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2014年 ___(東京の一等地の地名)駅近くのビルの一室にその人はいた。 化粧品の会社、プロスポーツ選手の施術と生活マネジメントをする会社、さらにエステ店を経営しているやり手の社長さん。 そして彼女はシャーマンだった。 美容施術の一環として。(?) 遠隔でまつ毛を伸ばしたり、顔の輪郭をきゅっと小顔にしたり、エネルギーだけでクライアントを痩身させることを得意としていた。 特にまつ毛はお得意らしく 「くるんっ!!とするのよ〜〜パーマみたいに。見る間にぎゅんぎゅん伸びる
冬の池に落ちた後 https://note.com/infortune128/n/n2eb5c41ccede?magazine_key=m36b92df160b6 わたしはもう、早々にいろんなことを諦めて、とにかく大人になろうとした。はやく大人に。はやくはやく。 そして、ものすごく覚えている。 「選択」をした日のこと。その瞬間。 わたしは赤ちゃんの声がわかったし、会話ができた。周りの人の出さない声が聞こえていた。 家のお菓子は押入れの上、みえない場所に置かれていて。
わたしの母は、わたしを産んで身体を壊した。 入院して離れていたから、可愛く思えなくなったと言ったけど、本当はそうではない。 嫌だったのだ。わたしが横入りした日から。 実際に、かなりの負担だったとも思う。 母は お腹の子に" 和枝ちゃん" と名前を付けて、それはそれは可愛がっていた。 和枝ちゃん、元気ですか? 和枝ちゃん、暑くないですか? 和枝ちゃん、会いたいです。 大好きな和枝ちゃん。妊娠がわかった日から、群青色の万年筆で、毎日日記を書いていた。 文通みたいに、話し