〜思った。って使うなよ。お前以外喋ってねーんだから

大勢の人は“武器“を持ち自分を“強く“見せようとする。 僕もそうだ。
自分を“強く“する為にしたくもないことやしたい事をせずに“武器“を作った。
その“武器“である程度僕は“強く“慣れた気がしたがとても“生き辛い“と感じるようになった。

彼女は違った。彼女は何も持っていない。彼女は何も身につけなかった。
そんな彼女を僕は 言葉で残すのが嫌なくらい美しい  と本心で痛感した。

“武器“を持つ人は自分と他人を比較して上か下かで判断してる。
自分と他人の間で毎日小さな戦争が起こってるんだ。
僕は彼女に対して戦争が起きなかった。 起こせなかった。 彼女は“武器“を持ってないから。

僕は彼女がもつ“弱さ“をたまらなく欲しかった。 だが、僕に彼女の“弱さ“を持つことはできない。 それは“彼女“の弱さである。

僕は“武器“を持つことをやめた。
“弱さ“を求めた。 

名前も声も顔も知らない “彼女“ に僕は心を洗われた。 いや、“彼女“を使って僕が心を洗った。 

僕が忘れることがない 何も知らない“彼女“