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生成AIの情報収集、情シスはどうしている?【2024年度版】

目まぐるしく進化する生成AIの情報収集を、情シスはどのように行っているのでしょうか。今回は、アンケート結果をもとに、情シスの情報収集について考えます。
なお、このnoteは主に中堅・中小規模の企業の新任情シスや兼任情シス向けの内容です。 


1.情シスの生成AIに関する情報源は?

生成AIが登場し、私たちの業務に活用されるまで、わずかな期間で様々なことが起きました。これからも生成AIを取り巻く環境の変化は今後も続くと考えられますが、情シスはその変化を捉えて、的確に企業に取り入れていくことが求められることでしょう。

では、これまで情シスはどのように生成AIについて情報収集してきたのでしょうか。2024年6月に実施した情シス向けアンケートで、「情シスが生成AI に関する知識や情報を得る手段」を聞きました(※)。
※『数字で見る情シスと生成AIの実情 2024(ソフトクリエイト)

出典:『数字で見る情シスと生成AIの実情 2024(ソフトクリエイト)』より

情シスの情報源として最多となったのは「セミナー/ウェビナー」で83.4%でした。多くの情シスがセミナーやウェビナーを重要な情報源と考えていることがわかりました。昨今はオンライン開催も増えていることから、参加しやすいことが挙げられます。また、セミナーならではの最新情報入手や、その場でしか得られない情報や情報交換などに期待していることも考えられます。

次いで2位は「Webメディア(IT系)」で76.7%となりました。各種メディアでは、生成AIに関する第三者視点でのニュースや解説などが、日々、更新されているので、多くの情シスはすでに各種IT系メディアに登録しメールマガジン等を受け取っているのではないでしょうか。

3位は「メーカー、ベンダー、SIer など提供の情報(対面、Web)」で48.2%です。付き合いのある取引先からの“プロ”ならではの意見を聞くことは貴重な機会ではないでしょうか。しかし、その意見が客観性があるかどうか、偏っていないかどうか、などを注意する必要があることでしょう。

ほかにも「YouTube」が22.4%に上るなど、ビジネスの情報源としても活用する情シスが多いことがわかりました。オンラインセミナーのような感覚で視聴しているのかもしれません。

また、「政府刊行物、白書、官公庁資料など」は5.8%と少ない結果となりました。あまり注目されていないですが、国や自治体も生成AIを積極的に取り入れていて、その効果を公表する動きも増えています。例えば、東京都や川崎市では職員向けに「文章生成AI利活用ガイドライン」を作成して一般公開しています。すでに利用されているものだけに、自社の生成AI活用ガイドライン作成等に役立てたり、社員に参考資料として配布したりすることができるのではないでしょうか。この分野についてもぜひ、視野を広げてみることがおすすめです。

 2.生成AIに関する情報収集のヒント

今後も情シスにとって、生成AIに関する情報収集は欠かせない業務の1つになることでしょう。しかし、その変化は早く、どのように情報収集していくべきか迷う場合もあることでしょう。ここでは、改めて基本的な情報の種類と特徴を整理してみましょう。情シスが日々接している情報は下記のように分類できます。 

 ①公共性の高い情報、中立的・客観的な情報
 ②加工・編集された情報
 ③先進性の高い情報
 

それぞれの特徴やメリット・デメリットを知ることで、情報に振り回されることなく、有効に活用できるようになります。

生成AIで言うならば、先に挙げた官公庁や自治体などが公表している情報は①となります。客観性や公平性を期している情報なだけに、自社に必要な情報を見つけるには慣れが必要です。メディア記事や企業の資料の元情報・出典となっている場合もあります。 

一方、アンケート結果でも上位となっていたのは、生成AIに関するニュースや動向などの情報収集が行いやすい②ではないでしょうか。企業やメーカー、Web記事などの情報は手に入りやすい、読みやすい、わかりやすいという反面、何らかの意図が含まれている場合があります。(実は、このnoteも②に含まれています!)

③の先進的な情報というと、SNSやYouTube、情シス関連コミュニティなどでの先鋭的な情報が思い当たるかもしれません。リアルタイムな情報が得られる反面、断片的な情報・体系的ではない情報も多いため、活用するにはある程度の知識が求められます。

これら情報の詳しい特徴については、下記のシリーズコラムを参考にしてみてください。世間にあふれる情報が、整理しやすくなるのではないでしょうか。

 おわりに

今回は、情シスが生成AIの情報収集に何を活用しているのかをアンケート結果をもとに紹介するとともに、情シスのこれからの情報収集活動のヒントとなる内容をご紹介しました。
これからも、本noteや情シスレスキュー隊では情シス業務と生成AI活用に役立つ情報を提供していきますので、ぜひ、ご期待ください。 

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また、ソフトクリエイトは「情シスレスキュー隊」にて、情シスに役立つ様々な情報を発信しています。こちらもぜひご覧いただき、情シス業務にお役立てください。

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