ワクワクを深掘りし、アイデアを磨く/京都イノベーション・サマープログラム2023:レポート(みや)
こんにちは!i.clubインターン生のみやです。
今回は、2023年の7/28から8/4にかけて3日間で行われた、京都イノベーション・サマープログラム2023についてです。
このプログラムでイノベーションに挑むのは、京阪神の高校生11名。わたしはこのプログラムで、メンターとして高校生のアイデア発想をサポートする活動を行ってきました。
1.京都イノベーションサマープログラムって?
京都イノベーション・サマープログラムは、高校生が未来をつくるアイデアを考えるコンテストです。今年は「この夏、京都からエンタメの未来をつくる!」をキャッチコピーに、エンタメの未来をつくることテーマに開催されました。主催は、企業者等の人材の育成や産学公連携に取り組む、一般社団法人京都知恵産業創造の森。i.clubはプログラムデザインを担当しました。
このプログラムでは、1日目にインタビュー、2日目はチームでアイデアを考えるワークショップ、3日目にコンテストを行いました。
このプログラムの特徴は、学校も学年も違う高校生同士でチームを組み、エンタメの未来について考えるという点です。今回初めての開催となるこのプログラムには、高校生11名が参加し、4チームに分かれてアイデアを考えました。
ここからは、3日間のプログラムでどんなことをしたのか、ご紹介します。
2.プログラムの様子
まず1日目は、太秦映画村でインタビューを行いました。今回のテーマは「エンタメ」ということで、京都で一番長い歴史を持つ映画の撮影所である東映京都撮影所と、時代劇のオープンセットなどを見学できる太秦映画村が舞台です。
インタビューでは、映画撮影時の背景に使用するバーチャルプロダクション*という技術について、また、映画村で撮影されてきた時代劇と映画村の歴史について、そして映画村のいまとこれからについてなど、様々な話を聞きました。
2日目は、このインタビューをもとに、グループワークを行いました。インタビューで気づいたワクワクやモヤモヤを共有し、つくりたい未来を発想します。そして、エンタメの未来をつくるアイデアを考えました。
3日目は、オープンイノベーションカフェKOINでコンテスト形式のプレゼンテーションを行いました。すべてのチームが未来をつくるアイデアについて発表を行い、大賞を決めます。
コンテストには、ゲストとして太秦映画村の洲崎哲嘉さん、京都府ものづくり振興課の中尾麻悠子さん、京都信用金庫の林里歩さんにお越しいただき、アイデアへのコメントと審査をしてもらいました。
3.アイデアと大賞の紹介
それぞれのチームが考えたアイデアについてご紹介します。
チーム「ファン3(ファンサ)」アイデア名「EVEX」
イベントにおけるコミュニケーションをもっと気軽にできる未来をつくるために、イベント参加者がリアルタイムで情報を確認し、コミュニケーションがとれるアプリを考えました。
チーム「リスペクターズ」アイデア名「オリジメイド」
若い年代がわざわざ映画村に足を運びたくなるという未来をつくるために、映画村でしかできない、エンタメの発信側になる体験ができるようにするというアイデアを考えました。
チーム「MUSIC」アイデア名「New Default」
子供世代が時代劇に親しみを持つという未来をつくるために、映画村に訪れた子供たちに時代劇の雰囲気やかっこよさに間近で触れてもらうというアイデアを考えました。
チーム「ダブル・パッションズ」アイデア名「映画入りに行こう!」
学生が時代劇を様々な角度から楽しめるという未来をつくるために、映画村で撮影された映画に沼れるバーチャルプロダクション施設をつくるというアイデアを考えました。
どのチームも、自分たちがワクワクする!やってみたい!という気持を大事にしながらアイデアを発想できたことがとてもよかったと思いました。
コンテストで見事大賞を受賞したのはチーム「ダブル・パッションズ」の「映画入りに行こう!」のアイデアです。特に評価されたことは、映画撮影の裏側や、セットが作られるプロセスも楽しみたい!という想いや、撮影が終わったら片づけられてしまうセットにこそ価値がある!という気づきに新しさがあったことでした。
4.印象に残ったこと
印象的だったことは、本当につくりたい未来をつくれるアイデアになっているかどうか、妥協せずに考え続ける高校生の姿を見たことです。
大賞チームでは、実際に時代劇が撮影されたセットを見学したときに感じたワクワクから、「人々が時代劇を(作品だけでなく)様々な角度から楽しめる未来」というつくりたい未来を設定していました。
そこからアイデアを発想し、最初は、これまでに撮影された映画のセットや小道具を見られるブースを集めた資料館をつくる、というアイデアを考えていました。
しかし、自分たちがセットを見学して感じたあのワクワク感を、本当に資料館で追体験できるだろうか?と考えたときに、小さなブースや小道具を見るだけでは不十分な気がする、と、アイデアを考え直しました。
ここでアイデアに行き詰った2人は、つくりたい未来のきっかけになった、セットを見学して感じたワクワクを深掘りしました。この深掘りによって、2人がほんとうにワクワクしたのは、撮影所や映画村のセットの中に実際に自分が入れた、という体験だったのだと気づきました。
そして、その気づきから、「バーチャルプロダクションを用いてそれぞれの映画のセットの中にいるような体験ができる施設」というアイデアとして磨いていくことができました。
同じ体験をしても、感じるワクワクは人それぞれです。つくりたい未来を実現するためのアイデアを磨くためには、なににワクワクしたんだろう?と体験を振り返り、自分にとってのワクワクを深堀りすること、そしてそれを共有することが大事なのではないかと気づかされました。
みや
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