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「絶対文字数感」でカウントしながら取材で話を聞く
ライターの仕事を続けていると「絶対文字数感」が身につく。
…と思うのだけど同業者の皆さんどうだろう。こう、文章の塊をシャッと見て「800くらい」とか当たりをつけたり、原稿を書いてて「あと300くらい足りないな」と感じたりしないですか。どうですか。
10文字20文字の単位じゃなくて、100文字単位くらいでなんとなく見当がつくようになったんですよ。少なくとも僕は。娘の国語のテストの読解問題に「300×2段落だな」とか思ったりする。職業病としてわかりやすすぎる。
この「絶対文字数感」、取材で人の話を聞いているときでもなんとなく発動するんですよ。
だいたい取材前には「3000字のインタビュー原稿」とか文字数があらかじめ決まってる。となると、1時間くらい経ってから「まだ足りないな」「もう十分だな」「あと1エピソードいるな」と、話を聞きながらなんとなく感じてしまうのだ。
興味深いのは、そこまでおしゃべりじゃない人でも終了時間前に「十分だなぁ」と思ったり、おしゃべりな人だったとしても「まだ2000字くらいだな…」と思うこと。そして終わったあとに原稿をまとめると、勘はそれほど外れていない。まだライター歴が浅かったころ、「いっぱいしゃべってくれたから大丈夫〜」と持ち帰って書き始めたら全然材料が足りなかったこともよくあった。しゃべる量と文字数は比例しない。
しゃべる量「多」文字数「少」のとき
「質問の答えになってない」「オフレコの話ばかりされる」など、そもそも原稿に使えないこともあるけど、そうでもないのに文字数を少なく感じるのはなぜか。
これ、Aという話題を「A1」「A2」「A3」…と、ちょっとずつ変えて話されていることがあるのだ。根底は同じ話なので、原稿にすると圧縮されてしまう。JPEGで画像を圧縮するのと同じことが文章でも起きてしまう。
ただ、これは質問の仕方である程度回避できる、というか、回避すべきこと。「A1」「A2」「A3」…状態になっているとき、こちらはひとつ質問してずっと聞く体勢になっている。あ、これは本質的にはループしてるぞ、と早く気がついて、軌道修正をかけないといけない。タイムリープから抜けるようなものだ。口で言うのは簡単だがやはり難しい。
しゃべり続ける人を穏便に止める方法としては「相手が息継ぎをしたタイミングで相手の名前を呼ぶ」「ノートに目を落としながらおずおずと手をあげる」感じでやっていますが、他にも有効な方法があったらそっと教えてください。
ちなみに全然しゃべってくれない人はどうやっても文字数が増えないので別のアプローチを考えないとですね…。
取材中、そんなにおしゃべりじゃない人でも「もう3000字分聞けたな」と思うこともあるし、おしゃべりな人なのに「まだ2000字もいかないな…」と感じることがある。前者は話題の要素が「ABCDE」と多岐に渡るのに対し、後者は「A1A2A3…」と少しづつずれていて、話が圧縮できてしまうんだと思う。
— 井上マサキ (@inomsk) January 9, 2020
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