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【書評】”恥を知れ”という感覚を忘れてはいけない 「武士道」

 誠、名誉、忠義についてまとめて書きます。名誉と忠義なんてクソくらえと最初は思っていました。でも、自分にその精神がないために嫌悪しているだけでした。よく熟読してみると、人として大事な精神だなと思います。

嘘をつかないようにしている理由は?

 嘘はつかないということは私が大切にしていることです。なぜでしょうか?人からの信頼を得るため、嘘をつくことは結局、損することになるためだと思っているからです。
 でも、武士は違います。武士に二言がないのは、自分が立てた約束を破ることは”恥”だからです。不名誉なことだからです。自分は、恥であるという感覚を失っていると感じました。特にマレーシアに来てからは、期限通りにできなくても他の人に何も言われないし良いやという感覚になってきてしまっているのがよろしくない。他人がどうこうではなく、”恥を知る”という感覚を身に付けるようにしたい。そういう動機を持っている方がよっぽど、嘘をつかないという結果に結び付くと思う。損得勘定や信頼関係とか他人に依存した動機はぶれやすい。いまいちど、自分を引き締めたい。自分が宣言したことを守れないことは恥であるという感覚をつけよう。

”恥を知れ”という感覚を忘れないこと

 武士道においては、誠は名誉と密接に関係していると解いています。名誉とは何か?恥を知るということです。
 ここでいう恥とは、挑戦して失敗して恥をかくとかそういう類のものではないです。なんていうか倫理観を守れないことに対しての”恥”を指しています。たとえば、自分が考える恥を知れと思われる行為は以下のようなことです。

  • 公衆の面前で食事中にスマホを触ったりすること

  • 会議中に内職、スマホを触ること

  • 自分で宣言したことの期限を守らないこと

  • 横柄な態度を取ること

  • 自分より下の立場の人に声を荒げること

  • 自分で決断、判断しないこと

  • 〇〇が言ってたからという言い訳をすること

  • 保身に走ること

  • 公私混同すること

  • あることないことを吹聴すること

  • ミスしたときに開きなおり、投げ出すこと

  • 凡ミスをすること

 何に対して、”恥を知れ”と思うかは人それぞれだと思います。あなたが”恥を知れ”と感じる行為はなんですか?自分の失敗談でもいいし、他人の行為を反面教師にしても良いと思います。
 武士にとっては、恥をかくぐらいなら命を惜しまなかったようです。そして、特に生命の犠牲を払っても惜しくないとする事態は”忠義”でした。

”忠義を示す = 犬になる”ではない

 忠義とか忠誠とか聞くと、最初は言葉だけで、私みたいな人間は拒否反応を示してしまっていました。でも、私も少しは大人になりました。人は一人で生きていけないし、日本人として生まれて、日本のサービスを享受し、今の会社に勤めているから生活がで来ている訳です。その国や会社に対して、義務は果たす必要があります。義務を果たさずに権利だけ主張する人間にならないような戒めとしてこの章は読みました。
 そして、この”忠義”にも納得したのは、忠義とは決して何でもかんでも主君に従うことではないことを言っているからです。

君主と臣下が意見の分かれるとき、家来の取るべき忠義は、(中略)、あらゆる可能な手段を尽くして、主君の過ちを正すことである。もし、その事がうまくいかないときは、武士は自分の血をもって己の言葉の誠実を示し、主君の叡智と両親に最後の訴えをするのが、極めて普通のやり方だった。

新渡戸 稲造 著 岬龍一郎 訳 「武士道」PHP文庫

 主君がおかしなことをしていたら正していくことが重要です。松井博さんがこんな記事を書かれていました。特に最近、政治や国家権力に対しておかしいと思うことはあると思うのですが、デモやストって日本ではほとんど起こらないですよね。

 ”忠義を示す = 犬になる”ことではないということを武士道でも言ってるので、義務(納税、勤労、教育)を果たしている限り、どんどんおかしなことはおかしいと主張、行動で示していきましょう!(と言っても政治に対しては諦めの境地に至ってしまっている自分もいるのですが。。)

 長い期間がかかった「武士道」の書評もここまでにします。日本人は特定の宗教がない代わりにこの武士道に謳われている精神は全員学ぶのが良いと思います。ただし、中々、難しい日本語で書かれていますし、解釈が難しい部分もあるので正しく教えてもらう必要があると思います。さもないと、この武士道に書かれていることが、一般的な日本の悪い風習を正当化する理由にもなりうると感じたからです。たとえば、”上のいうことは絶対”、”皆で不幸になりたがる”だったりです。

 私自身は、帰国子女であるからこそ、この武士道の精神を身に付けて示し、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、世界で活躍していきたいです。






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