「ありがとう」を伝え、「ありがとう」に応える喜び <ITIL部門ITソリューション部 伊藤>
インフォマートの開発部門のメンバーにインタビューし、開発者という職業を選んだ理由から、開発という仕事や手がけたサービスへの想いまでを存分に語ってもらうこの企画。2回目に登場するのは、2014年に新卒入社後、現在までITソリューション部に所属する伊藤。デジタル上で食材の安心・安全の管理を実現する当社の「BtoBプラットフォーム 規格書 」と、その中の重要な機能である「メニュー管理機能」の担当として活躍し続けてきた彼に、開発者としての喜びと原動力、そして10年間で実感してきたインフォマートの社風などについて聞きました。お話の中心にあったのは、「ありがとう」という言葉だったのです。
■誰にも負けないと思えるほどの自信を育んだ10年間
ーー「だから、私は開発者」のインタビュー連載の第2回目は、ITIL部門ITソリューション部の伊藤さんです。伊藤さんは2014年入社なので、今年で丸10年ですよね。
そうですね。早いものでもう10年! という感じです。入社当時は中途入社の方はもれなく年上だったのですが、気付いたら年下が多くなっていって、いつの間にか社内でも中堅になっていました。
ーー伊藤さんはIT系の専門学校を経て、新卒で入社していますが、中高生時代から「いずれはIT業界に」と考えていたのでしょうか。
中学時代に遊びの一環でパソコンを触り始めたのをきっかけに、自然とパソコンを使った仕事に興味が湧いていったんです。それで高校卒業後の進路を決める際、大学の情報工学部とIT系の専門学校で迷った末に専門学校に進んで、そこからはずっと今に至るまでパソコン漬けの毎日です。
ーー世の中には数多くのIT企業がある中で、伊藤さんがインフォマートを選んだのはなぜですか。
一口に「IT系」と言っても、家電などに組み込むシステムを開発する組み込み系や、ネットワークデータベース系など幅広い業種がありますが、私はその中でもウェブサービスを開発している企業に入りたいと思っていたんです。その上で、ポイントとしたのは「自社サービスを開発している企業」であるということ。そう考えていた時に、私が通っていた専門学校での会社説明会にインフォマートが来ていて話を聞いてみたら、まさに私の理想通りだったんです。そこからは早くて、応募をして面接を受けて、おかげさまで採用してもらえたという流れですね。
ーー「自社サービスを開発している」ということにこだわった理由を教えてください。
クライアントのシステム開発を請け負う企業の場合は、クライアント企業に一定期間常駐して、サービスの開発が終わればまた別の企業に行く、ということを繰り返す場合も多いですよね。まず私は一定期間ごとに新しい人間関係を築くことに苦手意識があったので、いろんなところで定期的に「初めまして」をするというのは想像がつかないな、と。それに加えて、できれば同じ企業で同じサービスを徹底的に追求したいという気持ちが強くあったんです。自社開発であればそれらを実現できて、真っ直ぐに開発に向き合えるのではないかと考えたんです。
ーーそれから入社後、伊藤さんは現在に至るまでずっと同じITソリューション部に所属しています。当初思い描いていた働き方は実現しているということですよね。
「一定期間で企業が変わるのは苦手」とは言っていたものの、まさかずっと同じ部署にいることになるとは想像していませんでした(笑)。ただ、温かいチームのメンバーに恵まれたこともあって、担当しているサービスに関しては、誰にも負けないと思えるくらいの自信を育ませてもらっています。
■生産者の利便性と消費者の安心・安全を
ーー伊藤さんは入社後、どのような業務を担当してきたのでしょうか。
私はITソリューション部の中でも「BtoBプラットフォーム 規格書」と「メニュー管理機能」を主に担当しているのですが、入社後はまず自分でプログラミングをしてはテストして、ということを1、2年ほど繰り返しました。その後3年目からは、お客様からの問い合わせ対応や開発依頼対応を行い、6年目以降はプロジェクトの進捗やメンバーの管理のほか、要件定義や既存機能の不具合の修正などを担う現在と同様の業務に従事しています。
ーーここで社外の方向けに、簡単に「BtoBプラットフォーム 規格書」と「メニュー管理機能」について説明してもらえますか。
簡単に、となるとちょっと難しいのですが(笑)。「BtoBプラットフォーム 規格書」は、食品のラベルに記載されているような原材料や添加物、アレルギー、栄養成分などを管理するシステムです。その上で、インフォマートではそうした規格書をお客様の社内で作成・管理するだけでなく、複数の取引先に対しても書式や方法を一本化して規格書の提出を一括して依頼できるなど、取引先を巻き込んだ管理が大きな強みとなっています。この強みは、インフォマートの最初のサービスである「BtoBプラットフォーム 商談」が買い手と売り手の双方をつなぐことを前提としたものであり、そのつながりの中で双方との信頼を積み重ねてきたからこそ実現したものだと感じています。
ーーありがとうございます。そして、その「BtoBプラットフォーム 規格書」の重要な一機能として、こちらも伊藤さんが担当している「メニュー管理機能」があります。
そうですね。「メニュー管理機能」は規格書と連動してメニューのレシピを管理するシステムです。例えば何かのレシピの情報を作る際に、栄養成分やアレルギー情報、原産国情報などを明記する必要がある場合、この機能を使うと、製品に使用する材料さえ分かれば、規格書の情報と連携して自動的に一括表示されるようになっているんです。イメージとしては、飲食店のメニュー表に記載されている食材やアレルギー表示が自動的に作成されると考えていただけると分かりやすいかと思います。これは生産者側の利便性はもちろんですが、消費者の食の安心・安全につながる重要なものでもあるとも思っています。
■支え合い、助け合いながら乗り越えてきた困難
ーー入社後の10年間で、伊藤さんが最も苦労したのはどのような場面だったのでしょう。
苦労と言われて思い出すのは、インフォマートの当時の子会社が運営していたシステムを「BtoBプラットフォーム 規格書」の一機能として移植するプロジェクトです。既存システムからデータを壊さずに移植することはもちろん、それによって他の機能に影響があってはいけないわけです。さらに元のシステムを利用されているお客様が使いづらくならないという大前提に加えて、レイアウトの統一感なども違和感なく自然に適応させることも求められる。まさに、ミスは絶対に許されないという緊張感の中で細心の注意を払って一歩ずつ進む日々でした。新たな機能を追加するのとはまた違った初めての経験ということもあって、今振り返ってもうまく思い出せないほど、必死に目の前の業務に向き合い続けていましたね。
ーーそうした苦労を乗り越えられた原動力はなんだったのでしょうか。
それは私の中では非常に明確で、チームで助け合えたこと。これに尽きます。そしてそれは、この時だけに限らず、今だってそうです。当時も今も、私は常にチームのメンバーに支えられていることを実感しながら仕事ができていて、先輩後輩に関係なくいつも頼らせてもらっている。何かあった時に助けてくれるメンバーがいるというのは、本当に幸せなことだと思います。
ーー一般的に開発の仕事は、個人個人が決められた役割を淡々と期限内に遂行するイメージがあると思うのですが、決してそうではないと。
私のチームでは、一つの案件に対して常にチームで取り組むという意識が浸透していると思います。確かに担当が分けられた個人の業務はあっても、その根本には互いに協力するという前提があるんです。これは10年間働いてきて、年々強く感じていることでもあります。
ーー心強い仲間がいるというのはかけがえのない財産ですよね。そうした10年間の経験の中で、開発者としての伊藤さんに変化はありましたか。
ものすごく単純なのですが、多くの経験をする中で純粋に開発者として成長させてもらいました。そして同時に、社会人としても成長させてもらったと感謝しています。例えば、何か分からないことに直面した時に、どこまでを自分で調べて、どこから人に聞くのかというバランスもそうです。自分で調べることもせずにはじめから人に聞いてしまうと、その人の時間を奪うことになる一方で、自分一人で闇雲に調べ続けていてはプロジェクト全体の進行が遅れてしまう。「ここまでは調べたけれども、ここからが分からないので教えてください」という姿勢の大切さであったり、複数のタスクがある中で、自分だけで完結できるものよりも、他のメンバーへと続いていくタスクを優先しようといった優先順位の付け方も、非常に基本的なことですが、一つひとつ学ばせてもらいました。
■街を走る配達車や飲食店のメニューから感じるつながり
ーー入社からずっと変わらずに同じ部署で働いてきた伊藤さんにとって、自身が担当するサービスはどのような存在でしょうか。ちなみに第1回目の井上さんは「我が子のような」と言っていました。
「我が子」という表現は井上さんならではのものだと思いますが、私も自分が担当しているサービスはすごく好きで、すごく愛着を持っています。この「好き」というのは、機能や提供している価値に対してというのはもちろんですが、開発してきた日々やチームのメンバーを含めた全てに対して、でもあります。その全てがとても好きですし、関わっていて楽しいんですよね。
ーー「好き」という言葉はシンプルですが、強いですね。そんな伊藤さんはシステム開発者として、自身の仕事と社会のつながりをどんなところで実感していますか。そういう実感も「好き」に含まれるのかと想像します。
期待されている答えとは少し違うかもしれませんが、外を歩いている際に食品の配達車を見かけることがありますよね。インフォマートに入る前は道ゆく配達車になんて見向きもしなかったわけですが、今はその配達車に書いてある企業名を見て「あっ、お客様の会社だ」と思ったりするんです。それと何気なく入った飲食店でメニュー表を見た時に「うちのシステムを使っていただいている」と気付いたりもして。お客様の声を直に聞く機会があまりない開発者の立場だからこそ、そうした何気ない日常の中から自分の業務と社会とのつながりを感じて、嬉しく思うんです。
■お客様のためのサービスを生む優しく温かな社風
ーー改めてお聞きしますが、伊藤さんにとって開発者のやりがいや喜びはどのようなものなのでしょう。
それはやはり、感謝されることだと思います。先ほどお話ししたように私は本当に周囲に支えてもらっていて、だからこそ自然と自分も周囲の役に立ちたいと思って仕事をしてきました。誰かに助けてもらったら「ありがとう」と伝えて、自分が何かをした時に「ありがとう」と言ってもらえる。その毎日のやりとりこそが喜びなんです。それは同じチーム内でも、他部署の人との間でもそう。その小さな「ありがとう」に応えてお返しをできるように、という気持ちで日々働いています。
ーーそう聞くと、インフォマートって素敵な会社なんだと改めて思います。
いい会社ですよね。周囲のメンバーが温かくて、何かあれば助けてくれるというのは私が入社した当時から現在まで変わることのない魅力ですし、これはもはや社風と言ってもいいものだと思います。
ーーそうした社風はサービスを通してお客様に伝わっていると思いますか。
絶対に伝わるものだと思います。あるサービスがあって、少しでも便利になるかもしれないアイデアがあった時に、お客様のために動けるかというのは、やはり企業文化が土台になるはずです。むしろそうした気持ちや姿勢があるからこそアイデアも浮かんでくるものですよね。インフォマートのサービスはそんな優しくて温かいメンバーがいるからこそアップデートされ続けているというのは、間違いないことだと思います。
ーーありがとうございます。よく分かりました。最後に、伊藤さんの今後の目標を教えてください。
まずはプロジェクトリーダーの立場として、しっかりと私自身が管理業務に集中できるようなチーム体制を整えていくということが今の目標ですね。もちろん私は自ら手を動かすことも好きなのですが、会社から今求められているマネージャーとしての役割を全うできるように成長したいと思っているんです。そうすることによって、より効率よく高品質なシステム開発をできるようになれば、それが必ずお客様のためにもなるはずですし、私をここまで成長させてくれたチームや会社への恩返しになるだろうなと。今はそのために全力を尽くしたいと思っています。
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