チェイサーゲームWの凄いところ②【稀有なコミュニティー爆誕!】
ネタバレしかない内容で、だからといって新しい視点があるわけでもなく、一体誰に向けて書いているのかわからないのですが、チェイサーゲームW公式様、チェイサー民、関わった方すべての方へ感謝を込めてという名の自己満足です。
チェイサーゲームWによって、2カ月の間にSNS上に爆誕した稀有なコミュニティーについて書きたいと思います。
私は1話からドラマを見ていたのですが、どうしても、いつふゆの尊さをつぶやきたくなって4話の放送後、Xのアカウントを開設ました。
XのチェイサーゲームW関連のポストを見ていると私と同じように
「ずっとアカウント使ってなかったけど、ドラマの感想を言いたくて思わずポストし始めた」等、チェイサーゲームWについて話したくて
アカウント開設した人をたくさんみかけました。
そして、ここに集う人達はほぼ女性。
その中でもドラマを熱く語っているアカウントの多くはセクシャルマイノリティーの女性。
あくまでも私の肌感ですが。
私もいつふゆの心情を考察したり、次の展開を予測したり、興奮したり、尊んだんりと、キモオタなコメントを発信していたのですが
私の何でもないポストでも、
ある日を境にインプレッション数が急激に増えたのです。
それは2月20日第7話の放送後からでした。
最初はなぜかわかりませんでしたが、
ポストを見ているうちにだんだんわかってきました。
「#チェイサーゲームW」をタグ検索している中国のファンが急激に増えたという事が。
それは第7話で
中国人の冬雨が「私はレズビアンです」というセリフを言ったことがドラマ史上初めてで歴史的で衝撃的だったという事が影響していました。
とにかく中国の方のポストがすごいことになっていました。
ポストは中国語、日本語にとどまらず英語、韓国語、タイ語など様々な言語が飛び交って、シーンの中の細かいポイントについて語る。といった状況でした。
そんなファンたちは自らをチェイサーズやチェイサー民と呼んでいました。
以前から菅井友香さん、中村ゆりかさんを応援している方々をはじめ、たまたまドラマを見て初めて2人を知ったファン、百合作品好きなどで形成されていたと思います。
特に世界中にいる百合作品のファンや櫻坂46のファン(菅井友香さんのファン)は百合要素の楽しみ方をすでに知っていて、このドラマの楽しみ方を浸透させていきました。
こんな風に様々な国の人と同じドラマを見て感想を共有できるのかと感動すらしました。
今は翻訳機能があるので、私も海外の人でも平気で日本語でコメントしたりと交流していました。
さらに、原作者の松山さん、脚本家のアサダアツシさん、監督の太田さん、公式の方々もファンにコメントしたりと積極的に視聴者の声を聴いてくれていました。
最終回の直前はさらに盛り上がりをみせ、
「season2を熱望する多くのチェイサーズ」や「ハッピーエンドかバットエンドかで心配するチェイサー民」「#チェイサーゲームWのトレンド入りを目指す人」がつどっていました。とくに海外の方は熱心でした。
最終回を前にしてチェイサーゲームWファンの期待は頂点に達していました。最終回前日は妙な一体感があった。
ハッピーエンドであってくれと、なぜかオタク同士で励ましあいながら最終回を迎えました。
まあ、ここまでならよくあるオタクの集いなのですが、稀有なコミュニティーとなったのはこの後からでした。
午前2時35分 最終回放送開始・・・
ド深夜にワクワクしていたリアタイ組の多くのファンが
冒頭3分で語られた冬雨の真実を受け入れることができなかった。
その後も色々いいシーンあったのですが
私自身ほとんど頭に入ってきませんでした。そしてドラマは終わりました・・・
絶望感、半端なかった・・・
日本人のオタクはもちろんですが特にに中国の方のショックは大きかった。
たぶん、オタク達も自分たちがこんなにショックを受けるとは思ってなかったと思います。
Xはとにかく大荒れした。
自分には叶えられない希望を託しすぎてしまったのか。
自分が貫こうとしている事と真逆なことが辛すぎたからか。
途方にくれる人、絶望する人、怒りだす人で溢れていました。
原作者の松山さん、脚本家のアサダアツシさん、監督の太田さん、公式の方々はそんな声を真摯に受け止めてくれていました。きっとみんなが樹や冬雨のように今まで生きてきた間、どうしようもない辛い思いをしている事を知っていたから。
まあ、受け止めきれないものもあったかと思いますが。
次の日、冬雨と境遇が近い方々のポストが上がり始めました。
女性が好きだったけど結婚・出産を選んだ。
誰にも言えなかった事。
ずっと蓋をしていた気持ち。
初めて言う事ができたと。
一番、見えずらい方々の声。
結婚・出産を選んでいないレズビアンにはドラマを見ただけでは、冬雨と樹の心境がわからなかった。
だから、怒り、絶望した。
でも、そのポストを読んで
だんだん、理解が広がり始めた。
冬雨がどんな状況だったのかということが。
そして、そんな人がフィクションではなく存在することが
そして、辛い思いをしていたことが。
もしかしたらドラマへの思いが強いオタクによってこんなに荒れなかったら、この境遇の方々は声をあげなかったかもしれない。
だってすごい勇気のいることだから。
ポストが荒れに荒れたから、みんなの論点がまったくずれていて、作品が批判されているのを治めたくて、声をあげようと思ったのだと思います。
当事者同士でも知らないことわからないことがたくさんある。
それが今回、本当によくわかりました。
女性のセクシャルマイノリティーは
人生の決まったレールがない。基本的にはこうするといいよ~がない。一般的にこうすれば幸せになれるよ〜もない。
なにも誰からも価値観を矯正されていない。
境遇もさまざま、近くに理解ある人がいる人。親にまったく理解されなかった人。誰にも打ち明けてすらいない人。打ち明けて差別され傷ついている人。
だから、みんな自分だけで考え、自分だけで答えをだしている。
だから同じ当事者でも、考えも価値観もまったく違う。
だから普通は同じ考えの境遇のコミュニティーで集まるか、孤独に過ごす。
だから、他の人の考えを知らないままなことが多い。
でもここは違った。
とにかく、いろんな考え、いろんな国の人が集まってた。
違う考えを知っても、どうしても受け入れられない人
そんなもんだと思ってた人
自分の無知を恥じた人
同じ考えで救われた人
自分はどうしたいか考え始めた人
今までのこと後悔した人
今まで貫いた価値観を信じている人
同じ体験をしてもすんなり受け入れてた人
製作者を攻撃する人
製作者に感謝する人
自分と向き合わざるおえなくなって辛い人
自分は女性が好きだと改めて認識された人
もっと違う選択をしている人
ただただ、いつふゆの尊さを堪能してる人
急に推しの同性愛者人気がすごくなって迷惑してる人
このドラマに対する反応は様々で当たり前。
みんな背景違うし、
背負ってるもの違うし
経験も違うし、
状況も年齢も違うし
大切にしたいもの違うし
でも、もし真面目に向き合うだけのドラマだったらこんなに多様な当事者たちがこんなに夢中になってSNSに集まらなかった。
向き合うだけでは辛すぎてドラマも見続けられなかった。
キュンキュンするエンタメ要素が多いから、尊いシーンが多いから
そして一番は樹と冬雨が美しすぎたから。
多様な考え、多様な国の人の当事者が集まれて、こんなに意見が飛び交った。
これがチェイサーゲームWが生み出した稀有のコミュニティーです。
きっと私の知らないところで、他にもいろいろ面白いことが起こっていると思います。だからもう少し楽しませてもらいます。
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