
【2024セミナー】食と農の流通とマーケティング
篠山イノベーターズスクール「食と農の流通とマーケティング」講座を開講しました!
講義は全4回、講師は和歌山大学 食農総合研究所 教授の岸上光克先生です。
岸上先生は食と農村、地域課題に関する文脈においてフィールド調査や商品・ビジネス開発のご経験が非常に豊富な先生です。加えて、非常にユーモアたっぷり、かつ、思考の引き出しを広げてくださる興味深いお話満載の全4回でした。
スケジュール
第1回 【2024/8/24】食と農の流通とマーケティングの基礎+α
第2回 【2024/8/24】食品・農産物の流通・マーケティングの新動向
第3回 【2024/8/25】流通・マーケティングの事例研究①
第4回 【2024/8/25】流通・マーケティングの事例研究②
本講義は、2日間で全4回を対面で実施しました。
農村地域の資源活用における発想の転換とは
皆さん、農家さんのビジネスは野菜を育てて販売した粗利が収入だと思っていますよね?実は野菜の販売以外で収入を得ているモデルがあるそうです!野菜を売らずにどうやって収入を得るのか・・・(その答えはぜひ岸上先生の講義で!)
農業においても発想の転換をすることで、新たなビジネスモデルを作ることが可能なのです!
その他にも、農産物から作った加工品であるジャムの販売において、ターゲットとニーズを再整理したことで価格をを引き上げることができた事例や、農産物の生産においてベテラン農家さんたちの勘・コツ・経験+ITの力で、この気候変動の時代に対応しようとされている事例などなど・・・。
農業においても発想の転換は欠かせない!そんなことを実感するエピソード満載のご講義でした。

新規就農者が活用したい直売所
新規就農者が最初に悩むのは、どこで、どのようにして売れば良いかということではないでしょうか?岸上先生のおすすめは、直売所です。
スーパーに卸すには規格に合った品質の良い生産物を収めることが求められますが、直売所は、スーパーとは別のルールや仕組みがあるため、新規就農者がトライアルとして出品しやすいそうです。講義の中では直売所ならではのルールや仕組み、最近の動向など、直売所の裏事情まで、様々なお話を伺うことができました。

農産物販売に必要なのは関係性マーケティング
岸上先生によると、”マーケティング”という概念は工業製品を対象に生まれた概念であり、農産物には必ずしも当てはまらない、とのこと。結局のところ、”売りたい人”と”欲しい人”のマッチングができれば、ブランディングやマーケティングを必ずしも追及する必要はないそうです。
そして大事にしたいのが、関係性マーケティングと言われる「知人を介した紹介から生まれる顧客獲得の流れ」を作ること。だから「スクールで繋がる仲間など、自分の事業を知って応援してくれる人の存在は貴重だ」というお話から、改めて仲間とともに学び、お互いの起業を応援しあう篠山イノベーターズスクールの存在価値を感じました。

おわりに
岸上先生のお話は、正面から理論を学ぶというよりは、たくさんの事例紹介の中に、その背景にある理論を紐づけたお話が多く、誰でも理解しやすく、楽しいご講義です。勉強もしたいけど、今からとにかく実践していきたい!という方には特におススメではないでしょうか。たくさんの成功事例、失敗事例から学ぶことはたくさんあります!ぜひ、楽しみながら一緒に学んでいきましょう。