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社内外の視点を活用した新規事業開発の成功への道筋 ~支援を受けても失敗してしまったケースをもとに~
みなさんこんにちは!三菱総合研究所の山野内です。
今回は新規事業開発を支援する「インキュベーション機能の重要性」についてお話していきたいと思います。
新規事業開発は不確実性が高く、既存事業の延長では解決できない課題に挑む必要があります。この挑戦を成功させるためには、社内外の客観的な視点を取り入れることが重要です。これにより、バイアスを避け、スピーディーな事業開発が可能になります。
しかし、社内のインキュベーション機能や社外のコンサルタントを活用してもうまくいかないケースも少なくありません。本記事では、社内外の伴走支援における課題とその解決策を考えていきたいと思います。
1. 社内外の客観的視点を取り入れる重要性
社内外の視点を取り入れるメリット
私はよく新規事業開発責任者・担当者が集まるコミュニティに足を運んでいるのですが、そこでお話をしていると、ご自身の事業開発テーマに社内外の客観的な視点を付加することは、ある程度常識になりつつあるようです。ここでは、そのような方々から聞かれた客観的視点を取り入れるのが重要といわれる理由について、本記事の前提として触れておきましょう。
(1) バイアスの排除
新規事業チームは特定のアイデアに執着しやすい傾向があります。この認知バイアスは新規事業開発の大敵であり、外部の視点を活用することで過度な自己確信を避けることにつながります。
(2) 専門知識と経験の活用
社内では得られない業界知識やトレンドを外部の専門家から学ぶことで、現実的な事業計画を立てやすくなります。さらに、失敗事例に基づいたアドバイスが得られることも重要なポイントです。
(3) 迅速な意思決定
外部の客観的な意見を活用することで、議論の無駄を減らし、意思決定のスピードを上げることができます。多様な関係者が関与する場合でも、方向性が明確になりスムーズに進行できます。
2. 社内外の伴走支援を活用する際の失敗事例と解決策
では、そのような客観的視点を効果的に取り入れるためには、どうすればよいのでしょうか。
自社内に新規事業開発経験が豊富な方がいる場合は、その方にメンタリング等をお願いする手もありますが、そのような企業はあまり多くないはずです。その場合、外部のコンサルタントやメンタリングサービスに頼ることになると思いますが、私が意見交換した100社以上の企業の方々の中には、そういったサービスの効果をうまく活用できなかったというケースも少なくありませんでした。
そこで、伴走支援・メンタリングを活用する際に直面しがちな課題を4点挙げ、それぞれの解決方針を記載していきます。
(1)目的が曖昧なまま伴走を開始
課題:
新規事業を伴走する際、目的やゴール、現状の課題感が明確でないために、方向性のズレや不要な作業が発生し、プロジェクト全体が停滞するケースがあります。伴走者とこれらの事項を共有できていない場合、進捗が計画的に進まないリスクが生じます。このように書くと当たり前のように感じるかもしれませんが、専門家人材マッチングサービス等を活用された方に多い傾向として実際に存在している課題感でした。
解決方針:
伴走開始前に、プロジェクトの目的や目標、及び伴走の目的や目標を明確化し、リーダー、メンバー、管理職、伴走者等の関係者全員で共有する。
ゴールを段階的に設定し、PDCAを回しながら進捗や方向性のズレの発生有無を都度確認する。
(2)現実性・実効性のない提案
課題:
コンサルタントや専門家が課題を十分に理解せず、現実性・実効性の低い提案を行ったために失敗するケースがあります。このケースは、新規事業開発を経験したことのない方から支援を受けた方に多くみられる傾向です。フレームワークをはじめとする論理を巧みに駆使して整理が為され、次のアクションが提示されるため、短期的には進んだ感じがします。しかしながら、そのアクションを実行した時に起こりやすい次の課題を予期できていないことにより、現実性・実効性が低い提案だったことが、あとになって発覚するケースが多いようです。
解決方針
伴走者の過去の実績や得意分野を調査し、自社の課題に適した人材を選定する。
企業内での新規事業開発を自分自身で行ったことのある伴走者を選定する。
トライアル契約を通じて、小規模なプロジェクトで伴走者の適性を確認する。
(3)支援の過度な依存
課題:
外部の伴走者に依存しすぎた結果、社内のスキルやノウハウが蓄積されず、プロジェクト終了後に社内で対応できない状況が発生するケースがあります。その結果、新規事業開発自体が頓挫してしまったり、コンサル依存体質となり費用が発生し続ける持続的ではない状態に陥ったりしてしまいます。
解決方針
「なぜそのようなアクションを取るべきなのか?」といった理由を積極的に伴走者に聞き、プロジェクト終了後も利用可能な知見として、自分たちに取り入れる習慣をつける。
伴走者からの知見を可能な限り一般化し、社内にドキュメント化して蓄積する。
(4)被伴走者の知識不足等による伴走時間の非効率な活用
課題:
コンサルタントや専門家に伴走を依頼する際、限られた時間が非効率に使われてしまうことがあります。例えば、新規事業開発初心者が進め方に関する基礎的な知識を持たず、貴重な伴走時間が一般的な知識の教授に費やされる場合などが挙げられます。前回合意したアクションをチームが十分行えていない、課題の解像度が曖昧なまま議論が進むケースもまた、伴走時間を効果的に活用できない要因となります。
解決方針
インプットの徹底
初心者向けには、新規事業開発に必要な基礎知識を事前に学習する場を設け、基礎知識のインプットを済ませておきます。また、初心者に限らず、分からない知識はすぐに知ることができるようなオンデマンド講座等の視聴環境を構築しておけると理想的です。セッション以外での支援の充実化
発生した課題や疑問を伴走セッションまで待って解決するのはプロジェクト遂行上非常に非効率です。伴走者とのチャット等ができる状態を構築して、セッション以外でも課題解決・疑問解消できるようにすることが重要です。合意したアクションの明確化
各伴走セッションで合意したアクションは明示的に記録しておき、当該目標に対する進捗を関係者全員で共有できるようにしておけると良いです。現場に入り込み課題の解像度を向上
例えばインタビューでユーザーのニーズをうまく拾いきれない場合、インタビューの方法が悪い、インタビュー相手として適切でない等の様々な要因が考えられます。このような原因の特定は伴走セッションだけでは分からないので、時に伴走者はインタビューに同席する等、現場に入り込んで課題の解像度を上げなければいけない場合があります。
3. 伴走支援における「失敗」確率を抑えることにこだわった「INNOGUIDE」の開発
ここで自社サービスの宣伝になってしまい恐縮ですが、我々はまさに前述したような課題感を解決したいと考え、INNOGUIDEのサービス開発に着手しました。その解決手法は次の通りです。
(1)目的を明確にした伴走
INNOGUIDEは、ご支援を開始する前に必ず当社コンサルタントが現状整理を行います。これにより、目的やゴール、現在発生している課題等の認識をチーム・伴走者で統一した上でご支援をさせていただくことが可能です。もちろん、ご支援期間中も、設定したゴールに向かっているのかをPDCAを回しながら管理させていただきます。
(2)現実性・実効性にこだわった社内起業家による助言
具体的な案件の支援を行わせていただく伴走者は、実際に起業・社内起業の経験を有する方々です。彼らは実務経験を持つため、新規事業開発経験のない“整理だけ”に終始するコンサルタントよりも「この行動をとったら次どうなるか」といった点に高い解像度を持ちます。そのような方々の中で、御社から聞き取った課題の解決に最も適任と思われる伴走者を、得意とする事業フェーズ、業界等から選定します。もちろん、無料面談をさせていただき、助言に対する納得感や、人柄を見ていただいた上でご紹介させていただきます。
(3)自走化を目指す支援
INNOGUIDEでの伴走支援は、必ず「なぜそのアクションが必要なのか」といった点までお伝えし、それが御社内に蓄積されるよう記録を残しています。これにより、次に別案件の事業開発をする際は、御社だけでもできる環境を構築することが可能です。当然コンサル依存体質にもなりません。
(4)伴走効果を最大化する工夫の実装
2.の(4)で述べた課題の解決手法として、INNOGUIDEは以下の機能を持っています。
オンデマンド講座
初学者~中級者向けに、いつでも事業開発ノウハウを確認できるオンデマンド講座をご提供します。分からない部分だけ吸収できるよう、1講座は10~20分程度となっています。チャットでの相談(無制限)
SlackやTeams等を使って、伴走セッション以外の時間でも伴走者に質問可能です。伴走セッションの記録蓄積
各伴走セッションの内容は、上述の助言だけでなく、全ての結果が記録・蓄積されます。次回までのアクションも記録に残るため、適切にPDCAサイクルを回すことができます。現場への入り込み
インタビューや商談、ビジネスパートナーとの打合、社内での上司との打合等への同席が可能です。机上の整理ではなく、事業開発の最前線に飛び込み、生の情報を得た上で課題解決方策をお示しすることができます。
4. 社内外の力を結集し新規事業を成功へ
社内外の視点を適切に組み合わせることで、企業独自の強みを活かしながら、新たな価値を創造するスピード感のある新規事業開発が可能です。そのためには、伴走支援者の選定から連携体制の構築、学びの蓄積までを一貫して行うことが重要です。
新規事業開発は挑戦の連続です。適切な支援を活用し、確かな一歩を踏み出しましょう!
そしてその第一歩のご支援としてINNOGUIDEを選んでいただけたら、これほどうれしいことはありません!
※INNOGUIDE(実証中)では、伴走者との無料面談を実施させていただいています。ご興味のある方は、まずは上記からお問合せください!
※本コンテンツの作成にあたり、一部 ChatGPT を利用しておりますが、内容につきましては十分に精査し、問題ないことを確認しております。