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アイデアの鍵は「なぜ」/イノチャレ!江府町2023:レポート後編(あいこす)

こんにちは。i.clubインターン生のあいこすです。

先日、鳥取県江府町で行われたイノチャレ!江府町2023 に参加しました。このnoteでは、私が担当したチームのアイデアと、私のプログラムを通じた発見や学びについて書きたいと思います。

イノチャレ!江府町のプログラム概要については、前編としてこちらの記事で紹介しているので、是非お読みください。


1. あいこすが担当したチームのアイデア紹介

今回中学生が考えるアイデアのテーマは「江府町の駅前の賑わいをつくる」です。

私が担当したチームでは、中学生が駅前に気軽に集まることができるという未来をつくるために、中学生が集まって勉強をしたり遊んだりする場所を自分たちで作り上げるというアイデアを考えました。

チームのプレゼンの概要

アイデア名は、鳥取県にある奥大山・江府町に500年続く伝統のお祭「江尾十七夜(えびじゅうしちや)」のイメージキャラクター「えびちゃん」をモチーフに、「えびちゃんハウスを作ろう!」となりました。中学生にも馴染みのあるキャラクターを用いることで親しみやすくすることも、工夫の一つです。

このアイデアは、自分たち中学生が、町の一員として駅前の賑わいをつくっていくという視点で考えたとき「友達の家に遊びに行くような感覚で、気軽にみんなで駅前に集まれる未来をつくりたい」という自分たち自身の思いから生まれました。

現在、江府町内には中学生が集まる場所があまりなく、図書館が併設された防災・情報センターが、中学生が放課後などに勉強しに行く、ひとつの場所となっているそうです。そこは、勉強を進められる自学自習のための大切な場所である一方で、自分たちの居場所だと思えるような愛着は持ちづらく、実は、あまり積極的に行きたいとは思えていない、というチームメンバーからの共有もありました。

チームのつくりたい未来

そんな経緯で設定されたつくりたい未来。では、未来をつくる手段として、どんなアイデアがよいのかを考えたとき、中学生自身が愛着を持てるような居場所にするにはどうしたらいいかが、ひとつの論点となりました。

その時にヒントになったのが、本屋のない町に本屋を作る活動をされている、安藤哲也さんへのインタビューでした。

中学生たちは安藤さんのお話の中にあった、若い人たちが本屋づくりに参加し、意見をだしていくことが大切である、ということに共感し、自分たちの居場所づくりにも活用できるのではないか、という気づきを得ました。

この気づきによって、場所を作り上げるところから自分たち中学生が参加するという工夫をしました。「自分たちでつくる」ことが、愛着を持つことにつながる、つまり、このアイデアの大事なポイントだったと思います。

チームのアイデア

チームのメンバーたちは、ぜひ今回のアイデアを実現させたい!実際に自分たちで使ってみたい!と盛り上がり、最後のプレゼンテーションまで駆け抜けることができました。

2. あいこすにとっての学び

私はこのイノチャレを通して、中学生が自分たちのやりたいことを磨いていくために、私にできることについて考えました。

中学生は、駅前という、自分たちが必ずしも馴染みのあるところではない場で、自分たち自身が中心になるテーマでアイデアを考えました。だからこそ、より自分事としてアイデアを考え、最終的には自分たちの「やりたい」という思いをたくさん取り入れたアイデアになっていたことがとても印象的でした。

今回、アイデアを磨いていくにあたり、私は「なぜ」を意識することが重要になると考えました。

例えば、「今ある防災情報センターのスペースだとダメなのはなんでだろう?」「なぜそこには愛着が持てないんだろう?」という問いがあったことによって、今回のアイデアの中の「自分たちで作り上げる」という大きな特徴に繋がっていきました。

「なぜ」を繰り返すことで、自分自身でも気づけていなかった思いを発見できると思います。アイデアを聞いた相手を納得させるだけではなく、自分自身も納得することにも繋がり、アイデアに自信が持てるのではないかと思います。

イノチャレを通して、中学生自身がやりたいことを伝えるために私がメンターとしてできることは、「なぜ」を繰り返す問いかけをして対話の相手になるということだと考えました。

また、対話の相手となり問いかけをするときに必要なことは、常に別の見方はないかと考えることだと思います。アイデアを考える側ではなく、使う側の立場となってアイデアを見て、実際に使う場面を想像することが大事だと考えました。これはイノベーションの作法の一つである、変化の場面の確認に当てはまると思います。

例えば、アイデアを実際に使う場面を想像した時に、このアイデアだと想定していたはずの変化が起きないという気づきが生まれることによって、「なんで変化しないんだろう」という疑問がわくと思います。

そこでアイデアに立ち戻って、「なぜ」を解決できるとアイデアがより良いものになるのではないでしょうか。メンターとして中学生の伴走をしますが、同じ立場ではなくあえて距離をとった見方をすることで、問いかけができるのではないかと考えました。

アイデアをより良いものにするためには、問いかけが重要であり、その問いかけをするためにはアイデアとの距離をとった見方を意識するということが、プログラムを通して私が得た学びです。

あいこす

<この記事を書いた人>
あいこす。青森県中泊町出身。埼玉大学教養学部所属。大学ではヨーロッパ文化を専攻。インターンを通してイノベーションについて学習中。楽器演奏が趣味。最近は専らジャズトランペットに熱中。

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