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新年初の映画レビュー「Voice of Love」
新年、一発目の映画はセリーヌ・ディオンの半生を事実に基づいたアーティスト作品です。ノンフィクションではありませんが、ほぼ伝記にに近いエピソードで埋め尽くされていました。
実際には、監督兼主演の女優、ヴァレリー・ルメルシエさんの圧巻の映画に仕上がっていました。セリーヌの名前はアリーヌ・デューという架空ですが、ほぼ忠実に描いていたということ。だからフィクションではありますが、説得力のあるシネマと言えます。
劇中の楽曲歌唱は仏で現在活躍している歌手ヴィクトリア・シオによるカバーであることが、他の方のレビューで判明いたしました。
てっきり主演の女優が歌っているものと思っていました。歌唱力がハンパでなかったのが印象的です。セリーヌの歌声にそっくりだった。
14人兄弟の末っ子として12歳ごろから抜群の歌唱力で将来を嘱望されて愛情溢れる家庭で育ったセリーヌがプロデューサー兼マネージャーのギィ=クロード・カマラウとの純愛の末に結婚して結ばれるシーンもなかなか微笑ましかった。
これは、映画上の演出だとは思いますが、アイスクリームの中に婚約指輪のダイヤモンドのリングを見つけるプロポーズシーンは最高でした。
彼女の最大のヒット曲でタイタニックの主題歌、「My heart will go on」は
グラミー賞、最優秀レコード賞受賞曲した名曲ですが、本人は最初に楽曲を
提供されたときには嫌っていたというプチユーモアのエピソードも思わず、笑っちゃいました。
自分の大邸宅で部屋数が多すぎて迷子になっているシーンも思わず笑っちゃいました。これもおもしろエピドードの一つです。
惜しむらくは、英語版の「All by myself」を最後まで歌ってほしかった。
ちなみに、フランス語版は歌い上げていましたが・・・
全体的に今までのアーティストの半生を描いた映画、Queenやアレサ・フランクリンのリスペクトなどに比べると強烈な不幸体験は少ないように感じました。やはり、愛すべき夫の存在が大きかったのでしょう。
世界的な有名歌姫としての葛藤は、かなりのものだったのでしょうが、アルコールや薬などに溺れることもなく、愛のある人生を歩んでいるように感じました。両親の愛と14人兄弟の絆のたまものなんでしょう。
最後にエンドロールで2曲流れて終わるのですが、エビデンスはありませんが、セリーヌ自身が歌っているのではないかと勝手に思っています。歌声に聞き惚れてしばらく席を立つことができませんでした。