回想録 17才まるで野戦病院
17才
部屋を借りる前の少しのあいだ
戦後すぐに建てられた、当時はモダンな鉄筋住宅。このあたりで一番古く、また高い。
駅裏の目立たぬ場所にある3階建てで病院にあるような屋上が付いていた。
まるでここは野戦病院。ここだけは聖域であるという、たなびく旗がみえるようだった。
ふた部屋が向かい合わせになっているタイプの造りで、唯一の向かいの部屋には借金とりが頻繁に来ていた。怒鳴り声は筒抜けで、うちのドアも凹むほどには何度か蹴られた。
(まだ病院や学校の保護がある段階で、なぜ