なぜチェイサーゲームWは多くの人を惹きつけたのか①【チェイサーゲームWが誕生した背景】
2024年2月「チェイサーゲームW」が最終回を迎えたあと、季節が冬から夏になったにもかかわらず、今だにこのドラマを何度も見返しているファンが多くいます。そしてSNSでもドラマの話題で盛り上がり、続編を熱望する声が止まりませんでした。しかも日本だけでなく海外からも。そして、とうとう続編が9月からスタートすることが発表になりました。
ど深夜の2時35分の枠で、決して予算が潤沢にあるわけでもない、このドラマ。なぜ多くの人がここまで惹かれたのか、その理由を考えてみることにしました。
ちなみに全て持論中の持論です。なんの根拠もございませんのでご了承ください。しかもネタバレしまくりですので、その点もご了承ください。
チェイサーゲームWが誕生した背景
まず、このドラマが生まれた背景を考えていきたいと思います。
このドラマの誕生に影響を与えたであろうドラマがあります。2022年にタイで生まれた「GAP The Series」というGLドラマです。このタイのGLドラマは世界的な人気になりました。タイでもGLドラマはその当時、完全なるブルーオーシャン。BLドラマは沢山ありましたがGLドラマのヒットはなかった。
主演のFreenとBeckyは日本でもフリベキ(FreenBeckyとは役の名前ではなく演じてる2人の名前です)と呼ばれ大人気で、2人は日本にも来日しています。日本と違う点は、2人が同じ事務所に所属している事。そしてドラマが終わった後も2人で活動することが多い事。その活動は幅広く、ワールドツアーや映画、この夏には新たに2人の主演のドラマもスタートしたようです。
人気のドラマが終わった後もカップルとして見ていたいというファンの願望を叶えています。熱狂したファンの熱を上手く次に繋げています。一度、人気になったカップルで様々な仕事を続けるスタイルは日本ではあまり見ないですよね。
そのころ日本でもBLドラマがいくつもヒットしていました。女性同士の恋愛も特別なことではなく、日常の中に自然に描かれることも増えてきていました。ただ、日本でもGLドラマはまだブルーオーシャンでした。そんな中、世界的にGLドラマが盛り上がっていたこの契機を日本で掴んだのが「チェイサーゲームW」だったのだと思います。
前作の「チェイサーゲーム」にもセクシャルマイノリティーのキャラクターは登場するし、「チェイサーゲームW」の脚本を担当したアサダアツシさんも過去の作品には同性愛を題材にしたものもあるので、「GAP The Series」のヒットがあったから「チェイサーゲームW」を作ったわけではないかもしれませんが、新たなGLドラマを制作するにあたり、背中を押す存在だったのではないかと思います。これは、どこかで言及があったわけではなく、あくまで想像です。
「GAP The Series」の日本のファンの中には「チェイサーゲームW」ファンも多くいます。「FreenBecky」の熱狂が「チェイサーゲームW」の盛り上がりに少なからず影響してると思います。このように、様々な形でGLドラマの土台ができてきた流れの中「チェイサーゲームW」の放送が開始されました。
ドラマの放映の途中からは、LGBTQコンテンツを専門に配信するプラットフォーム「GagaOOLala」での配信も決まり、日本以外の国の人も視聴可能になりました。4話が放送されたころには「チェイサーゲームW」の熱狂的なファンが誕生していました。同じくして「GagaOOLala」の配信サービスでは、GL/レズビアン向けグローバルトップ1位になっています。
日本や中国のSNS(X、Instagram、weibo)では同時多発的にチェイサーゲームWのファンダム(いつふゆファンダム)が誕生しました。特にファンが多いのは日本と中国でした。もちろん、アメリカや韓国をはじめ様々な国にもファンが誕生しました。
●「ファンダム(fandom)」とは、趣味・アニメ・漫画・小説・スポーツなどの分野の熱心なファンたち、また熱心なファンによる世界、彼らによって形成された文化である。fanとkingdomの造語(Wikipediaより)
●「いつふゆ」は主役の樹(いつき)と冬雨(ふゆ)の名前を略したカップル名称。