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努力も根性も無し。サイボーグで体育を学ぶEテレ『はりきり体育ノ介』
運動音痴だったんですよ。速く走れないし、ボールは遠くに投げられない。ドッジボールは逃げてばっかりで、サッカーはいつもキーパーをさせられてた(チームメイト邪魔しないから)
そんな子ども時代、この番組があったら……! というのが、Eテレ『はりきり体育ノ介』。小学生3年生~小学生6年生向けの教育番組で、ネットで全部観られます。
運動音痴の記憶にある体育って「方法をちゃんと教わってない」と思うんです。体育教師は努力と根性を錬成して作られていたし、運動神経のいい人たちは自分たちで盛り上がってるしで。
『はりきり体育ノ介』は、「できない人」の映像を事細かに解説して、「ここがこうなっているからできない」を明らかにする。そして「できる人」の映像と比較して、「ここを直せばできる」とポイントを教えてくれる。
……が、今までもそういうアプローチのものはあったと思うんだけど、「できない人」を実際にできない子どもがやると、ドキュメンタリーになっちゃうんですよ。
できなかった子がこんなにできるようになった!ってなっちゃう。「頑張った!」という視点が入る。見ている側は「その子が頑張ったからできたんでしょ」になる。
※ちなみに「実際の子供たちを相手にプロが教える」というアプローチでは過去に『奇跡のレッスン』(NHK)がある。世界の一流指導者が技術だけでなくマインドまで変えちゃう、これはこれですごい番組。
『はりきり体育ノ介』はこの「できない人問題」を「サイボーグが体育をやる」という手法で解決している。
タイトルの「体育ノ介」は、博士が作ったサイボーグの名前。基本スペックg高いが「体育の能力だけ入れ忘れた」という設定で、毎回博士が「さかあがり」とかをインストールする。で、実際にやってみるとできない。
博士は「プログラムを改良せねば」と、できる人のデータを「ダウンロード(オリンピック選手による実演)」して、体育ノ介と比較・分析する。逆上がりなら「ける足が後ろすぎ」「うでが伸びきってる」ことがわかり、再び「できるポイント」を体育ノ介にインストールする。
「できない人」をサイボーグに、「できない原因」をプログラムミスに、「できるようにする」をプログラムの改善にすることで、ドキュメンタリー要素や、努力と根性の部分を排することができるのだ。
映像もわかりやすいので、「こういうことを知りたかったんだよ~!」ってなる。今の時代、親にスマホで動画を撮ってもらえば、スロー再生で確認だってできるしね。
というわけで、『はりきり体育ノ介』オススメです。クロールや平泳ぎといった水泳編(体育ノ介の兄の「水泳ノ介」がやる)もあるので、夏に向けてお役に立てるはず!
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