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「Do'nt think Feel」
「考えるな!感じるんだ」という言葉はあの有名なブルース・リーの
言葉なのですが、ひとり歩きしているきらいがあります。
「あれこれ考えずに感じるままに動け!」と解釈している人が多い
のですが、これでは表面的で彼の真意とはかけ離れています。
その真意とは、
いざというときに感覚だけで動けるように、普段考えまくってしっかり
準備をしておけという意味なのです。決して考えることを放棄することで
はありません。
その後に続く言葉を見るとよくわかります。
「それは月を指差すようなものだ。指を見てちゃ栄光はつかめないぞ!」と
言っているのです。
つまり指を見ていても、月は見えません。月という真実を見据えれば、
言葉がわからずとも真実にたどり着くことができるということ。
まるで禅問答のような深い含蓄を含んだ言葉なのです。
Don’t think Feelの意味は、ここぞという本番の瞬間に、自意識である
指ではなく、真実である月を見ろということ。
真実を見つめるということは、人生に例えると目標(ゴール)設定を
明確にするということで、ここで言うところの月を意味します。
指はその手段で、目標がハッキリしていないと手段のとりようがが
ないのです。
ゴールや結果にフォーカスすることで達成することができるのです。
ゴール設定 = 真実にいたる道
そしてまた戻ってきてしまうのですが、ここぞいう本番はFeel、つまり
感じないといけないとまるで禅問答と言ったのはまさにこのことなのです。
その境地に達するためには、日頃から考えて考えて考えを重ねないと
だめなのだと言っているのです。その思考の連続を積み重ねた先が、
ここぞという場面のFeelにつながるとブルース・リーはいみじくも
述べています。
一流のアスリートも同じ経験をしているのではないでしょうか?
考え抜いて考え抜いた先にふと、感じる瞬間があることを・・・
五輪書を書いた宮本武蔵のような剣豪も勝負のときに一瞬の無の境地
から繰り出した自然の技を体得していたからこそ、勝負に負けなかった
のではないでしょうか?
そんなことをこの年の瀬の押し詰まった年末にブルース・リーの言葉の
深い意味を知ることによって考えるきっかけをもらいました。
無我の境地、禅、剣の道、格闘技など東洋の深遠な境地をあらためて
感じたしだいです。ある言葉だけを切り出してわかったふりをしては
いけません。自戒を込めて・・・