携帯電話って2台も必要? 〜社用携帯をBYODにした社員から色々聞いてみた
前回のnoteでは、業務用の携帯電話をどのようにBYODにしたか、取り組みの結果について取り上げましたが、今回のnoteではその中で出てきた様々な反応をご紹介します。前回の記事ではお伝えし切れなかった、「リアルな」現場の声を取り上げます。(本格的なアンケート結果は後日公開予定です)
BYOD利用者の声
まず、BYODの取り組みを開始した感想についてBYODを利用している社員に聞いてみました。ここでは、BYODを利用してよかった点や不便な点など、様々な「リアルな」声を抜粋してご紹介します。
BYOD担当者:BYODの制度って使ってる?使ってみて率直にどう?
社員:バリバリ使ってます!めちゃくちゃいいです!
さらに深掘りしてみると、メリットとデメリットを教えてくれました。
BYOD担当者:どんな点がめちゃくちゃいいのか、お手すきで教えて。
社員:
■メリット
・携帯2台を持たなくていい
・2段階認証の際にわざわざ会社用のiPhoneを出す必要がない
・充電を2台管理しなくてはいけなかったが、1台でOK
・会社用のiPhoneに電話がかかってきたが、バックの中に入って電話に出られないことがあったが、1台でいじっているので見落とさない
・PCもSIMなので、テザリングの必要もないので、会社用のiPhoneが必要ない
■デメリット
プライベートか会社の電話かがわからない時がある
※電話帳アプリにアドレスがなかった場合
データ通信量や通信速度についてのコメントもありました。
外で作業することも多いですが、Teamsとメールなどができれば、低速モードでも普通に利用できます。データ通信量が多い方だと足が出るかもですが、私のプランであれば問題ないです。
この利用者は次の点がデメリットと感じているようです。
しいて言うと、ショートメールができないのでそこぐらいが難点だと思います。
また、導入した電話帳アプリについて、率直な意見をくれた社員もいました。現場で利用しているだけあって利用実態が目に浮かぶようです。
だけど、電話帳アプリが非常に使いづらいですね。笑
・お客様から着信きてもそのまま折り返しできないので、わざわざアプリ内で検索し直すのが面倒。。
・SMSも利用できないので、「電車なので折り返します」「ギリギリに到着になりそうです」とかをメーカー同行のときとかにできない。笑
補助金の4,000円/月で、現場はどう変わったのか
ソフトクリエイトでは、BYODを利用するとデータ通信費補助、端末購入費補助として毎月4,000円を支給することにしています。この補助費により、社員の「懐事情」や現場はどんな変化があったのでしょうか。
まず、これは意外な話でしたが、4,000円を通信量の足しにするだけではなく、自身の携帯電話のプラン見直しのきっかけにしたようです。例えば、月々の通信量が4,000円に収まるように、通話プランや「ギガ」の容量などを見直したという声がいくつかありました。
一方、4,000円の支給により、経理担当の負担が増えたのではないか?という懸念もありました。そこで、BYOD担当者(情シスです)が、社内の経理・給与担当者にTeamsで質問したところ…。
BYOD担当者:ところで、BYOD支給が始まって負荷どんぐらい増えちゃったかな…大変じゃなかったら嬉しいんだけど
経理担当者:業務的には負担にはなってないです!
特に負担はかからなかったようで安心しました。給与支給系の業務はこれに限らず定常的にあることなので、すでに手順化、定型化されていて、追加で業務が発生するという認識はないからだと考えられます。
BYODで、総務担当者の負担は減った?
それでは、業務用の携帯電話を管理する総務担当者の負担は減ったのでしょうか。総務担当者に聞いたところ、丁寧に回答してくれましたので内容をかいつまんでご紹介します。
BYOD担当者:BYODで、ケータイ関連は大変になった?楽になった?どっちもあると思うけど、トータルでどんな感じです?
総務担当者:今のところはトントンですね。
「トントン」とのことですが、まずはプラス評価についても教えてもらいました。
総務担当者:楽になった点は、新人が最初からBYODであることです。端末をまとめて手配しなくても良く、当初予定から配属部署が変わっても回収する必要がないのが良いです。
マイナスの方はどうでしょうか。
総務担当者:面倒なのは、BYOD申請を出しても、なかなか端末を返してこない社員がいて、しょっちゅう催促しないといけないこと。上半期(2020年4月〜9月)は在宅勤務があったりしたので、今後はそうそうないことだとは思いますが…
上記が、そのやり取りのチャットです。
まとめると、BYODにより携帯電話の管理業務の負荷は軽減できましたが、回収が追い付かない実情があるようです。しかし、「今後BYODの割合が増えて、総務で管理する端末が減ればもっと楽になりそうだとは感じています。」とのことなので、BYODが浸透すれば、トントンから徐々にそのメリットを感じる機会が増えるのではないかと思います。
オンオフの切り替え、どうしている?
私用の携帯電話を業務用として使うことで、業務時間外の着信やメールも受け取らなければならないことになります。BYODを利用している社員の感想を見てみましょう。
取引先に携帯番号を公開しているが、コアタイム時間のやり取りなので気にならない。
メールなどは通知をonにしているので週末もチェックはしてしまう。
※通知オフにはしていない。
社員それぞれのスケジューラに「営業時間外」や「休暇」の設定をできるようにしていますが、設定しても通知は来るので、業務時間外は通知をオフにするなど、業務用とプライベートのアプリケーションを切り替えることが必要になります。結局のところ、勤務時間外の着信対応については、今後も考えていかなければならないところでしょう。
BYODで、携帯電話の紛失は減った?
詳しい記録があるわけではありませんが、これまで、業務用の携帯電話を紛失したけれど個人の携帯電話は紛失しなかった…というケースが何度かありました。BYODにしたことで、携帯電話を失くす事故が減るのではないか、という期待もありました。
しかし現在、BYODが携帯電話紛失に効果あるかどうかについてはまだ明確な結論が出ていません。幸いなことに、BYOD実施以降、携帯電話を失くしたという報告がほとんどないため、比べることができていないのが現状です。
ほかにも…こんなトラブルがありました
BYODにした結果、「こんなトラブルがあった」という報告がいくつかありました。だいたいは些細なものですが、参考までここでいくつかご紹介します。
・着信があり、友達だと思って気軽に応答したら取引先だった。
・顧客と長時間、電話打ち合わせをしたが、実は自分の電話番号で通話料金が自分持ちになってしまった。(通話アプリを用いることで、通話料金は会社負担となります。前回コラムの「1.業務用の電話番号を端末に追加した」を参照してください。)
・自宅にインターネット回線(高速回線)があるかないかで利用環境が異なるので、あっという間にテザリングでデータ容量(ギガ)を使い切ってしまう。
こういったトラブルは、BYODをする限り避けられないものかもしれませんが、社員が使い方に慣れる部分と、企業側で最適な解決策を見出して折り合っていくことで、快適な環境で利用できるようになっていくものと思います。
さいごに
今回のnoteでは、業務用携帯電話をBYODにした際の社員の反応を中心にご紹介しました。2021年に入り、さらにBYODを推進するプロジェクトをはじめました。そのプロジェクト内容と本格的なアンケート結果は後日公開する予定です!
なお、BYODを導入に関する具体的な内容やどんな事をしたのかについては、前回のnoteにまとめましたので、読んでいない方はぜひご覧ください。
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携帯電話って2台も必要? 〜業務用の携帯電話をBYODにした話〜