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初のオフラインファシリを振り返る(なるる/19)

2020年2月19日。innovationGO from Class で、ぼくは東京の高校へ行った。

innovationGO from Classというのは、『「教室から」地域とつながる』をキャッチコピーに、教室にいながら地域のヒト・モノ・コトに出会うというプログラムだ。

午前中は、総勢100名がオンラインで福島県白河、広島県大崎上島、岡山県西粟倉の3地域の話を聞き、午後は3地域に分かれ、およそ30名前後でワークショップを行った。

僕は、岡山県西粟倉の全体ファシリテーションをi.clubのチームの1人である岡村さん(ニックネーム:ミックスさん)と担当させてもらった。

学ぶことが多かった。

まず、時間管理について。

今回のワークショップは、1時間で完結させないといけないという超タイトスケジュールだった。「予定通りに、時間厳守で」は、何度も心の中に刻んだキーワードだ。

でも、その焦りがあまりよくなかったのかもしれない。

例えば、ワークの最初の方で行われる「気づきの共有」。これは、インタビューを聞いて、印象に残ったことや興味のあったことを通称イノセンと呼ばれる付箋にどんどん書いていくという、発散のワークだ。

このワークの所要時間は、10分。もちろん僕は、心に刻んだ「予定通りに、時間厳守で。」というキーワードを元に、目の前の高校生たちにこう伝えた。

「(気づきの共有についての説明をして)、それでは、10分でやってみましょう」

もちろん、これでもよかったのかもしれないが、一緒にやっていたミックスさんの一言で、自分の指示の不足した点を痛感した。

ミックスさんの一言とは、

「まず、2分で自分の気づいたことをどんどん書いてみましょう!」

気づきの共有が10分という所要時間なのは、プレイヤーからしたらあまりに漠然とした情報すぎる。その10分をどのように使っていくのかまで、細かく指示を出した方が分かりやすい。

実は、こういう些細なところの指示の違いで、ワークの質は変わってくる。漠然と10分と言うより、もう少し細かい指示をした方がいいと言うことを学んだ。

それと、この発散系のワークで「使える!」と思ったのが、ミックスさんのその次の指示の出し方。

「(2分という指示をした後)、では、行きますよ!よーい、スタート!」

この競走感の演出。どんどん出そういう気にさせる、さりげない一言。「よーい、スタート!」のこの声かけで、確かに高校生たちは一気に付箋に自分の気づきを書いていた。

2分という時間の質を高めるための、指示の出し方なのではと思った。

こうした10分という時間を細かくして指示を出す方法や、その後のワークのスタートのさせ方。まさに時間管理(タイムマネジメント)だと思う。

僕のやっていたこと、やろうとしていたことは、タイムキーピング。

その時間をどう使うかよりも、その時間は何分かだけに焦点をあてているようなモノだった。時間を管理する、その意味をしっかりと感じた瞬間だった。

二つ目が、ワークの介入の仕方、コミュニケーションについて。

innovationGO FINDコースのファシリテーションでも同じことで悩んでいたような気がすると、熱心な読者の方はお気づきかもしれない。

確かに、僕はたびたびワークにどのように関わっていけばいいのか悩み、そして仮説を実践していた。

(FINDコース第一回目のファシリテーションを終えての感想)

でも、今回は「どのように関わるか」という点では同じだが、少しレイヤーが違う。

というのも、FINDコースでは一つのチームに関わり、どのように関わっていくかを決めていく。つまり、チームの話の流れを全てわかった上で、判断することができる。

けれど、今回の場合は30名前後の生徒たちが、3名で1組ずつチームを組んでいる。つまり、10ほどのチームが1つの教室でワークをしている。

1つのチームにじっくり関わるというより、全体の状況をみながら、「このチームにはもっと関わった方がいいな」とか、「このチームはまだ話し合わせててもいいな」とかを判断していく。

ここら辺の判断は、正直難しくなかった。ただ、初対面の高校生に「ここをもっと深めたら面白そうだな」をどうやって伝えればいいんだろう。

つまり、高校生とのコミュニケーションの取り方が難しかった。

どうしようかなぁ、どうやってコミュニケーション取ろう、と考えていたとき、

「なるるさん?、なるるさーん」と、どこからか声が聞こえてきた。

声がしてきた方に目をむけてみると、高校生の子が手招きをしてくる。
なんかわからないことがあるのだろうか、と思って近づいてみると

「なるるさんって、ミキの亜生さん(お笑い芸人)に似てますよね」

そんなことかい!

確かに、最近メガネを変えてミキの亜生さん感は強くなっていた。そして、どうやらその高校生の声が周りにも聞こえていたらしく、「確かに似てる」みたいな声や笑い声もちらほら。

なんとなく、高校生との距離感が縮まったような気がした。そして、そこからは、割と高校生と関わりやすくなった。

一番最初に「なるるさん?」って声をかけてきたチームに、その後「進んでる?」と聞いてみたら、「進んでますよ!これが、こうでーー」みたいに話をしてくれる。

緊張しすぎて、高校生なんてめっちゃ若い集団だと思っていたが、考えてみれば僕も一年前までは高校生。

気軽に関わることのできる存在。

大人や先生とは違う、メンターという存在。そんな自分の立ち位置が分かった。初のオフラインでやったファシリテーション。オフラインファシリ。

うまくできたかは分からないけれど、自分の改善点も、メンターという立ち位置も改めて確認できた。

そんな学びのあった1日だった。


なるる

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