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ラオスの伝統音楽『ラム』とラオスの新しいガールズグループ・MVIIZ

日本から西へおよそ4000キロ。飛行機を利用すれば、タイやベトナムなどの国で乗り継いでおよそ8時間で着弾!中国、タイ、ベトナムなど5つの国と国境を接している内陸に位置する山岳国、ラオス。正式名称は、ラオス人民民主共和国。首都は、ビエンチャン。

旅行情報サイトから拾い画した地図

外務省によりますと、広さは24万7000平方キロメートルで日本の本州ほどの大きさ。そこにラオ族を含む計50民族、およそ744万人が現在暮らしているそうです。そんなラオスは、国民のおよそ7割が農業をしている農業国。主食は、カオニャオと呼ばれるもち米。そしてグルメサイト『ホットペッパーグルメ』によると、ラオスは”飯がおいしすぎる”そうで、どっさりの野菜とひき肉を炒めたラオス料理の代表格らしい”ラープ”、ラオス風の担々麺の”カオソーイ”、ラオス風の具だくさんサンドイッチの”カオチー”とかが『鳥貴族』並にまじで激ウマ&安すぎらしいですよ。

ラオス料理『ລາບ(ラープ)』の画像(国際問題にならないことを願いながら・・・ ラオスのレストランからパクりました。)

グルメの他にも、ラオス北部にある古都・ルアンパバーンや南部にあるワットプー周辺の遺跡は世界遺産、そして歴史あるルアンパバーンはニューヨーク・タイムズの調査で”行きたい都市”に選ばれているんですって!さらに壮大な山々、緑豊かな田んぼ、メコンなどの河川、密林や滝など美しい自然景観が残り、自然に恵まれたラオスはエコツーリズムの人気も高く、また過度に開発されていないためまだ知られていない場所を探検することも可能な・・・、ラオスは『ドラゴンボール』並に”オラ、ワクワクすっぞ”な国みたいですよ。

現在ラオスと呼ばれる領域に、ラオスの主要民族であるラオ族が最初に都市を作ったのは1300年代はじめ頃らしいのですが、慶應大学講師などを務めた種瀬陽子(たねせ ようこ)さんによりますと・・・、そんなラオ族の歴史とともに昔からあったといわれるのが伝統音楽の「ラム」だそうです!
種瀬陽子(たねせ ようこ)さんの文章を内偵が入るレベルで、パクる、アーンド、一部改ざんして無断転載するだっちゃ! ・・・\ おーまわーりさーん 犯人はボクでーす! /

ラオスの音楽には、主要民族のラオ系タイ族、いわゆるラオ族の伝統音楽は、(中略)、ケーンの伴奏で語られる「ラム」につきる。(中略)
ラムはラオ族の歴史とともに昔からあったといわれる(中略)
しかし、このいわばラオ族の民謡にあたるラムとケーンの音楽の歴史については、実はほとんど知られていないのだ。(中略)
ラムもケーンも1800年以前の記録ははっきりしていない。

『もっと知りたいラオス』

「ラム」は、声調に合わせて抑揚をつけながら語る芸能をいうそうで、”歌”というよりは”語り”というべきものみたいっす。その起源について種瀬陽子(たねせ ようこ)さんは、”精霊信仰の儀式、仏教の読経、文学の語り、歌垣などとの密接な関係があるだろう”と推測しています。
著作『まとわりつくタイの音楽』の作家・前川健一(まえかわ けんいち)さんも、「ラム」の始まりを宗教との関係があると推測しています。

辞書風に定義すれば、〈ラム〉が芸能名で、〈モーラム〉がその歌手ということになるが、日常的にはどちらも〈モーラム〉と言う。(中略)
モーラムという芸能が、いつ、どのように生まれたのか、まだよくわかっていない。ラオスやイサーン(東北タイ)に広がるラーオ文化のひとつであることは確かで、僧侶の語りと深い関係がありそうだ

前川健一 『まとわりつくタイの音楽』

では、ラオスの伝統音楽ながら、いつ頃どのようにして爆誕したのか『ミステリと言う勿れ』の事件並にナゾ!歌というよりも、ラップ的な語りというべき音楽の「ラム」 a.k.a. モーラムとは、どんな音楽なのでしょうか。
愛知大学の平田晶子(ひらた あきこ)准教授が論文集『東南アジアのポピュラーカルチャー』の中で、論文集を買ってお金がなくなったアタシみたいな人のために、0円のYouTubeで動画を紹介してくれていました!広告は頑張って耐えましょう。

MORLAM LAO

↑は、歯切れの良いリズムで歌われるのが特徴的らしい”ラム・バーンソーク”っていうカテゴリーの「ラム」らしいです。画面右側の、USのフランク・オーシャンさんみたいにハチマキを巻いたおじさんが吹いている気鳴楽器が、ケーンですね。映像は、ラオス南部のサワンナケート県で撮影されたものなんですって!論文『越境するモーラム歌謡の現状-魅せる、聴かせる、繋がる』を記した愛知大学の平田晶子(ひらた あきこ)准教授によりますとですよー・・・。

モーラム歌謡は、タイとラオスの両方でも、各県、地域で歌い継がれる、当地の旋律をもつことが特徴的である。(中略)
ラオス側には代表的な旋律の種類が合計14ある北部のカップの旋律の種類は6つ、南部のラムは8つである。これらの旋律名の特徴といえば、旋律名に地名が用いられる点にある。(中略)

平田晶子 『越境するモーラム歌謡の現状-魅せる、聴かせる、繋がる』
スタリスト私物 ・・・的なアタシ所有の本を撮影したやーつ(←ハライチ)

タイとラオスの「ラム」 a.k.a. モーラムは、平田晶子(ひらた あきこ)准教授によりますと↑のように各県・地域で歌い継がれるメロディーに特徴があり、それぞれ”ラム・〇〇〇”のような名前がつけられているみたいです。で・・・

カップを歌う者は、モーカップ(mo khap)と呼ばれる。ラオス人研究者の間では、北部と南部おそれぞれの歌の相違点は何かという議論がしばしば持ちあがることがあるが、その違いは特になく両者共に抑揚をつけて歌う民謡を意味している。逆に北部のカップと南部のラムにみる共通点は、ケーンを利用することである。

平田晶子 『越境するモーラム歌謡の現状-魅せる、聴かせる、繋がる』

しかし、”21世紀を目前にして、ラオ音楽は大きく変わりつつある”、と書籍『もっと知りたいラオス』の中でラオスの音楽について書いた種瀬陽子(たねせようこ)さんは指摘します。さらに、このような流行の変化も起きているそうです・・・。

大衆音楽も盛んになって、ディスコに人々があふれるようになってきた。ラオスと東北タイのとの間に橋がかかって交流が促進される一方、テレビを通してバンコクの流行がどんどん吸収されていく

『もっと知りたいラオス』

近頃のラオスの音楽シーンの変化については、愛知大学の平田晶子(ひらた あきこ)准教授も書いています・・・。

近年、タイやラオスの音楽産業会社の傘下で制作されるタイ・ポップやラオ・ポップなどは、海外の音楽(欧米・タイ・日本など)の影響を受け国内の音楽市場で圧倒的なシェアを有している。一方、モーラムについては、1つの音楽のジャンルとして確立されているものの、少なからず「古く、田舎っぽい」印象を与える。しかしながらも、ノスタルジアを求める人びとからの需要がある。

平田晶子 『越境するモーラム歌謡の現状』

タイ・バンコクの流行がどんどん流れ込み、海外の音楽に影響を受けている近年のラオス。ですが2024年、伝統をすこし引き継ぎながら”西洋音楽的なもの(ペーン・サマイ)”に影響を受けたガールズグループが、デビューしたみたいですよ!

MVIIZ 「GEN Z'」 OFFICIAL MV

ラオスの音楽レーベル・Miracle Musicからデビューする初めてのガールズグループ、MVIIZ(エムヴィーズ)。名前のカタカナ表記は、『極悪女王』エピソード3で帰れコールを聞くダンプ松本さんのポーズでアタシがヒアリングしたモノなのでたぶん間違ってます!メンバーはLpop wikiによりますと、Namthip(ນ້ຳທິບ・ナムティップ)さん、Sobaii(ໂຊໃບ・ソーバイ)さん、Kim Wui(ກິມວຸ່ຍ・キムウイ)さん、Yian Yii(ຢ້ຽນຢິ・イェンイ)さん、Nayana (ນາຍານາ・ナヤナ)さん、Pinky (ພີ້ງກີ້・ピンキー)さん、Thida (ນຸ້ນ ທິດາ・ティダ)さんの7人。メンバーは全員、ラオスの新人アイドル発掘リアリティショー『Oishi Teen Idolのオーディションで選ばれて、1年間のトレーニングを受けた後に'24年6月にシングル曲「GEN Z'」でデビューしたみたいですよ。
デビュー曲のプロデュースはラオスの首都・ビエンチャンのR&Bアーティストで所属レーベルの創設者である、JoJo Miracleさん。エレクトロニックにトラップを加えて、あとVideoを見ますとラオスやタイ地域の伝統楽器であるラナートや二弦胡弓の音を足しているみたいですね。歌詞は”すべての瞬間が挫折を感じさせる 気力も体力も消耗して戦う気を失う でももう一度立ち上がってすべての障害に立ち向かうんだ 私達はヒロイン ジェネレーションZ”的なことを歌っているみたいですよ。VideoはJoJo Miracleさんがディレクターで、アンチの存在やマスコミ&大人を映した後に背景がラオスの伝統音楽や音楽スタジオになり、そして同世代の前でパフォーマンスをするまでを描いています。7人のメンバー、振付け、ボーカルメロディとかにアタシは韓国のガールズグループ・BABYMONSTER(ベイビーモンスター)を参考にしている感があると思いました。MVの再生回数は、現在までにおよそ31万です。


そんなMVIIZ(読み方はたぶん、エムヴィーズ)が、'24年10月に初めてカムバックして新曲をリリースしたみたいですよ。

MVIIZ 「YES OR NO」 OFFICIAL MV

新曲は、プロデュースがデビュー曲と同じレーベルの創設者であるJoJo Miracleさん。曲は、前半のドラムや浮遊感あるメロディ&コーラスとかから韓国のFIFTY FIFTY (피프티피프티)が2023年に起こしたミラクル「Cupid」みが少しあると感じたディスコ系に、エレクトロニックを途中にアクセントか味変的に加えています。歌詞は”あなたの愛が欲しい 「はい」か「いいえ」で教えてくれない? 私はずっと待っているから答えてね”的なことを歌っているぽいです。VideoはJoJo Miracleさんがディレクターで、学園恋愛系のストーリー、サビのパフォーマンス、それにメンバーの紹介カットを挟んでいます。ボーカルのメロディやラップのフロー、7人のメンバー、振付け、色彩豊かでポップな衣装(途中のライダースも)とかにアタシはタイのガールズグループ・4EVE(フォーイブ)を参考にしている感があると思いました。もし、韓国のFIFTY FIFTYとタイの4EVEを足すという戦略を取っていたとしたら、アタシは新しいしオモシロイと思います!MVの再生回数は公開2週間で、およそ8.1万です。

MVIIZは、曲の展開にラオスの伝統音楽”ラム”で使われる伝統楽器・ケーンをビートに使った語りっぽいラップパートが入った曲をリリースして欲しいです。BTSの「IDOL」とかBLACKPINKの「Pink Venom」、それかAKB48の「バレバレ節」みたいなの!