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現在、日本と韓国の関係が最悪ですが、その韓国に見習うべきは食生活だ!
日本を含むアジアの発展途上国では、急激なグローバル化された
食生活が伝統的な食習慣をあっという間に席巻してしまいました。
たとえば、ハンバーガーなどのファストフードの流行、ポテトチップ
などのジャンクフード、甘い炭酸飲料は、日常的に子どもたちが
摂取しています。
食のグローバル化ににともなって、野菜の消費量が少なくなって
いる事実は非常に憂慮すべき状況です。厚生労働省も野菜は一日
350g以上摂ることを推奨しているぐらいです。
しかし、いったいひとり350g以上野菜を食べている家庭がどれほど
いるかちうとはなはだ疑問です。
ところが韓国では、野菜の摂取量が減っているどころか、増えて
います。韓国は昔から伝統野菜をいろいろな調理法で食す習慣が
ありました。たとえば、ナムルという料理は、ホウレンソウ、
豆もやし、人参、ぜんまいなどをごま油とすりおろしたニンニクで
あえてつくる韓国家庭料理の定番常備菜です。
肉類の消費量もGNPの増加にともなって確実に増えてきていますが、
発酵食品であるキムチを筆頭に、伝統的な野菜の消費は減っていません。
地方では今も300種類以上の野菜が食べられています。それぞれ風味や
食感が珍重されています。
韓国が一気に貧困を脱して裕福になり、新たな国際市場に開かれた
ことを考えれば、やはり韓国でも砂糖や脂肪、加工食品の多い
肥満食に移行しても不思議ではないのですが、韓国人の肥満度は
他のアジアの諸国より低いことがわかりました。
そう言えば、韓国人は男性でも女性でもあまり肥え太った人を
見かけないように思えます。
韓国人は、野菜を単に健康にいいものというよりも、おいしいもの
という概念で考えているようです。韓国人は多彩な野菜を特に
好む民族と言えます。韓国で外食したときに副菜として出てくる
野菜が多く、お代わり自由だったことに驚いた経験があります。
韓国人は健全だが、何かと欠乏しやすい過去の食生活と豊富だが、
不健康極まりない現在の食生活の間で、自分たちなりの中道を
歩んでいるように感じます。
韓国が野菜好きの食文化を維持できた理由が、もともとの野菜好き
以外にあげるとすると、政府が積極的にこのグローバル化した
栄養転換の嵐から国民を守るために率先して行った種々の政策が
功を奏したことが大きいのではないでしょうか?
つまり、自国の伝統的な料理を守るための地道な努力を重ねて
きた賜物と言えます。
たとえば、一般家庭に発酵大豆食品、キムチなどの伝統料理の
作り方を教える無料のワークショップを開催したりしました。
さらに、マスメディアも地元食品の販売促進に積極的に協力し、
テレビ番組などで、地元食品の品質の良さ、自家製農作物や
地元農家を支援する利益などを強調しました。
このようなことから、子供たちはジャンクフードや炭酸飲料の
宣伝に影響されることなく、地元食品の利点を説く政府公認の
メッセージをしっかりと受け取って、健康的な食生活を維持
できる下地ができたのです。
これらのことは、日本が韓国に見習うべきことのひとつである
と言えます。