やせ薬が承認されたみたいですよ!
2023年1月27日、厚生労働省の専門部会はGLP‐1受容体作動薬の
セマグルチド(商品名ウゴービorリベルサウ)を、肥満症の治療薬と
して承認することを了承しました。
つまり、健康保険の3割自己負担で医療機関から処方できるということ。
健康保険の対象になるということでかなり話題になっています。
米国では昨年の6月からFDA(アメリカ食品医薬品局)でも認められた
ばかりです。
もともとは糖尿病の治療薬として使われているセマグルチド
(オゼンピック)と同じ成分で、これが痩せる効果にかなり有効で
あることがわかったことで承認されたようです。商品名ウゴービor
リベルサウという名称で飲み薬もありますが、承認されるのは皮下
注射薬で、週に1回投与するタイプのようです。
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬を使ったダイエット
に関して、セマグルチドは非常に有効な薬とのこと。
脳の食欲に関わる部分に働いて食欲を抑えたり、腸の動きを抑えたり
することで、減量効果をもたらすとされています。
外科的な療法で、胃の一部を切除して細長くし、食事摂取量を制限する
肥満手術は以前からありましたが、体重減30%ところ、セマグルチドは
その効果の半分、15%くらいの体重減少があるとされています。
ただし、処方にあたってかなり制限があります。
肥満症のなかでも、高血圧や脂質異常症、または2型糖尿病のいずれか
があって、かつ食事療法や運動療法を行っても十分な減量効果がみられ
ない人が対象です。また、BMIが35以上の人で肥満による生活上における
不具合認められる人に限られます。
気になる副作用としては、悪心(気持ちが悪くなる)や嘔吐、便秘、
下痢などの症例があるとのこと。用量が増えればそれだけ副作用が出や
すかったり、強くなったりするかもしれません。
オンライン診療などで先に挙げた対象者以外の人が使うのではないか
という問題提起をする専門家もいます。
そして、一回の処方が1万円以上になるので、3割負担としても毎週、
注射を打たなければならないとなると負担が大きい。
また、処方をやめてしまうと体重が増加してリバンドがすることが
報告されているので一生薬をやめられなくなるという弊害があります。
それでもやせ薬として不適切に処方されるケースは増えていくのでは
ないかと懸念されています。特に飲み薬になったらなおさらです。
保険診療が認められるということはお墨付きを得たことになり、余裕が
あれば、処方する人が増えるのが道理でしょう。