見出し画像

PC調達担当情シスの必須知識…購入・リース・レンタルの違いとは?

情シスがPCを調達する際、一般的に「購入」、「リース」、「レンタル」のいずれかの方法から選ぶことになります。それぞれの違いを理解することは、自社に合ったPC調達方法を採用するためにも重要です。今回は、購買・レンタル・リースの違いについて整理しました。
なお、このnoteは主に中堅・中小企業の新任情シスや兼任情シス向けの内容です。

1. PCの購入、リース、レンタルを比較

企業や組織で業務に利用するクライアントPCの調達は、情シスの主要な業務の1つです。PCを調達する時、情シスは購入、リース、レンタルいずれかの方法を選ぶことになります。それぞれの違いを整理してみましょう。

まず「購入」は、任意のPCを選定し購入すること。PCの運用・保守、廃棄までのライフサイクルを自社の責任で管理する必要があります。なお、財務上は自社の資産として計上することになります。

「リース」は、主にリース会社が用意するPCを、契約に基づき一定期間のリース費用を支払います。一般的なリースでは自社資産として計上されます。

「レンタル」は、レンタルPC提供企業が設定する中で、任意の期間、PCを利用できるサービスです。初期コストがあまりかかりませんが、レンタル期間の間はレンタル費用が発生します。財務上は経費として計上されます。PCを所有から利用に転換する、PCのサブスクリプションサービスということができるかもしれません。

それぞれの詳しい内容は、下記の比較表にまとめましたので、自社に適する調達方法をチェックしてみてはいかがでしょうか。

ノート7-図1

※ PC レンタルサービス with ライフサイクル(ソフトクリエイト)の場合

2. PCの購入、リース、レンタルのメリット、デメリット

次に、PCの購入、リース、レンタルそれぞれの運用管理面でのメリット、デメリットを整理します。PCライフサイクル管理業務の流れに沿って見ていきましょう。

まず「購入」では、自社資産となることから、自由度が高い点がメリットとして挙げられます。しかし、調達時の費用が大きい点、導入や運用・管理、廃棄までライフサイクル全般にかけて情シスが責任を持って管理する必要があり、労力がかかる点がデメリットです。

ノート7-図2

「リース」は、初期コストが少なくて済み、リース期間中の保守やデータ消去などがリース会社に依頼できる場合もある点はメリットです。一方で、審査の際の手続きが必要になること、リース費用が購入費よりかかる場合があること、リース終了後に現状復帰が必要になる場合がある点などがデメリットとして挙げられます。

ノート7-図3


「レンタル」は、初期コストが少ない点、期間は任意に設定できる場合が多い点がまずメリットとして挙げられます。また、レンタル期間中に代替機利用やヘルプデスク利用など、情シスの運用管理業務をアウトソースできる場合があります。デメリットは、レンタルPC提供企業が用意するPCを利用しなければならないことから、求めるPCがレンタルできない場合があること、レンタル費用が割高に感じられやすいことなどが挙げられます。しかし、費用については単に直接コストのみではなく、情シスの管理費など間接コストも含めて総合的に考えることがおすすめです。

ノート7-図4※ PC レンタルサービス with ライフサイクル(ソフトクリエイト)の場合


3. PCの購入、リース、レンタルを「管理コスト」で考える

PC購入、リース、レンタルのうち、コストメリットが大きいのはどれになるのでしょうか。これは単に、購入の費用と、リース費用やレンタル費用など直接コストの合計で比較すればよいものではありません。情シスの運用管理にかかる工数(いわゆる見えないコスト、間接コストとも言う)も考える必要があります。そこで、購入、リース、レンタルそれぞれの、調達から3年間の直接コストおよび間接コストの変遷イメージを見ていきましょう。

「購入」では、PC購入時の初期費用が大きい割合を占めます。運用管理や修理にかかるコストは時間の経過とともに増加していくものと考えられます。また、昨今、OSなどが求めるPCスペックが年々増加する傾向にあります。その結果、年次が経過したPCだと処理が遅い、アップデートに時間がかかるなど、機会損失や生産性低下につながる可能性もあります。

「リース」は、初期費用が大きくかからないものの、一定期間のリース費用を支払うことになります。その合計金額は購入費用よりも多くなる可能性があります。管理費や修理費用はリース企業によりますが、情シスが運用委託できる場合もあります。

「レンタル」もリース同様、初期費用は大きくかからないものの、合計金額が購入金額を上回る可能性があります。修理はレンタル費用内で代替機が利用できたり、借り換えができたりする場合もあり、その場合には管理費だけではなく、情シスの工数も軽減可能です。

ノート7-図5(図は実際の費用を反映したものではなく、費用の変遷をイメージしたものです。)

おわりに

このnoteでは、PCの主要な調達方法である購入、リース、レンタルの違い、メリット・デメリット、管理コストの考え方をご紹介しました。ぜひ、自社のPCライフサイクルに適する調達方法を検討する際のヒントにしてください。

<PCライフサイクル管理業務の関連情報>


また、ソフトクリエイトは「情シスレスキュー隊」にて、情シスに役立つ様々な情報を発信しています。こちらもぜひご覧いただき、情シス業務にお役立てください。


いいなと思ったら応援しよう!