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サンライズ出雲に乗った話。

日本国内唯一の毎日定期で運行しているサンライズ出雲に乗って島根県へ行くことになった。その時の体験をまとめたい。

まずは島根に行こう(下り編)

まずは島根県へ行かなければならないという目的があり、僕と同行者は計画を立てることになった。

島根県に行くには新幹線と在来線の組み合わせ、深夜バス、飛行機を使っていくことができる。
今回は寝台列車を使うことにしたが、チケットの確保がまあまあ大変であった。

(お断り:僕は鉄道ファンではないためわかりづらい表現があるかもしれません)

チケットを取ることができるのは1ヶ月前の午前10時から、インターネットで取ることもできるが繁忙期や人気の個室プランなどはみどりの窓口に行って、駅員さんに所謂“10時打ち”をお願いしなければならない。

7月の三連休に旅を計画しているだけあって、余計に寝台列車のチケットが確保できる気はしなかった。

同行者が10時打ちに成功をしたらしく、シングルツインという2人でも使えるお得な個室を確保できた、という報告を聞いて飛び上がるように喜んだ。
その数日後、帰りもノビノビ座席という雑魚寝席を取ることができた。

東京発の出雲市行き(下り)
2024年7月11日出発 シングルツイン

出雲市発の東京行き(上り)
2024年7月14日出発 ノビノビ座席

しかし、残念ながらここに、シングルツインを利用した素晴らしいその体験をお伝えすることはできない。
なんと7月11日の夜に東京駅を出発するサンライズ出雲・瀬戸は山陰方面の大雨の影響で運休となってしまった。
東京は晴れているのに走らない。運行距離の長いサンライズならではの現象かもしれない。

元々日中は仕事をして、一度帰宅をしシャワーを浴びてから東京に向かおうと思っていた。
全部の支度を終え、ほぼ寝る寸前の格好でサンライズの運行情報を確認すると“運休”のふた文字を見てしまった。

一応、こういう時のことを想定して次の日は丸々移動に使えるようにしていた。12日の夕方に出雲市のホテルに辿り着ければ良いのだ。
(予定していた松江の観光は中止です......)

東京駅で出発前に利用できるカフェでモーニング。
タイミングが良ければレコードの音が聞けます。
改札の真横なので昼前後から夕方にかけては混雑してることが多い気がします。さすがに平日の朝は余裕がありました。

丸の内地下にあるDEPOT

というわけで、12日の朝に東京駅から新幹線でまずは岡山駅を目指した。
せっかくなので、N700Sのグリーン車を取った。(サンライズのシングルツインの代わりということで)

ところでEX予約のプラスEXプランを利用していますが、これは年間1000円を払い続けることで、若干の割引と座席変更や乗車時間の変更が楽々にできます。そんなに旅行しないので必要か、と言われれば微妙ですが僕は払い続けます。あと50年生きるとしても、払っても5万円。なんかオトクな気がしてくる。これから西側に行くことも増えそうなので。

走るリビング

現在、東海道新幹線管内はグリーン車しか車内販売をしていないとうことなので、缶ビールとホットコーヒーをモバイルオーダーで注文をしてみました。(ワゴンはありません)
グリーン車はめちゃくちゃ久しぶりに乗りましたが、本当に走るリビングという表現がぴったりでした。
靴を脱ぎ、リクライニングで最大限にリラックスできました。
(席間は結構余裕があるので、そんなに気にしなくてもいいのかなと思いましが、様子を伺いながら徐々に倒す、心理戦ってあるよね)

3時間という乗車時間が短く感じて、降りるのが名残惜しかったです。良い席に乗れば乗るほどそう思います。

富士山を見たくてウッキウキで進行方向右側の席を取りましたが、静岡県内は土砂降りで富士山どころではありませんでした。

山陽新幹線の管内に入ると今度はグリーン車内のみ、ワゴンでの社内販売がありました。岡山駅で降りることになっていたので、山陽新幹線の車内販売を利用することができませんでした。

ようこそ岡山へ看板

予定通りに岡山に到着し、そこからは特急やくもで出雲市駅を目指します。安く行くならやくもじゃなくてもいいのですが、到着時間や乗り換えの手間を考えるとたった3時間で行ける特急やくもが最適でした。

あと指定席券を2人分買うならセミコンパートメント席(半個室)を同じ値段で買えたので、そっちにしました。
向かい合う座席ですが、変形してお座敷っぽくできます。
指定席もそこそこ人が乗っているようでしたが、この便のセミコンパートメント席を使っているのは僕らだけでした

大自然の中を駆け抜けていく特急やくも。
山を超え、川を渡り、途中雨に降られながら、巨大な中海と宍道湖を右に見て、出雲の空港に降りる飛行機も見れました。

乗車前は「長えな。」と思っていた3時間の旅も、駅弁を食べて、景色を見ながらコーヒーを飲んでいるとあっという間に過ぎてい行きました。

岡山のご当地ビール、独歩

これはこれで乗れなかったシングルツインの悲しみを少しは埋められた体験ができました。

走るリビング

後にホテルへついてから知ったのですが、僕らが岡山駅を出発して1時間もしないうちに伯備線内倒木の影響でやくもに運休や遅れが出てるようでした。本当に危なかった。
(↓で現在の運行状況を見れます。結構ガラスの路線です)

4人席(通常モード)

4人席もありました。こっちもお座敷モードに変形します。
先頭1号車がグリーン車になっていて、その後方3分の1くらいのスペースがセミコンパートメント席で2人席と4人席がそれぞれ2つずつありました。

充実の荷物置き

大きめの荷物置きもあってスーツケースを持っていても座席に荷物を置くことがなくノビノビ過ごせました。今回は手土産を持参していることもあり、こういう荷物スペースは地味に嬉しかったです。
(新幹線の大型荷物置きは要予約でしたが、こちらは予約不要で座席のすぐ後ろにありました)

元々12時間かけて出雲市駅まで辿り着く予定でしたが、半分の6時間で東京-出雲市間を移動できました。日本の鉄道網はすごいと思った。

新幹線開通を目指す看板

あるだろうなと思っていた「山陰方面の新幹線開通を目指す」掲示。
出雲市駅は駅のロータリーにポスターが貼ってあるだけでしたが、途中の松江駅にはホームから見えるところにデカデカと看板がありました。こういう地元の主義主張を訴える系の看板は好きです。

しかし、伯備線の“か弱さ”をサンライズ出雲の運休と特急やくもの運休で思い知っている僕は「いや〜、伯備新幹線は難しいんじゃない?」と素直に思います。応援はしたい。

島根県に行ったからにはしっかりと観光もして来たので、観光編もまとめています。

サンライズ出雲乗車(上り編)

いよいよ帰りのサンライズ出雲に乗車します。

行きのサンライズ運休の件もあり、前日から雨予報で帰りのサンライズが運行するかひやひやしました。

予報では出発する19時前には雨は止んでいるようでしたが、それまでに大雨が降ったりして、伯備線が運休になればサンライズも自動的に終わりです。

午前中は出雲大社へ行き、午後14時過ぎにはサンライズが発車する出雲市駅に帰ってきました。

前日宿泊していたホテルのプランで、駅前の銭湯施設でお風呂を済ませました。

サンライズに乗る人は多分全員らんぷの湯に行っています。

サンライズが発車しますよの案内を見たときの安堵と言ったら……。
もしサンライズが運行しなければ、夜行バスで変えることになっていたはずです。サンライズが動かないということは伯備線も止まっているはずなので、岡山駅までたどり着く術がありません。

サンライズ出雲くるらしい

念願のサンライズ出雲入線です。
雨も若干降ってはいましたが、予定通り運行できそうです。

予定時刻通りの入線

今回はノビノビ座席という、乗車券と特急券だけで乗れる座席です。
新幹線とやくもで出雲市にたどり着くより圧倒的に安く済みます。乗り換えもないし。
肝心の座席は、座席というかカーペット1枚が敷かれた床です。思った以上にふかふかでしたが、思ったとおりにただの床でした。

ノビノビ座席の下の段

しかし、スペース自体は結構広くで身長が180センチの僕が寝転んでも余裕があり、寝返りも向きを変えるくらいはできました。
荷物は足元や、同行者がいれば境目にも置けます。

足もノビノビ
後にシーツがわりになる布団
枕カバー

枕はありませんが、枕カバーはありました。
おそらく各々柔らかい荷物を包んで枕を自作してくださいとのことなんでしょう。僕はシャツを包んで枕にしましたがみょっと硬めでした。

ノビノビ座席は2階建てになっていて、今回は1階で暮らしました。
片側には同行者が住んでいましたが、反対側の隣は旅慣れてそうなおじちゃんが乗って来て、色々話をしました。(販売時は満席でも、乗車日が近づくと空きが出る場合もあるそうです)
岡山到着時に乗降車口まで行って、サンライズ瀬戸との連結する感覚を一緒に味わいました。

すでに売り切れていることはわかっていましたが、儀式的にシャワーカードのチェックも行いました。
しかし、我々はらんぷの湯で身を清めているため今回は購入しなくても良かったです。

330円でシャワー6分
すぐ売り切れる。

車内販売はありませんが、自動販売機はあります。
水とお茶から売り切りれて、東京へ着く頃には全て売り切れになることはしばしばあるようですが今回は生き残ってました。

唯一の買い物場所

ちょうど伯備線を走っている時にラウンジに行ってみましたが、結構空いていたので出雲市駅を出る時に買った「しまねっこえーる」を飲みました。めちゃくちゃバナナの味がした。うまい。

しまねっこえーる

ラウンジスペースは窓に向かったカウンター席があり、そんなに広くはないですが、景色を見たり、食事をしたり、談笑したりできます。特にノビノビ座席の住人は周りに気を使うので、ラウンジくらいでしか普通に会話ができません。

出雲市で乗った人たちの何人かは岡山で降りていきました。なるほどそういう使い方もあるのか。大阪から東京まで乗る人もいるようでした。

0時半くらいに大阪でこの日最後の乗客を乗せサンライズは夜明けまでひたすら東を目指します。僕もこのあたりで眠気が来て、硬いゆk……ノビノビ座席で眠りにつきました。

車窓から小田原城

起きると熱海あたりでした。
それから、小田原を通過してしばらくすると
「みなさま!おはようございます!
電車は概ね予定通りに運行しております」
と、誰でも起きるだろうというくらい若干大きめの車掌のアナウンスが聞こえてきました。
絶対に車内に取り残さないぞという優しさを感じました。

東京に着いて、在来線で家に帰りました。
初めてサンライズ出雲に乗った感想としては、「寝れるけど疲れは取れない」という感じです。帰宅日はひたすら寝て過ごしました。
しかし、寝てるうちに出雲に着いて、午前中から行動を開始しすることができるのは、やはりアドバンテージです。
新幹線を使うとどうしても、丸1日、移動にあてなければなりません。

次回、島根に行くときはまたサンライズを利用したい。
その時には今回乗れなかったシングルツインにリベンジしたい。

幻となってしまったシングルツインを乗るにあたり、YouTubeで鉄道のことを紹介してる人を参考にしました。結構、わかりやすくてこの人がサンライズに乗っている動画は全部見て当日を迎えたので、なおのこと下りサンライズの運休が悔しいです。


しまねっこの語尾はブレがち。
“にゃ”って言え。


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