路線図の「時空の歪み」に「いいねぇ」って言いたい
路線図が好き!と言い続けていたら、本を出すことになりました。
『たのしい路線図』(グラフィック社)という本です。同じく路線図好きのライター・西村まさゆきさんとの共著。8月8日頃から発売になります。
『たのしい路線図』の帯にもあるように、コンセプトは「路線図をただ眺めて「いいねぇ」って言いたい!」
僕も西村さんも、大変恐縮ながら熱心な鉄道ファンではなく、それ相応の知識には乏しい身。それでも路線図が好きなのは、そのカタチや成り立ち、デザインの工夫など、路線図ならではの「好きポイント」があるから。
なので、路線図をただ眺めては、ただただ「いいねぇ」って言うばかり。初孫が生まれたらこんな感じか、という視点で楽しんでいます。『たのしい路線図』も、特別な知識が無くても楽しめる本になりました。
路線図の「好きポイント」って、どういうところなのか。
例えば、みなとみらい線の路線図。
みなとみらい線は神奈川件の元町・中華街駅と横浜駅を結ぶ路線です。
横浜から先、東急東横線、東京メトロ副都心線、西武線、東武線と乗り入れ、どんどん北上していきます。
これを地図で描いたら、上へ上へと伸びる線になるでしょう。でも路線図は限られたスペースを有効に使うために、横浜駅以降を「うずまき」にしています。渋谷から下に新宿や池袋があり、西武東武は左に折れ、みなとみらい駅(神奈川)と飯能駅(埼玉)が隣町くらい近づいている。時空が歪んでいます。
でも、これを見て「不正確だ!」と怒る人っていないですよね(たぶん)
地図は地形をそのまま写しとるのに対し、路線図は「駅と駅とのつながり」を示したもの。わかりやすさのためだったり、スペースの都合だったりで、現実と位置関係が異なることも多々あります。そこがデザインの腕の見せどころだったりします。
駅と路線、という現実世界のものを表現するのに、路線図を描く人の数だけカタチが異なる。路線図には多様性があるんです。東京メトロの路線図と都営地下鉄の路線図だって、ほぼ同じ範囲を描いているのに、見た目が全然違いますよね。
『たのしい路線図』には、日本の鉄道路線図や運賃表を約200点収録しているんですが、色も形もデザインも本当にいろいろ違います。描いている人の数だけ路線図があるのだなぁ、と改めて感じました。
自分にとって初めて本が出るぞ……!という勢いもあり、これから路線図の「好きポイント」をnoteに載せていけたらと思います。
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