見出し画像

Windows 10 サポート終了とWindows 11 移行の新任情シス向け基礎知識

Windows 10 のサポート終了が2025年10月に近づく中、多くの企業がWindows 11 への移行を進めています。今回は、Windows 10 サポート終了と Windows 11 移行の基本的な情報を紹介します。なお、このnoteは主に中堅・中小規模の企業の新任情シスや兼任情シス向けの内容です。


1. Windows 10 はなぜサポート終了するのか?

2015年にリリースされた Windows 10。そのダウンロード販売は2023年に終了していましたが、2025年10月にサポートが終了しようとしています。

Windows OS はこれまでも時代の変化に合わせて新たなバージョンをリリースしてきました。Windows 11 も、昨今、脅威が増しているサイバー攻撃への対策強化や、リモートワーク対応など最新のデジタル環境に適応するためにリリースされています。Windows 11 では最新のセキュリティ要件や技術革新に対応する設計となっており、Microsoft は早期の移行を推奨しています。
 
<関連記事>

2. Windows 11 に移行しないと、どうなるのか? Windows 10 を使い続けるリスク

Windows 10 のサポートが終了した後も、Windows 10 を引き続き利用することはできます。しかし、Microsoftが無料ソフトウェア更新プログラム、テクニカルサポート、セキュリティ修正プログラムの提供を終了していますので、それにともなうリスクがあります。

その中で最も重要なのがセキュリティ対策上のリスクです。サポートが終了しても Windows 10 のままの状態だと、昨今たびたびニュースになっているランサムウェア被害などサイバー攻撃への脆弱性が高まること挙げられます。これは企業にとっては深刻なリスクとなります。

<関連情報>

もう1つ重要なのが、OSに関するリスクです。Windows 10 に不具合が生じた場合に修正対応やサポートを得ることができない、新しいアプリケーションやデバイスの動作が保証されないといった懸念点を常に抱えることになります。場合によっては業務やサービス提供が止まってしまうなど、ビジネス上のトラブルにつながる可能性も否定できません。

3. 移行計画を立てて段階的に移行することが必要

Windows 10 から Windows 11 への移行は、段階的かつ計画的に実施する必要があります。ここでは移行の全体像とポイントを紹介します。

①会社全体のPC台数やOSの状況把握

社内で所有する全てのPCの台数、移行対象となる Windows PC の台数、利用しているアプリケーションなどの詳細を把握します。

②互換性チェック

移行対象となる Windows PC のスペックを確認し、Windows 11 の最小システム要件(CPU、メモリ、ストレージ、TPM 2.0など)を満たしているかを判断します。また、現在使用しているアプリケーションが Windows 11 環境でも動作するかを確認します。

③移行計画の策定 

Windows 11 への具体的な移行計画を定めます。計画は企業規模やPC台数、組織のあり方により異なりますが、Microsoft が提供する情報などをもとに汎用的な流れを紹介します。

 1)現状分析
社内の全PCリストからWindows 11 移行対象となるPCを選別。アップデート可能な Windows 11 互換機、入れ替えが必要なPCに分類。
 
2)計画策定
先行して導入する部署や台数トラブル発生の際に対応するための時間なども考慮しながら、全社移行完了までのスケジュールを定める。
 
3)パイロット導入開始
少人数の先行グループから Windows 11 への移行をスタート。この段階で課題を洗い出し、移行マニュアルやヘルプデスクの整備も進める。
 
4)段階的に展開
優先度の高い部門から順に移行。必要に応じマニュアルの更新やトレーニングなどを実施。
 
5)全社展開完了・Windows 11環境の運用へ
Microsoft は「Windows 11 と Windows 10 は共存できるように設計」され、「共通のセキュリティ機能と管理機能が提供」されると述べている(※)。しかし、しかし、あらゆる機能やサードパーティ製品などが互換性があるわけではないので注意が必要。

※「Windows 11 の展開計画: 企業向けのベスト プラクティス」より

4. 効率的な移行と、新しい Windows 11 運用管理のヒント

Windows 11 環境では、クラウドサービスを活用することで手間のかかるPC運用管理を効率的に行えるようになっています。これまで手間のかかっていたキッティングやアップデート作業の負荷も軽減することが期待されています。 

これまで、PCキッティングはPCイメージをもとにデバイス展開するのが一般的でした。しかし、Windows Entra IDに参加するPCであれば、Microsoft Intuneを活用することで、設定が容易に行えるようになります。さらに、いくつかの追加設定が必要ですが、Windows Autopilotを活用することでデバイス展開の自動化も実現できます。

こうした新たな時代の管理方法へと転換することは、PC運用管理モダナイズ(モダナイゼーション)と呼ばれています。Windows 11 移行をきっかけに、PC運用管理モダナイズに転換していくことも一案でしょう。

 <関連記事>

5.おわりに

今回はWindows 10 から Windows 11 への移行の概要と一歩進んだPC運用管理のヒントを紹介しました。まずは、Windows 10 をサポート終了後も使い続けることのリスクを把握し、脅威を未然に防ぐリスク回避のためにも速やかな Windows 11 移行がおすすめです。また、移行作業に自社内のリソースだけでは困難な場合にはアウトソースを活用する方法も検討してみてはいかがでしょうか。

<関連情報>

また、ソフトクリエイトは「情シスレスキュー隊」にて、情シスに役立つ様々な情報を発信しています。こちらもぜひご覧いただき、情シス業務にお役立てください。


いいなと思ったら応援しよう!