モンスター神アプリ!登山ファンが使っているYAMAPとは?
日本生産本部の「レジャー白書2021」によると、日本の登山人口は
約460万人です。これを多いと感じるか、少ないと感じるかは別にして
この登山人口の65%がYAMAPというアプリの利用者です。
ところで、YAMAP(ヤマップ)とはいったいどんなアプリなのか?
登山中の遭難原因の40%を占める「道迷い」を回避するYAMAPは
スマホのGPS機能を利用することで、電波の届かない山の中でも
現在位置を知ることができるアプリのこと。
登山者の位置情報が山岳警備隊などの遭難者の捜索・救助活動に
活用されることもあり、「山のインフラ」になっている事実が
あります。
そして、ここが神アプリである真骨頂。
何と、300万人ユーザーのうち20%の60万人が有料会員なのです。
月額480円を支払って有料会員「YAMAPプレミアム」になると
「到着時刻予測」や「ルート外れ警告」などの機能が付加されます。
一般にアプリの有料会員比率は3〜5%で成功と言われているのですが、
このアプリの有料比率は驚異的に高い数値となっています。
あなたもスマホにも必ずなにがしかのアプリが入っているでしょう。
その中でも有料のものはいくつあるでしょうか?
きっと無料のアプリがほとんどではないでしょうか?
特にAndroidユーザーのアプリは無料のがほとんどです。
どうして、このような高い有料会員率を維持しているのでしょうか?
2013年のアプリローンチから9年間、過去の登山ルートや写真などを
シェアする「活動日記」という機能でシェアされたコンテンツが地道に
蓄積された結果、それがユーザー同士のつなりというコミニティに
発展していったのが要因です。
山の魅力やアウトドアの楽しさを発信しても、その力には限界が
あります。460万人の登山愛好家たちが自分たちの趣味を誇りに
思ったり、自信を持てたりするような環境を作り、日々の登山の
記録をユーザーと共有することができるコミュニティの存在が
登山人口の増加に必要だったのです。
登山というと、どうしても「高齢者の余暇の楽しみ」というこtで、
極めてニッチな市場です。登山人口もまだ460万人しかいません。
ただし、ニッチだからこそ、そこに集まる人たちには熱量が高い
と言えます。
さらに、登山道整備や植樹を通した山の再生などにも挑戦して
いければもっと山の素晴らしさを再認識してもらうことができて
登山人口も増えていくことでしょう。