回想録 2才ミシェル

 2才
一緒に住んでいた叔母のさっちゃんが羨ましかった。

さっちゃんはね
さちこって言うんだ
ほんとはね

さっちゃんには歌がある。さっちゃんはね、で始まる歌が。

わたしにもあったのに。わたしの名前で始まる歌が。

ここでは誰も歌ってくれない。
誰もわたしを呼んでくれない。
わたしのことをみてほしい。
誰かわたしに気付いてほしい。

ミシェルマベルと歌ってほしい。
ミシェルマベル、マイミシェル。

原田真二さんのキャンディが、すごくミシェルと似てるから、聞いていると、今がどこかがわからなすぎて、幼少期の危機だった。


ごめんなさい
ありがとう
ゆるしてください
あいしています

とても忘れられないよ
なんて幸福のなかにいた。

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