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苦労や努力が「貢献度」として実感できる環境 <FP開発部GP開発2課 髙木肇>

インフォマートの開発部門のメンバーにインタビューし、開発者を職業に選んだ理由から、開発という仕事や手がけたサービスへの想いまでを存分に語ってもらうこの企画。4回目に登場するのは、入社2年目ながら「BtoBプラットフォーム TRADE」のシステムチームの最前線で活躍するFP開発部GP開発2課・課長の髙木肇。入社早々、大規模なUI改修が行われ、「予想外だった」と苦笑する一方で、それ以上に得られたものもあったという。ホテルマンからプログラマーへ、異例の転身を遂げてから約20年。現在の彼が感じているインフォマートの魅力とは?

<プロフィール>
髙木 肇(タカギハジメ)
FP開発部GP開発2課/課長

北星学園大学卒業後、ホテル勤務を経て、プログラマーに転身。SEとして数社で経験を積んだ後、2023年5月、株式会社インフォマートに入社。FP開発部GP開発2課の課長として、「BtoBプラットフォーム TRADE」の運用に携わる。現在はプロジェクトの要件定義やマネジメント業務を中心に行う。

■パソコン初心者だったホテルマンからプログラマーへ

――「だから、私は開発者」の連載も第4回目となりました。髙木さん、これまでの記事はご覧になりましたか。
はい。みなさんしっかりと意見をお持ちで、上手に答えていて、素晴らしいなと。私もそんな風に話せるのか、不安です(笑)。
 
――何か特別なことを言わなければいけないというわけではありませんので、安心してください。まずは、髙木さんが開発という仕事に興味を持ったきっかけを教えてください。
実は学生時代までまったく興味がなかったんですよ。キーボードもまともに打てないくらいパソコンが苦手でしたし、私の学生時代はそんなにパソコンに触れる機会も多くありませんでしたから。アルバイトが飲食店メインだったからかサービス業に興味があり、大学卒業後はホテルに就職して、約4年間ベルボーイやフロント業務を担当していました。その後、転職を検討していたタイミングで知人からこの業界のことを聞き、「自分の知らない世界に飛び込んでみるのも楽しいかな」と。
 
――ホテルマンからプログラマーへの転身は大きな方向転換だったと思います。当時は、プログラミングの経験や知識がまったくなかったということですよね。
そうですね。元々ゲームは好きでよくプレイしていて、「このゲームがどういう理屈で動いているか」には多少の関心はあったんです。プログラマーという話を聞いて思い出したのも、「普段やっているゲームもプログラミングで動いているんだよな」という程度のことで。当時は札幌に住んでいたので、転職を機に東京へ出ることになり、正直なところ、プログラミングへの興味よりも生活の変化と仕事の変化、新しい挑戦への興味のほうが大きかったかもしれません。
 
――26歳で新たな一歩を踏み出し、プログラマー人生が始まったわけですが、知識も経験もない状態ではだいぶ苦労されたのでは……。
最初は大変でしたね。プログラムが何なのかさえもまったくわからず、なんとかブラインドタッチができるような状態くらいからの始まりでした。就職した会社の仕事はクライアントの企業に常駐する形だったのですが、会社からは「この人はプログラミングできます」という体で送り込まれているので、「できない」とは言えない状況なわけです。自分で勉強しつつ、業務をこなしながら覚えていきました。プログラムを作ることに慣れていないため、一つひとつの作業に時間がかかるし、不具合があったときにどう対応すべきかもわからない。毎日のように終電まで働いていました。
 
――そうした経験がプログラマーとしての成長につながったのだと思いますが、「一人前になったな」と自信がつくまで、どれくらいかかったのでしょうか。
一人前と言っていいかは微妙ですが、自分で「仕事ができている」と実感するまでには、5年くらいかかったと思います。そこからはチームの管理なども任せてもらえるようになり、仕事の幅も広がっていきました。自分が思い描いたプログラムをササッと作れるようになるのは、気持ちよかったんですよね。昔はできなかったことが、どんどんできるようになることも嬉しくて。やがて後輩も増えていき、元々は素人だった自分が後輩に教えられるまでになった。そのあたりが「楽しいな」と感じるところでした。
 
――いまや開発者としてのキャリアは20年以上の髙木さんですが、インフォマートに入社する前には、主にどんな業務をしていたのでしょうか?
信号機などのメンテナンスをする会社からの委託で、販売管理や勤怠管理のシステムの開発・保守をやったり、あとは百貨店のPOS関連のシステムもやりましたね。数年で次のクライアントに移る人も多いのですが、私はそれぞれの会社で約10年働いていました。でも結局はクライアントにマンパワーを提供する役割で、その会社の人間ではないわけです。自分の仕事が売り上げにどう貢献しているのか、誰かに感謝されているのか、内部の情報やエンドユーザーの反応はほとんど入ってこないので、達成感を味わえなかったんです。徐々にモチベーションを維持するのが難しくなっていき、転職を考え始めたときに、インフォマートと出会いました。
 
――転職先の候補はいくつかあったと思います。その中からインフォマートを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
インフォマートは、自社で作ったオリジナルのシステムを販売して、シェアを拡大している会社ですよね。当時私がいた会社とは真逆というか、まさに私が求めていた会社でした。こういう会社に行けば、「自分の貢献度が見えない」というモヤモヤを解消できるはずだと感じたんです。ただ確かに、「自社でシステムを作っている」というところだけを見れば他の候補もありました。インフォマートへの入社を決めた理由としては、ご縁があってお会いした今の上司の存在が大きかったと思います。「力を貸してくれ」と熱心に誘ってくださって、「ここなら安心かも」と。ここまで自分を必要としてくれる会社は、他にはないと思いました。

■苦労の先に待っていた大きな喜びとやりがい

――入社からずっと「BtoBプラットフォーム TRADE」を担当されていますが、長年この業界で仕事をしてきた髙木さんから見て、インフォマートの開発手法や仕事のスタイルはどのように見えていますか?
システムの開発や運用を長く続けてきた会社ですので、やはり体制がしっかりしていると感じます。いろんな要件が発生しても、それを取りまとめるPdM(Product Manager)がいるので、メンバーの役割が明確でプロジェクトを進めやすい印象です。実は会社によっては、みんなの話がぐちゃぐちゃで、要件の整理がうまくできないことも少なくないんです。ただ一方で、インフォマートの場合はいろんなシステムがあって、それぞれ担当が違うため、やり取りの難しさを感じることもあるにはあります。とはいえ、今の私に求められている役割は体制を変えることや新しいカルチャーを持ち込むことではなく、チームのメンバーをまとめ、導くことだと思っています。まずはそちらに注力していきたいです。
 
――開発手法でいえば、最近は従来型のウォーターフォール開発のほか、アジャイル開発という手法も取り入れられていますよね。その点はいかがですか?
新しく開発を進めているシステムに対して、アジャイル開発は間違いなく適応すると思います。しかし、「BtoBプラットフォーム TRADE」をはじめすでにできあがっているシステムに対しては、作って直して、要件をあとから追加して、というのが難しい側面もあります。インフォマートには昔からみんなが作りあげてきたシステムがたくさんありますので、どちらの手法が良い悪いではなく、「システムを大事にする」ことを優先しながら、開発方法も見直していくことが求められているのかもしれません。
 
――担当されている「BtoBプラットフォーム TRADE」では、今年3つのフェーズに分けた大規模なUIの刷新が行われたばかりですよね。
私は別にこのために誘われたわけではなく、入社したあとに大改修が控えている話を聞いたんですよ(笑)。「BtoBプラットフォーム TRADE」自体がサービス開始からそんなに経っていないので、正直「もうUIを変えるの!?」とも思いました。2024年3月の第1フェーズでは、その大部分を占める「発注管理」に伴う画面を対象に実施して、6月には第2フェーズとして「見積管理」画面を対象としました。そして9月の第3フェーズではレイアウト変更に伴う一部機能の追加や、「発注管理」と「見積管理」のデータを統合して表示するなどの対応をしました。かなり短い期間での開発だったので、どの時期にどの要件を持ってくるか、予想を立てるのがなかなか難しかったというのが本音です。
 
――要件の定義というのが髙木さんの仕事の中心にあると思うのですが、具体的にはどういった作業なのでしょうか?
たとえばそれまで「BtoBプラットフォーム TRADE」内になかった「一覧画面の検索条件を保存する機能を追加したい」という要求に対し、どこに、どのように追加するか、誰がやるかといったことを一つずつ決めていくことです。要件を詰めるところは事業部やPdMの方々とも話し合って、「検索条件の中に保存するボタンを追加しましょう、一覧画面にもその保存した内容を表示させて選択できるようにしましょう」と。そこまで決まれば、今度は開発メンバーにそれを伝えて、「新しくデータベースを作りましょう」「登録されている情報を取ってきて表示しましょう」「そのためにはこういったプログラムを作りましょう」と次のステップを決めていきます。改修のときは要件の定義からチームメンバーの管理まで工数の見積が難しく、予定に間に合わせることに必死でしたね。
 
――その苦労の甲斐もあり、さらに使いやすくなったことで、改修後もお客様の数はどんどん増えています。
「BtoBプラットフォーム TRADE」の改修にあたって、改善の要望がすごくたくさんあったのですが、裏を返せばそれだけニーズがあったということでもあります。改修後のユーザー数増加にも反映されているように、今回の改修がサービスにとって大幅なプラスになっているということがとても嬉しいです。新しい契約が取れたとか、こういう反応があったという情報がミーティングやSlackで共有されるので、転職前に感じていた「貢献度がわからない」という不満も解消されました。インフォマートで働いていてよかったなと感じています。

■過去の経験から学んだメンバーとの接し方

――現在は、リモートワークも多いと聞きました。開発のメンバーとなかなか会えないと、チームをまとめるのは大変ではないですか?
今はリモートが中心ですが、毎週金曜日を出社日にしてメンバー全員が集まるようにしています。メンバーが働きやすい状況を作るというのが私の重要な役割だと思っているので、そこには非常に気をつけています。ただ、コミュニケーションを多く取るようにするとか、当たり前のことかもしれないですけどね。毎日会っていれば顔色がいつもと違うな、何か悩んでいるのかなとわかりますが、それができないので、Web会議でも資料を読むだけでなくしっかり会話するようにしたり。仕事以外の話もできるような雰囲気を作れるように努めています。
 
――みんなが会話しやすくなるような雰囲気を作る髙木さんなりのコツはありますか?
そういうのは特にないです(笑)。ただ、自分の話を押し付けるのではなく、まずはしっかり相手の話を聞くようには心がけています。あとは、感情を出しすぎないこと。その場の空気に飲み込まれないようにするとかも気をつけています。
 
――髙木さんらしい誠実さで向き合う、という感じでしょうかね(笑)。ちなみに、開発者にとっての働きやすさとは、どういうものでしょうか。
うまく進まないことが出てきたときに、できるだけ円滑に解決に向かえるサポート環境があること、ですかね。とにかく仕事を停滞させないように、困ったことがあれば気軽に相談できることが大事だと思います。私自身、以前の職場で自分だけで問題を抱えてしまい、ワーッとなってしまった経験が何度もありますので。

■「BtoBプラットフォーム TRADE」をインフォマートの新たな柱に

――元々は自分の手でプログラミングするのが楽しかったということでしたが、今はプロジェクトやメンバーをマネジメントする立場です。今の役割がご自身にフィットしていると思いますか?
そうですねえ……。前職の最後の10年間は、今と同じでほとんどプログラムを書くことがなかったんです。もちろん開発者としての直接的な面白さを感じるのはプログラムを作ったときなのですが、今の仕事がフィットしていないかと聞かれたら、決してそうではありませんよ(笑)。UIの刷新のときも難しいことがたくさんありましたが、やりがいを感じていました。インフォマートの開発部門には、スキルの高い人が多いんです。そしてそれぞれが培ってきたものを発揮しやすい環境なのだと思います。新人もベテランも、昔ながらのものも新しいものも、うまくミックスされて新しいものを生み出せるのがインフォマートの魅力だし、開発の楽しさ。チームの若いメンバーにも、そういうところを感じながら成長してほしいですね。
 
――今後、「BtoBプラットフォーム TRADE」をどうしていきたい、という目標などはありますか。
売り上げや契約者数をさらに増やして、インフォマートを支える“新しい柱”にしていきたいです。お客様がより便利にこのサービスを利用できるよう、足りない機能があれば、順次追加していければと考えています。また、安定的な稼働の確保も大事になってきます。いまや「BtoBプラットフォーム TRADE」は企業のインフラを担うものになりつつあるので、不具合が一つあるだけでお客様には即ダメージになってしまいます。チーム内でもテストを重ねて、お客様に安心してご利用いただけるサービスの提供を心がけていきたいです。
 
――最後に、髙木さん個人で叶えたい目標があれば教えてください。
「BtoBプラットフォーム TRADE」がインフォマートの“新しい柱”になって一区切りついたら、新しいプロダクトの立ち上げにもかかわってみたいですね。せっかく新たなサービスを作るノウハウが確立された会社にいるので、ゼロから生み出すことにも挑戦してみたいです。あとはちょっと偉そうなんですが、スキル的なことも含めて開発という仕事の楽しさを次の世代に引き継いでいきたい。そのためにはこれからも自分が成長し続けることが必要ですよね。


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