【OBOG活動紹介】村山恵一さんを取材しました。
約20年ぶりの同窓生との再会をきっかけに、みんなが地元篠山に帰れる環境をつくりたいとスクールに入学した村山さん。旧福住小学校をテーマとした現場型実習(CBL)を受講し、コピーライターとしてのスキルを活かして、小学校跡地活用のワークショップをコーディネート、また、真南条営農組合の赤じゃがポテトチップスのパッケージを企画。
Q.村山さんが篠山で何か始めようと思ったきっかけは、どのようなものでしたか?
村山「同窓会が大きなきっかけでしたね。同窓会に参加したのは久々でしたが、とても楽しかったんです。18歳で高校を出てからは、地元に帰ることも少なく、地域のことに関わることもなく過ごしてきたんですが、ふと、地元に帰っても誰も友人がいない状況って、どうなんだろう、と思ったんです。みんなが帰ってこれる地元にしたいな、と。それなら、自分が先に地元に帰って、そのきっかけをつくろう、と思いました。そんな時に出会ったのが、篠山イノベーターズスクールでした。」
ラボの「赤じゃがプロダクトをプロデュースするプロジェクト(略称:赤プロ)」では、デザイナーの森田博和さん(3期生・大阪市)とともに企画・製作された、真南条(まなんじょう)営農組合(篠山市)の「赤じゃがポテトチップス」が、新パッケージで発売されました。
Q.どのような背景や想いで、「赤じゃがポテチ」のパッケージをデザインされたのか、お聞かせいただけませんか?
村山「ただ美味しいもの、お洒落なものを作っても仕方ないと思ったんです。ちゃんと地域の情報を伝えて、その地域に行ってみたい、関わってみたいと思うようなものを作れないかと考えていました。そこで考えたのが、ラベルが情報誌になるデザイン。このアイデアは、スクール1期の現場型実習(CBL)で学んだ『食べる通信』のモデルから着想を得ました。商品が、地域内外の人をつなぐ媒体となって、真南条のファンや農業者が増えるきっかけになったらいいなと思います。」
Q.今回、地域の案件である赤じゃがポテチのパッケージ企画・製作を経験されてみてのご感想は?
村山「楽しかったです。地域の方と一緒になってやることは初めてで、うまくいかなくて申し訳ない思いをすることもありましたが、久しぶりに、誰かのためにちゃんとものをつくっている実感もありました。」
旧福住(ふくすみ)小学校(篠山市)の跡地活用にも、地元の方と一緒になって、運営委員として参画くださっています。跡地活用の方向性をきめるワークショップを提案し、コーディネートしてくださったおかげで、取り組むべき指針ができました。
Q. ワークショップを振り返って、いかがでしたか?
村山「難しい案件だと思いました。実際に取り組みが始まってみないと、ワークショップの成果はわかりませんが、小学校に入居予定の方が、コンセプトに立ち戻りながら事業展開の方向性を考えてくださる様子を見て、使われる指針を話し合ってつくることができて、良かったと感じました。」
Q. 現在、小学校には運営をマネジメントする側として参画いただいていますが、今後はどのように関わっていきたいとお考えですか?
村山「運営委員として参画しつつ、自身のオフィスも3階の音楽室に入居する予定で、4月に物品の引越しのみ完了しました。これまでにも行なっている情報発信の仕事と、コワーキングスペースとしても運営できればと思っています。他の教室でもテナントを募集する予定なので、どのような方が来られるかにより、小学校に必要な機能を補うべく、対応していきたいと考えています。私としては、ちゃんと福住の地域の情報をまとめて、どのように伝えていくことができるか、といったことに貢献できればと思っています。」
Q. 最後に、今後の村山さんの活動の展望について教えてください。
村山「最近、少しずつ篠山出身の同窓生との関わりは増えています。飲みにいったりすることもありますし、旧福住小学校の活用に関わってくれる同級生が現れたり。他にも色々なことを聞きますし、今後もその関わりは増えていきそうです。私たち30~40代は、仕事もひと段落して地元がいいなと思える年頃なんだと思います。ただ、そう思っても、どう関わっていいかわからない人もいる。そんな人に、『村山がいるなら行ってみようか』とか、『村山の活動、なんか面白そう』と思ってもらえるような、星になれたらいいし、そういう人たちと、何か一緒に取り組んでいけたら嬉しいです。
Q. ビジネスについてはどうでしょうか?
村山「私の仕事が全国をフィールドにしていることもあり、正直、今の段階では、ビジネスの拠点を完全に篠山に移すことに難しさも感じていますが、都会と地元の2拠点からでも始められたら良いなと思っています。」
同級生が戻ってこれる地元をつくるために、様々な地域の活動に、丁寧に関わりながら、新しい風を吹かせている村山さん。今後もその活動に、ご期待ください。
取材日:2018年8月10日 聞き手:事務局長 橋田
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8月13日に母校の旧大芋小学校で、来年の同窓会に向けた打ち合わせを開催。同級生約15名が参加。
村山さんらが製作した新パッケージ。ラベルが情報誌になる。
村山さんコーディネートのワークショップにより決めた小学校の活用コンセプト。