2年前に別れを告げたものたちへ。
2年前、私は無理やり家を出た。
無理やり、というのは単にお金がないということだけじゃなかった。
その頃私は精神が病んでいて、引越しする2週間前には2回目の休職を決めていた。
そうなったのは、仕事のせいだった。1度目の休職が終わって、会社で待っていたのは「役立たず」な私。
やりたかった仕事を色んな人に振っていく仕事。
必要な薬は、仕事だった。でも、18時までに帰らなければならない私には、責任ある仕事なんてなかった。
そこで始めた転職活動。まるで運命のようにある会社に出会った。入社する前から社風に合うことは分かっていた。心の底から入りたい。思いを叶えるように、トントンで選考が進んでいった。
最終面接。企画プレゼン。
どうしても受かりたくて、2徹して企画書を書いて、震える手で初めてのプレゼンをした。
結果は不採用。
ダメだった。死ぬ気でやったのに。
そして、死ぬ気でやってみたら、本当に死んだ、心が。
翌々日、満員電車に乗った私の耳元で何かが弾けた。そのまま駅から動けなくなり、最終的に車椅子で運ばれて、また心療内科にいかなくてはならなくなった。
色んな人に心配かけているのに、病気を治さなければならないのに、何しているんだろう。
うまく生きれない自分を責めた。
責めれば責めるほどダメになっていき、やっぱり2回目の休職を申請することになってしまった。
その2週間後に私は、引越しを決めた。新宿から歩いて15分。誰もが羨む良い場所、代々木駅徒歩7分。築2年。
もう自分ではどうしようもないので、住む場所を変えるしか方法を思いつかなかった。
実家で甘えた自分を、重すぎる気持ちを、振り切りたかった。
そこは、新しい風を入れることだけ考えた家。
この部屋でコピーを勉強して、
コピーライターになって、
彼氏を作って、
友だちを呼んでホームパーティーをして。
そして無事2年後の更新期限が来るころ、
私には結婚を控えた彼氏がいて、仕事が安定しているはず。
今までがどん底だった分、新しい毎日を作ってやるんだ!
そんな意気込みが8万円という家賃を許した。
その2年で自分がクソみたいな日々を送るなんて、その時は思わなかった。
これっぽっちもね。
つづく