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「捺印」と「押印」の違いって何?

<目次>
1.「押印」よりも「捺印」の方が言葉の誕生は先
2. 署名捺印と記名捺印の違いって?
3.「捺印」と「押印」は意味自体は同じ

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1.「押印」よりも「捺印」の方が言葉の誕生は先


私たちの生活において「押印」よりも「捺印」の方が一般的に使われているように思えますが、法令を見ると「押印」の文字が散見されます。

これらには一体どのような違いがあるのか、「大辞泉」(小学館刊)で両者の言葉の意味を調べたところ以下の内容でした。

【 捺印 】→ 印判をおすこと。また、おした印影。押印。(例)「契約書に捺印する」

【 押印 】→ 印を押すこと。捺印。(例)「署名して押印する」


これらはどちらも同じ意味ですが、大辞泉に関連する記述があり、それは「押印」の説明欄に補説として、「当用漢字の制定により、捺印に代わって用いられるようになった語」とあることです。

「当用漢字」は、国語審議会の答申に基づいて1946年、国が告示した「当用漢字表」に掲げられた1,850字にも及ぶ漢字のことです。

文化庁の発表ではこの当用漢字表について、「国民生活の上で、漢字の制限にあまり無理がなく行われることを目安として選んだもの」とされています。

その当時に日常的に使用頻度の高かった漢字を中心に構成され、雑誌や新聞など様々なものを通じて普及したものになります。

またそんな当用漢字の一例として「建」、「中」、「岩」、「夏」などがあります。


当用漢字については「漢字で書き表せない場合は別の言葉に変えるか、かな表記にする」というルールがあり、大辞泉には「(押印は)捺印に代わって用いられるようになった語」と記載されています。

「捺印」は以前から単語として存在していたものの、「捺」が当用漢字に含まれなかったことから、「なつ印」と書くか、それに代わる単語を新しく作る必要があったのです。

そこで「捺印」とは別の言葉として、この「押印」が生まれた。と解釈することができます。

また「押捺(おうなつ)」という言葉がありますが、これは一般的に指に朱肉等を付けて押すいわゆる拇印(ぼいん)を指します。


2. 署名捺印と記名捺印の違いって?


契約書や申請書等の書類で「署名捺印(押印)」と「記名捺印(押印)」という言葉を見かけますよね。

これらは一見同じ意味のように思えますが、実は…


-------------------- ここまで --------------------

続きはこちらのページより、お読みいただけます。

匠印章辞典|「捺印」と「押印」の違いとは?
https://www.inkan-takumi.com/dict/natsuin_ouin.html


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