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【週報】生物の数だけ「生きる」があってそれらの多くは保存されない

今週の週報です。


2024/12/01 リビングに木だけが

Amazonからクリスマスツリーが届く。

ここ数年はIKEAで生のモミの木を買ってツリーにしていたのだ。モミの木って子どものころから耳にするけど生で見たことないじゃないですか。最初は「これがモミの木か!」という興奮もあったものの、その評判は年々高まり、発売当日に即完するため、毎年早朝に並んでゲットしなくてはならない。そろそろしんどい。お金で解決しよう、と購入に至ったのだった。

しかし初日は梱包を解いて組み立てただけで終わった。リビングに「木」だけが残った。


2024/12/02 アドベントカレンダー組んだ

昨日からアドベントカレンダーの運用が始まった。初日はプレゼントボックスの形のチョコレートが出てきて、2日目はセーター。

カルディで買った。かわいい。

これが24日目まで続くわけだけど、冬の小物だけで24種類あるもんかね、とパッケージに描いてあるものを数えたりした。ありそう。

物を9個集めて「打線組んだ」といったりするけど、24個集めて「アドベントカレンダー組んだ」があってもいいと思う。野球がすべての中心にある社会にNoを突きつけたい。


2024/12/03 シュレディンガーの米

リビングに木だけがある状況に、娘が「木じゃん」としびれを切らし、飾り付けを始める。てっぺんに星を付けただけで「クリスマスツリーだ……」となった。星の力。スターパワー。

夕飯に向けて炊飯器をセットする。炊飯を予約するときは、きちんと炊けるのかどうかいつも不安になる。米はちゃんと5合いれたのか。水の量は間違ってないのか。予約した時間になり、炊飯器をパカッと開けるまでご飯の状態は確定しない。炊けた状態と炊けていない状態が重ね合わせた状態にある。シュレディンガーの米。あれは猫が死んじゃうのいやなので今度からみんな白米でやってほしい。


2024/12/04 『生きる』『世界の適切な保存』

図書館に谷川俊太郎さん追悼コーナーがあり、『生きる』を借りてきた。

谷川俊太郎さんには「スイミー」「にじいろのさかな」でうちの子どもたちも大変にお世話になった。いつまでもそこに灯っていると安心していたら、よそ見をしているあいだにフッと消えてしまったような、そんなポッカリした気持ちになっていた。

で、『生きる』。はじめて読んだのだけど、数日前に読んだ永井玲衣さんの『世界の適切な保存』といろいろと通じるものがあった。

映画に描かれないような日常のワンシーン、あの日誰かと話したこと思ったこと、今この瞬間に世界で起こっている悲劇。『世界の適切な保存』では、この世界に生まれながら時間とともにこぼれ落ちてしまう断片に、繰り返し繰り返し思いを寄せる。

『生きる』は、詩と共に小学生のきょうだいの夏の一日が描かれる。おじいちゃんの誕生日を祝う、2人にはかけがえのない一日。でもその後ろには、いろんな人たちも描かれている。公園で水遊びをする子ども、バスに乗り遅れるサラリーマン、ベンチの下で眠る猫。よく見ると、他のページにもその人たちが登場していて、時間の経過とともに、その人たちも「生きている」ことを感じる。

生物の数だけ「生きる」があって、それらの多くは保存されることなく、日々流れていくのだなと思う。

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

谷川俊太郎『生きる』

2024/12/05 フィットボクシング3

この日は朝の9:30からオンラインで打合せ。でも今日は『フィットボクシング3』が配信される日なのだ。

どうせなら運動は朝のうちにやっておきたい。でもやるなら家族を全員見送ったあとの8時以降だ。間に合うのか。できるのか。できるだろう。起動。……なんか「2」よりキツいぞ! ちょっと展開が早くないですか! 親に向かってなんだその初級コンビネーション1は。

そこそこグッタリしたが平静を装って打合せは滞りなく終わる。


2024/12/06 体感温度をバグらせる

アドベントカレンダーから再びセーターが出てきた。全部違うんじゃないのか。『新婚さんいらっしゃい』のペアマッチみたいなものかな。

世の中には暑がりな人がいて、冬でも「そんなに薄着で」という格好をしていたりする。気象予報士にも暑がりな人いないだろうか。この季節に天気予報にタンクトップで出ちゃう元気な気象予報士。視聴者の体感温度をバグらせる。


2024/12/07 エネルギー保存の法則

ボーナスの季節だけどフリーランスにボーナスはない。うらやましい。突然思いもよらぬ大金が口座に転がり込む経験がしたい。来年の今ごろにまとまったお金が入るように日付指定して銀行振込をすればいいのでは?と思いつき、いろいろ調べてみると日付の指定は1ヶ月先ぐらいまでらしい。えー、じゃぁ11月にやればいいのかとかいろいろ思ったけど、結局トータルで見ると残高に何も変化は無い。これをエネルギー保存の法則という。


また来週です。

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井上マサキ
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