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西野水道に潜る
前回の有漏神社訪問時と異なり余力があったので、そのまま西野水道に潜る。
西野水道(にしのずいどう)は、氾濫の多い余呉川の水を抜くために掘られた放水路であり、初代から3代目まである。初代西野水道は江戸時代に手掘りで掘られたもので、現在は放水路としては使用されておらず、中を歩くことができる。僕が「西野水道に潜る」というときは、この江戸時代の初代西野水道を指す。全長220mほど。トンネル好きな人には自信を持っておすすめできる。
入口に、休憩所を兼ねた小屋が建てられており、そこでヘルメットとゴム長靴と懐中電灯を借りることができる。落石や落盤の危険はほぼない(100%とは言い切れない)が、トンネル内部は天井が低くなっている箇所があって頭をぶつける危険性があるのでヘルメットはかぶった方がいい。現役の放水路ではないがそれでもトンネル内は水の溜まっている箇所があるので長靴は着用した方がいい(確実に足首まで水に浸かる)。そしてトンネル内は真っ暗なので懐中電灯は必ず持たなければならない。ただし、小屋に置かれている懐中電灯は電池が切れていることがちょいちょいあるので、可能ならば自分で持参した方がいい。使える懐中電灯がそのときに無ければ、トンネルに入るのは断念した方がいい。
ヘルメットをかぶり長靴を履いて、自分の自転車用ライトを持っていざ西野水道へ。入口は、初めて来たときには入るのをためらうくらいの面構えだが、もう慣れた。入って少し進むと左にゆるやかに曲がっており、さらに少し進むと外からの光が入らなくなる。ここでライトを切って暗闇を楽しむ。何にも見えない。そこにあるはずの自分の手すら見えない。思わずむっふっふっと声を出して笑ってしまうと、トンネル内に反響する。
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水位は足首くらいまで
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気を抜くと頭をぶつけるし、ヘルメットがないとかなり危険だ
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そう、iPhone(15 pro)ならね
トンネルは出口(琵琶湖側)に近づくほどに狭く細くなってゆき、その上補強工事がなされているところもあって人がすれ違うことも難しい。そんな箇所に差し掛かって向こうの方から人の声がする。「こわいよぅ」という女性の声と「大丈夫だって」という男性の声。ベタベタの会話だなぁと思う。
西野水道は、とくに一方通行と決められているわけではないが、トンネル内に入るための装備が置かれているのは入口の小屋だけなので、事実上の一方通行といったところか。
こちらの明かりが向こうにも見えたのだろうか、「すいませぇん」と声を掛けられる。スマホのライトを片手に、ヘルメットもなく、普通の靴で歩いている。僕は、この箇所は人がすれ違うのも難しいので引き返してほしいこと、この先ヘルメットがないと危険なこと、長靴がないと足首まで水に浸かってしまうことなどを述べ立てて出口まで追い返した。外に出てはじめてわかったのだが若い男女四人組だった。僕が追い返したのにも関わらず「ここがどういうところかよく分からずに入ってしまいました。教えていただいてありがとうございます」とお礼を言われてしまった。面映ゆい。
3代目の現役放水路を見て、コーヒーを飲んで琵琶湖をぼんやり見る。3代目の隣にある2代目を通って、駐車場の方へ戻る。
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豊かな水量に驚く
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ちょっと不思議な光景だ
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この2代目を通って駐車場に戻る
※Instagramには多少の動画も載せています。よろしければそちらもどうぞ。