ハラルのお肉は血抜きの方法が美味しさの秘訣?〜犠牲祭の屠殺を見てみて〜
6月17日はイスラム教の犠牲祭でした(サムネ写真は無関係です)。せっかく休みの日で、その祝日に即した行動を取ろうと思い、犠牲祭に実施される牛の屠殺(首切り(slaughter))を見に行きました。KLのどこで実施されていてかつ一般人が見れるところがわからなかったので、ヒアリングして、Kampung Baru Jamek Masjiqというモスクにいきました。
犠牲祭とは何かは調べればわかるので割愛します。
犠牲祭の流れと内容
0900頃:牛とヤギが積まれたトラックが運び込まれる
0900~1030:牛やヤギをトラックから降ろしたり、準備する時間(始まるまでに想像以上に待ちました)
1030〜:牛や山羊の首切り開始。それぞれ別の場所で別の人たちで実施しれていました
中に入って見ることはできず、柵の外からみる形になります。
想像していたことと実際の違い
血を見るのがそもそも苦手なので、見るに耐えかねるかと思って相当ビビっていましたが、作業自体はすごくあっさり終わったこともあり、目を瞑らずに見れました。
経験する前に想像していたことと実際には異なった点についてまとめます。
・動物たちは凄く抵抗して、抑えるのに一苦労する → 思った以上に大人しかった。特に牛たちはほとんど抵抗する様子を見せなかった。観念している?たまたま自分が見た2匹がそうだっただけなのかもしれません。ヤギは車から降ろされ、連れられるときに叫び声のような鳴き声を上げていた。
・首を切るのに時間がかかる、首を完全に切り落とす → 勘違いでした。首切りの作業はほんとにものの数秒で、首を完全に切り落とす訳でたい。
・真っ赤な血が時間をかけて流れる → ピンク色近い血がこれまた3分ほどで血が抜けて、裁き場所に持っていかれる
・切られた後もしばらく10秒ぐらい身体は動くのでは? → じばらくと言ってもかなり長かったです。1分くらいはバタついていたような感じがしてそこはビビった。
血抜きと美味しさの影響
この方法は職場のムスリムの方曰く、最も動物が苦しまない方法とのことです。頸動脈および頸性脈を確実に切断して、素早く完全に血抜きをすることになっているようです。それに関しては、自分の目で実際に見てその通りだということがわかりました。こんなに簡単に全身の血が抜けるのかと感心しました。裁かれている途中のお肉も見ましたが、新鮮でかなり美味しそうでした。
以前、こんな記事を書きましたが、血抜きの違いが美味しさに影響してのでは?と仮説をたてました。
そこで日本やノンハラルの血抜きと何が特別違うのか?というところがポイントになるわけですすが、意外とはっきりとした情報は出てこないのですね。。ノンハラルだろうと首を切って血抜きをするのは一緒だと理解しました。ただ、やっぱり大きな違いは、以下ですかね。違ったらすみません。。
・血抜きの前に意識をなくさせるか: 意識をなくすと心臓の動きが弱くなり、血抜きの時間がかかるという説があります。
・ノンハラルでも血抜きで部分的に首切りするのは一緒だが、頸動脈と頸整脈を両方切断する必要はない。
→実態はよくわかりません。。
比較している論文を見つけました。これによるとハラルの方法は、血抜きが早く、量も多いです。
これが事実とすれば、ハラルの肉は血抜きがしっかりできており、それが匂いの少なさや鮮度を保てる理由につながっているのだと思いますね。一方で生きたままで首を切るのは苦痛を与えているのではないかという議論もあると思います。ただ、これについては永遠に答えは出ないと思うので、深追いして調べるのはやめておきます。
もう少し他の情報も調べてみたいですね。結構ググっても最新の論文が出てきますね。結構、いまだに議論の対象になっていて明確な結論が出てないのかもしれません。情報アップデートできたら更に記事を出します。また、次は餌の影響について調査して記事を出したいと思います。
ということで、祝日の日はその祝日の理由に沿った行動を取ることで充実感が得られるのではないでしょうか。日本はよくわからない名目の祝日も多いので難しいかもしれませんが。。