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こちら合成害獣救助隊
看板の群れを回避しながら路地裏の底めがけて降下する。ひときわ大きな看板を避けて目標が視認出来た。狼の体に鮪の尾。合成害獣、通称キメラだ。部長の強化外骨格が掴みかかって動きを止めてる。あたしの接近に気付いた部長が身を引く。よろけたキメラにあたしはブースト全開の蹴りを叩き込んだ。
法整備と啓蒙が実を結び、人と暮らす動物は皆幸せになったはずだった。追い詰められた悪徳企業が「犬と猫を混ぜて売る」などと言いださなければ。結果は見事にバイオハザード。街にはキメラが溢れた。
凶悪なキメラも元は動物だ。殺処分は許されない。あたし達の仕事は全てのキメラを捕獲して合成分離施設へ送る事。
路地裏に降り立ち、狼の巨大な目を見据える。怒りに震えて睨み返してきた狼を尻目にあたしは踵を返して駆ける。よし、ヘイトは充分。狙撃班のところまで追いかけっこだ。スピードなら負けない。
なんせあたしは人と猫が混ざってるんだからね。
【続く】
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