初心者がやりがちな、作詞でやってはいけないこと10選
音楽は、私にとって単なる趣味以上の存在です。30年以上にわたる音楽歴と作詞作曲の経験を通じて、多くの失敗と成功を経験してきました。
その中で得た学びは、決して自分だけのものに留めておくべきではないと感じています。特に、これから作詞に挑戦しようとしている方や、すでに始めているもののなかなか上手くいかないと感じている方々に、少しでも役立つアドバイスをお届けできればと思っています。
私もまだまだ勉強の身であり、すべてを知り尽くしているわけではありません。
しかし、これまでの経験を通じて気づいたこと、悩んできたことを振り返りながら、少しでも皆さんの参考になるような記事を提供していきたいと思います。
この記事を読んで、もし皆さんが「なるほど」と思うことがあれば、それが私にとっても大きな励みになります。
また、この記事を書く理由の一つには、自分自身の戒めという意味もあります。
長年の経験があったとしても、創作というのは常に進化し続けるものです。過去の成功に甘んじることなく、常に新しい視点を取り入れ、進化を続けるためにも、こうした基本的なミスを再確認することが重要だと思っています。
初心に戻り、自分自身の創作活動を振り返ることで、より良い作品を生み出すための原動力になることを願っています。
では、早速、初心者がやりがちな作詞のミス10選を見ていきましょう。
1. 意味不明な歌詞を書く
問題点: 歌詞があまりにも抽象的すぎたり、脈絡がなかったりすると、リスナーにとって意味不明に感じられることがあります。
たとえば、「青い空の下、涙の海を泳いでいる」というフレーズは美しく聞こえますが、具体的な意味が不明確です。
また、「夢の中で迷子になった心」という表現も、感覚的には理解できるかもしれませんが、実際にどういう状況なのかを明確に伝えるのは難しいです。
サンプル例: 「君の瞳の中に宇宙を見たけど、その宇宙は僕を拒んだ。そして、闇の中で輝く星は、ただの幻だった。」このフレーズは詩的で美しいかもしれませんが、何を伝えたいのかが不明瞭です。
アドバイス: 歌詞を書くときは、ストーリーや感情の一貫性を持たせることが重要です。
まず、何を伝えたいのかを明確にし、そのテーマに基づいて歌詞を構成しましょう。
たとえば、「夢の中で迷子になった心」を具体化して、「失恋後の混乱と悲しみで、何もかもが見えなくなっている自分」と置き換えると、リスナーにとって共感しやすいものになります。
2. 陳腐な表現を使う
問題点: よく使われるフレーズやありきたりな言葉を多用すると、歌詞が新鮮さを失い、平凡な印象を与えてしまいます。「心の痛みが消えない」や「君を愛してる」といった表現は、あまりにも使い古されています。
サンプル例: 「涙が止まらない夜、君を思い出して、心が痛む。」この表現は非常に一般的で、個性が感じられません。
アドバイス: 同じ感情やテーマを表現するにしても、独自の言い回しや視点を探してみましょう。たとえば、「心が痛む夜」を「君を思い出すたびに、胸の奥で鋭いナイフが突き刺さるような痛みを感じる夜」と表現することで、より具体的でインパクトのある描写が可能になります。
3. リズムや韻を無視する
問題点: 歌詞はメロディに乗せられるため、リズムや韻を考慮しないと、不自然な仕上がりになりがちです。特に、言葉が多すぎたり、リズムが崩れると、歌うこと自体が難しくなります。
サンプル例: 「悲しみの海で、僕は溺れている。でも、君の手が届かない。」このフレーズは、音楽に乗せるとリズムが崩れやすく、歌いにくいです。
アドバイス: まずはリズムに合わせた言葉選びを意識しましょう。リズムを確認しながら歌詞を書き、必要ならば余分な言葉を削ることも考慮しましょう。また、韻を踏むことで歌詞にリズム感が生まれ、聞き手にとっても覚えやすいフレーズになります。たとえば、「悲しみの海で、僕は溺れている。でも、君の手が届かない」を「悲しみの海で、溺れる僕を、君の手が救い出す」に変えることで、リズムが整います。
4. 複雑すぎる言葉を使う
問題点: 歌詞に難解な言葉や専門用語を使いすぎると、リスナーが感情移入しづらくなります。例えば、「螺旋状の時空を彷徨う」という表現は詩的ですが、難解すぎる場合があります。
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