印鑑の「篆書体」ってどんな書体?
<目次>
1.ルーツは古代中国にある篆書体
2.お札や切手にも使われている篆書体
3.篆書体は偽造防止にも効果的
4.歴史ある篆書体は実印・銀行印に最適
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実印や銀行印など、重要な印鑑には複雑な図形の様な文字が多く使われているのをご存知の方も多いと思います。
こちらではそんな重要印鑑に使われる書体である「篆書体」について、記事にしてご紹介していきます。
1.ルーツは古代中国にある篆書体
篆書体は部分的に線が太くなったり細くなったりする書体ではないため、線の太さが常に一定です。
横方向には水平、縦方向には垂直の字体となっているため、基本的に文字がまっすぐで左右対称の形をしているのが特徴です。
ここで篆書体の歴史を紐解いていくと、古代中国、秦代に標準書体として制定された、甲骨文字や金文を基礎として作られた書体になります。
分類すると「大篆(だいてん)」とそれを簡略化した「小篆(しょうてん)」とに大別されるため、それぞれ順に解説していきます。
・大篆(だいてん) → 古代中国の周の時代に史籀(しちゅう)が作ったとされ、小篆の前身と言われているものです。書体の多い金石文を整理したもので、籀書(ちゅうしょ)や籀文とも呼ばれます。
・小篆(しょうてん) → 秦の始皇帝の時、丞相の李斯(りし)が創始した書体と言われています。大篆を省略・整理したもので、当時は公用文の書体として用いられました。
秦代以前の中国では、その地域ごとに様々な書体が使われていました。
そこで秦の始皇帝が国を統一した際、先述した「小篆」を標準書体として定めました。これは当時、権力を誇示するためにおこなったのではないかと言われています。
一般的な印鑑では小篆が使用されることが多いですが、他にも印鑑向けに「印篆(いんてん)」という篆書体も存在します。
これは印鑑専用にできた書体で、大篆や小篆だと印面の枠内に収まりにくいため生まれたものです。小篆の曲線部分や枠外にはみ出る部分を直線や曲線で表しており、小篆よりも少し角張ったイメージを受ける書体です。
この他にも隷書体や古印体、行書体、楷書体など様々な書体がありますが、これらは元を辿ると篆書体と深い繋がりを持っています。
特徴として文字が横長である隷書体は、小篆が簡略化されて生まれた書体です。
また、その隷書体を元にして作られたのが、古印体・行書体・楷書体となります。つまり、それぞれの書体が生まれた背景には、「篆書体」の存在があるという事ですね。
2.お札や切手にも使われている篆書体
ここまでご紹介してきたように、歴史ある篆書体ですが実は印鑑以外の場面でも見かける機会があったりします。
それは、例えば身近な例として…
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続きはこちらのページより、お読みいただけます。
匠印章辞典|「印鑑の書体の篆書体って?」
https://www.inkan-takumi.com/dict/whatistensyo.html
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