新元号発表までの「空白の10分間」中継が情報ゼロで最高だった
いやー最高でしたね。新元号発表、の前の、空白の10分間。
NHKおよび民放各局、朝から新元号発表特番を組んで、発表の2時間3時間前からずっと元号の話をしていた。各局ヘリを飛ばしていて、菅官房長官が乗った黒塗りの高級車を追ったりしていた。
予定していた11時30分が近づく。いつ発表が始まってもいいように、どの局も会見場をワイプで映しはじめる。あのテレ東まで中継をはじめた。いよいよだ。
11時30分。
…が、菅官房長官が出てこない。
1分…2分…5分経っても出てこない。
いつ出てくるかわからないから、会見場の中継を切るわけにいかない。誰も出てこないし、何も起きない。でも放送は続けないといけない。
NHK瀧川アナ、TBS恵俊彰、日テレ藤井アナ、テレ朝大下容子、フジ三宅アナ、テレ東はごめん誰だかわからないのだけど、それぞれ持てるMC力を振り絞ってこの空白の時間を埋めていた。
とはいえ、2時間3時間元号の話をしていたのだ。もう話すこともそんなにない。会見場のカーテンの色がどうのとか、新元号を入れる額がどうとか、話のネタがどんどん小さくなっていく。
フジの金田一秀穂先生にいたっては訓読みの可能性に言及し、「あるか⁉︎ 初の訓読み」というテロップが出た。こんなに訓読みがドラマチックにフィーチャーされることがあっただろうか。
そのままフジテレビは全国中継を交えた3元中継になる。そのうち一つの画面はJALの入社式。浅田真央が新入社員にスピーチするため登壇した。新元号に絡めたスピーチの予定だったらしい。
三宅アナが「真央さんも発表までつなぐんでしょうかね?」と言う。
約10分ほど経ち、ようやく菅官房長官が出てきて、この空白を埋める戦いに終止符が打たれた。あとはご存知の通りだ。
あのまま2時間くらい菅官房長官が出てこなかったらどうなってただろう。
「お腹が空きましたね」「脇の下が蒸れてきました」「何時に起きました?」とか、情報ゼロのテレビが続いてただろうか。そんなの見たいに決まってる。
明日も新元号を発表してほしい。