日常生活でデザイン筋力トレーニング
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
infocomのUXチーム、デザイナーの吉野です。
とてもよく言われることなので、何を今更とお思いかもしれませんが…
世の中にある目に入る人工物は全てデザインされています。
なんなら自然すらも人工物だったりするので、極端に言えば目に入るもの全てといってもいいのかもしれません。
以前投稿したセンスに纏わる思うところのポスト、デザイナーが思うセンスの話でも触れたように、センスとは天性のものだけではなく、むしろ後天的な経験や研鑽によるものが大きいのではないかなと思います。
そこでデザイナーでも非デザイナーも、おとなもこどもも、おねーさんも、日常的にそのセンスを磨けるとしたらどうでしょう?
気負わず簡単にやる
話は簡単で、日常生活において目に入るアイテムや風景にあるデザインの「工夫や意図を読み解く」「改善できそうなポイントを考える」ことです。
きちんと本気の分析といえるところまで行えればよいのは間違いありませんが、ここで言うものはもっとお手軽に、自前の目と脳だけがあればでやれちゃうトレーニングであり、お手軽なもので十分です。
皆さんが既にわかっているとおり、何事も積み重ねでありいきなりフルマラソンを走るような事は必要ありません。まずは散歩でもいいし、1kmを走るでも良いです。デザインも少しずつ筋力をつける(慣れる/当たり前化する)ところからで十分にセンスに育っていくと思います。
お気楽なやり方
街中の看板や商品パッケージ、普段使っているアプリ、操作パネルなど、日常的に触れるものの中で、利用中や利用しようと思った時、使い終わったあとに「不便だな」「もっとこうならいいのに」と感じたらめっけもの。
何が不便と感じさせているのか?何がどうなったらどう良くなる、どうなる・どう思えたらより良いか、と原因と改善策を考えてみましょう。
そのためには、誰に対してどうなることを目的にどう設計されたかの意図も考えないと、改善策を考えられない場合もあります。
ただ、先にも記載しましたが欲張りすぎていきなり難易度が高すぎるとトレーニングを継続できませんし、この段階で正解も不正解もありませんので、なにはともあれまずは気楽にトライしてみると良いです。
そしてそれについて対話できる仲間がいて話し合ってみるとなお良いでしょう。
オススメサイト・書籍からのまとめ
10年位前に、楽しいBADUIの世界というサイトが書籍化された「失敗から学ぶユーザインタフェース 世界はBADUI(バッド・ユーアイ)であふれている」という本があります。
テプラだらけになったセブンイレブンのコーヒーマシンなんかはバズったりしてましたよね。
身近なところだと、エスカレーターのボタンなんかはチーム内でも挙がったことがあります。どこどこのエレベーターで閉じるボタンがわからない、まぎらわしい、絶対押したくなる場所に非常ボタンが設置してあるなどなど、身近なエレベーターでそんなことを感じたことはありませんか?
でも、そんなボタンもどこかの誰かが意図を持ってそうデザインしたものなんですよね。なんでこうなったんや… と考え始めるわけです。
というわけで「デザインのセンスなんかない」とお思いの方も、全然やれると思いませんか?
ほんの1−2分、自分が感じたその疑問や不快感をエサに、自分のために役立ててデザインへの理解やセンスを育ててみてはいかがでしょうか?
余談:最近読んだ本紹介
唐突にですが、つい先日の11月20日に和訳版が発売された「デザインにできないこと」も問いの連続でなかなかデザイン心が刺激される一冊でしたのでご紹介させて頂きたく。
多くの引用を元に自分自身の思考や行動を客観的に把握し認識する(自己省察する)ためのきっかけとなる一冊で、いいこと学んだぞ!わかったぞ!試すぞ!みたいな爽快感はありません。めっちゃくちゃドロドロに思考が巡り巡って悶々します。おまけにこちらは多分非デザイナーでもわかるかというとそうではなく、デザイナーあるあるないないわかるわかるわからないわからない(何いってんだこいつ?)です。
思考を巡らす・自身と論じるが楽しいと思える人もいると思いますし、所謂「事例」にはなかなか映らないリアリティも垣間見えると思います。
興味を持たれた方は一読されてはいかがでしょうか。そして是非この本を肴に語らいましょう!
では、また。