2年を超えるコロナ禍で日本人は何を学んだのか?
一年も前の2021年4月29日にアメリカ『サイエンス』誌の発表で、
パーティションは感染予防に無効なだけではなく、むしろ危険だと
言われている」ことがわかっています。
根拠となるのは、例えば、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の
研究チームは、フェイスブックを通じて収集した214万2887人の
データを分析し、学校などでの遮蔽物の利用が感染リスクを高めて
いたという事実を発表しました。
さらに、『サイエンス』誌は2021年8月27日に公開した
「呼吸器ウイルスの空気感染」という論文を引用し、「屋内空間での
咳やくしゃみからの飛沫を遮断するために設置された物理的な
パーティションは、気流を妨げ、呼吸ゾーンでより高濃度の
エアロゾルの落とし穴になっている可能性があり、むしろかえって
コロナの伝播を増加させる要因になっていることを示しました。
『サイエンス』誌は世界最高峰の科学誌で、論文が掲載されるには、
相当なエビデンスが求められることで、世界中から非常に信頼されて
います。
ところが、日本においては、日本産業衛生学会が2020年度に
「アクリル版などの遮蔽物をテーブルに設置する」ことを
推奨していました。そのため飲食店ではほぼ、100%に近く
アクリル板がパーレーションとして利用されています。
さらに、現在でも、政府広報「新型コロナウイルス対策
『2022春の感染拡大防止』篇」でアクリル板によるパーティションの
使用を推奨しているのです。
これは、権威ある科学誌が感染リスクを高めると警鐘を鳴らしている
行為を、そのリスクについて言及せずにかえって推奨している事実を
どう解釈したらいいのでしょうか?
アクリル板の他に公衆トイレにおけるハンドドライヤーの使用中止も
まったく意味がないことが厚生労働省自身も発表しているのに相変わらず
使用停止が続いています。
科学者や政府は、国民に対して正確な事実を紹介したうえで、
国民が自ら判断することをサポートしなければならないにも
関わらず、まったく機能していない実態が明らかになっています。
新型コロナウィルスは、エアロゾルによる空気感染であることが
わかってきたのに旧態依然たる対策に終始していることを個々人が
もっと認識するべきです。
また、夏場の高温多湿の屋外でのマスク着用は、熱中症のリスクを
高めるだけで意味がないどころか、危険です。
特に、運動中のマスクは子どもたちにさせてはいけません。もっと
啓蒙活動を厚労省や文科省が率先してやらないとダメですね。