おまえもローストしてやろうか?したたる記念日
ローストビーフ専門店【おまえもローストしてやろうか】通称【おまロス】。
奥さまの女子会のために、夜な夜なロービーを焼き続けるプロローストビーファー(PRB)のコッシーさん。
コッシーさんの作る燃えあがるような赤身肉に心を奪われ、作りたいと言ってはや2ヶ月。
ついにその時がやってきた。
なぜなら今日は、したたる肉汁が何よりも好物の超肉食の奥さんの誕生日。サプライズで初めてのロービー作りにチャレンジ。
なんということだ!
牛かたまり肉が1000円以下ではないか。
隣にいた主婦も、この特売肉を見ていたが、これは私のロービー肉よ。と言わんばかりに2秒でカゴへイン。そのあまりのピックアップの早さに主婦とじっくり目があうが”妻が誕生日なんです顔”で乗りきる。どんな顔だ。
さぁいよいよ【おまロス】子だくさん支店のオープン。
まずはスパイス。家にある使えそうな調味料は塩コショウ、ハーブソルト、ガラムマサラ。そして庭にぼうぼう生えているローズマリー。
もう全部いれとこ!東京に降る粉雪をイメージしながらパラパラとロービーにスパイスたちをふりかける。
これをジップロックに入れ、ストローで牛肉の旨みがつまった空気を思う存分吸って真空パック状態にして冷蔵庫で1時間くらい寝かせる。おやすみロービー。どうか旨味を閉じこめておくれ。
冷蔵庫から出したロービーは、均等に火入れするため、冷蔵庫から出して常温になるまで少し待つ。
ここからが1番のお楽しみ。おまえもローストしてやるよ!とロービーに語りかけることで、旨みを閉じ込め、おまけにストレスまで発散できるそうだ。
オリーブオイルで軽くニンニクを炒め、アツアツのフライパンに投入!
ロービーから出た水分が暴れ出し、狂喜乱舞のお祭り騒ぎ。手に油が跳ねまくる。余計な水分はキッチンペーパーでとっておこうね。でも、こんなところで火を弱めて中途半端な状態になってしまっては元も子もない。
目にものを見せてやるよ。
おまえもローストしてやるよ。
もっと焼かれたいんだろ?オラオラ
ありったけの言葉のご褒美を与えながら4面とも丁寧にロースト。これでストレスもゼロになる。
アルミのお布団に寝かせたら、すぐにくるんで余熱でさらに火を入れる。アルミの二重巻き+ビニール袋+ジップロックで一滴の肉汁も逃さない。
次は60度のお湯で15分間湯せんか……。
温度計。ない。そんなもんないで。
38〜42℃の湯加減ならば的確にわかるけど、60℃はさすがにわからん。ググってみると、沸騰したお湯は12分ぐらい放置してると70℃になるそう。
70℃のタイミングで入れて、15分ぐらいできっと奥さん好みのレアになるのではないだろうか。
どうも肉が浮いてくるのが気になる。ロービーに重めの鍋を置いてみる。
もうこれでやつは浮かんでこない。待つ事15分。
ビニール袋にも肉汁が染み染み。この肉汁は大切なソースになるそうなので一滴残さずとっておこう。
ここからさらに肉汁と旨味を閉じ込めるため、あんたのことなんかもう知らないんだからね。と放置プレイで粗熱をとる。
開封の儀。
旨そう!めちゃんこええ匂い。普通の包丁よりパン切り包丁の方が切りやすく理想の厚みは0.3センチだそうだ。しかし、うちには切れ味の悪いパン包丁しかない。
直前に磨ぎまくり鋭さを増し怪しく光る結婚式の引き出物。妖刀村雨。
プチトマトを試しに切ったら通販みたく引くだけでスッと切れるほど研ぎ澄まされた村雨。
いざ抜刀!!
全然きれん!!
3ミリとか神技だな。せいぜい0.5ミリが最薄で分厚いやつは1.2ミリぐらいあるぜ。やはりよく切れるパン包丁、エクスカリバーが必要だ。
でもこのロービー。肉汁したたり、茶色から深紅へ染まるグラデーションが何とも美しく、スパイシーな香りがなんとも食欲をそそる。
コッシーさんおすすめの肉汁+おろしニンニクをまぜた謎のタレを味見してみる。
このソース、スパイスと肉汁のええところをギュッと凝縮していて信じられないくらいに旨い!!(信じていなかったわけではない)
誕生日の奥さんにまず食べてもらう。
「ナニコレ!?肉汁うっま〜!!タレも最高!」
「ロービー作れるパパって、ヤバくない?」
「これ900円て神だね!」
「ホテルのバイキングやん」
子どもたちもコッシーさんのロービーに大喜び。
なにより誕生日の奥さんが喜んでくれたことが嬉しい。
たっぷりの旨味をとじこめたロービー。テレビでシェフが、ローストビーフ作っていても「さぁ作ってみるか!」とはならんけど、noteのパパ友PRBのコッシーさんが教えてくれるからきっと作りたくなるんだな。
コッシーさん、ロービー最高や!ありがとう。
次はいつおまえをローストしてやろうか。
🍖 🍖 🍖
ということで、今回はもつにこみさんの企画「#あなたのしあわせnote」に参加させていただきました。
noteの中の交流や、思いがけない幸せなハプニング、noteを通じて感じた幸せな瞬間など投稿してみよう。というものです。
1人じゃできないことも仲間と一緒だったらできる。パパ同士でロービーの作り方とか会話する機会はなかなかないけど、noteだからきっとできるのでしょうね。
創作の輪が広がる素敵な企画、ぜひ参加されてみませんか?