのですが今後ともよろしくお願いします。