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コロナ死が減少した6月の「異常な超過死亡」は何が原因か ~人口動態統計の分析~

【まえがき】

本記事は,以前に公開した記事

の続編で,2021年6月の超過死亡の分析を新たに加えたものです.以前の記事に分析方法の詳細を記していますので,先に目を通していただくようお勧めします.

【本記事の概要】

厚労省が発表している人口動態統計に基づいて,2021年6月の超過死亡を4,693人と算出します.また,超過死亡の原因を探るため,「コロナ死」,「医療崩壊による死」,「自殺」,「熱中症」,「ワクチン死」の順に検討します.

【6月の超過死亡の算出】

厚労省は8月25日に,今年6月分の人口動態統計速報を公表しました.

下図はその中から引用したもので,今年(赤)の全死者数の推移を,昨年(青)と比べています.

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今年6月は108,734人の死者数で,昨年6月の速報値を8,311人上回っています.ただ,確率的変動の範囲である可能性が否めないため,2012年(東日本大震災の翌年)から2020年の6月の死亡者数データを,厚労省の「人口動態統計月報(概数)」から入手し,

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html

2021年のデータと合わせてプロットしました(2012-2020年は月報の概数であるため,基準を揃えるために2021年の速報値は0.991倍してあります.詳細は以前の記事を参照して下さい).

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2012-2020年の死者数の増加傾向から求めた2021年の「予測死亡数」は白丸で,「予測の幅(95%信頼区間)」は縦線で示しています.2021年の実際の死者数(赤丸)は,予測の信頼区間を大きく超える異常値であることがわかります.

超過死亡 = 実際の死者数 - 信頼区間の上限値

として定義する「超過死亡」の値は,4,693人と算出されます.以前の記事で示した通り,この方法を用いると,5月までの超過死亡は

1-3月:なし

4月:3,169人

5月:5,628人

と求まります.国立感染研に取材した朝日新聞の記事(8月12日付)でも,特に5月の超過死亡は例外的に大きいことが指摘されています.

超過死亡は冬場に季節性インフルエンザの影響などで多くなることはあるが、4~5月に多くなることはほとんどないという。
分析結果によると、今年1~5月の超過死亡は全国で5076~2万4300人。5月がとくに多く、東京(61~451人)、大阪(865~1300人)、兵庫(514~834人)など30都道府県が直近5年間で最多規模となった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5a62426088d5bf411ffc1e018c48713809b51317

4, 5月の超過死亡には大阪と兵庫の医療崩壊が寄与していますが,これだけでは超過死亡の大部分を説明できないことは,以前の記事で指摘しました.6月は引き続き,極めて大きな超過死亡が観測されています.この原因について1つずつ検討していきましょう.

【超過死亡の原因の検討】

(1)コロナ死

まず,6月はコロナ陽性者が大幅に減少した「谷」に相当する月です.

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https://ourworldindata.org/covid-cases?country

「それにも関わらず,超過死亡が異常値を示した」という点が非常に重要です.日本の累計コロナ死者数(100万人当たり)の推移

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から,速報値としてのコロナ死者数が求まります(A).また,1-3月については人口動態統計月報が発表されており,「特殊目的用コード22000」に分類されている死者数が,より正確なコロナ死者数を表します(B).これらをまとめた表です.

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超過死亡のない1, 2月に比べて,6月のコロナ死者数は少ないことがわかります.よって,6月の超過死亡4,693人に「コロナ死」が寄与したと考える事は合理的ではありません.その他にも,「コロナ死が超過死亡に寄与しにくい理由」については,以前の記事で指摘しました.

(2)医療崩壊による死

大阪府と兵庫県では,4, 5月に医療崩壊の事態が起こっていました.

https://mainichi.jp/articles/20210526/ddm/005/070/046000c

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202105/0014373049.shtml

そのため,4, 5月の超過死亡の原因を検討した際には,医療崩壊の寄与を考慮していました.しかし,陽性者数が低く抑えられた6月には,医療崩壊は起こっていません.

(3)自殺

警察庁のWebページ 

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html

https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R03/R02_jisatuno_joukyou.pdf

から自殺者数のデータを入手し,表にまとめました.

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6月の自殺者数は,過去5年の平均を上回っていますが,超過死亡のない2, 3月に比べて増分は小さいことがわかります.いずれにせよ,数千人の超過死亡を分析する際には影響を与えない数字です.

(4)熱中症  ※8/27に表を追加

消防庁の発表によると,2021年6月の熱中症による救急搬送人員4,945人であり,

https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/heatstroke_geppou_202106.pdf

2016-2020年6月の「熱中症による救急搬送人員及び死亡者数」は,下表の通りです.

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https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/heatstroke_geppou_2020.pdf

このように,数千人規模である2021年6月の超過死亡を分析する際には,熱中症による死者数は影響を与えないことがわかります.

(5)ワクチン死

厚労省資料によると,6月27日までに報告されたワクチン接種後死亡事例は,454件です.

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000802338.pdf

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000802339.pdf

ただ,厚労省に報告するかは医師の判断に任されているため,「報告数」と「実際の数」は乖離していることが懸念されています.厚労省の第4回医薬品等行政評価・監視委員会において,委員長代理であり薬害研究の第一人者である佐藤嗣道准教授(東京理科大学薬学部)は,「実際の数は報告数の10倍くらい高い可能性」を指摘しています.また,米国では「ワクチンによる死者は,接種後3日以内に限っても45,000人以上」と証言する内部告発者が現れ,この証言に基づく訴訟が起きています.これらについては下の記事に詳しくまとめていますので,先に目を通していただくことをお勧めします.

日本ではワクチン接種は2月17日に開始し,1日の接種数(日本人100人あたり)は下図のように推移しています.接種数は月を経るごとに増加しています.

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以前の分析より,4, 5月の超過死亡から「大阪・兵庫における医療崩壊の寄与(の上限値)」を除いた値は,

4月:2,654人(= 3,168 − 514)

5月:4,105人(= 5,628 − 1,523)

です.一方,6月の超過死亡は4,693人であり,本記事の議論から,これには(1)~(4)の要因は寄与していないでしょう.では,これらの超過死亡は何が原因でしょうか?「4→5→6月の順に値は増加しており,1-3月は超過死亡がない」という点を考慮し,消去法的に推論すると,ワクチン死が主因と考えざるを得ないのではないでしょうか?(【補足①】).

特に,コロナ陽性者数の谷に当たり,コロナ死が減少した6月に異常な超過死亡が出たことは,大量のワクチン死が起きている強い証拠と言えます.他に原因が見当たらないからです.例えば,「隠れコロナ死がいるのでは?」という仮説を立てるには,「2021年4月以降に隠れコロナ死が急増した」という合理的根拠が必要となります.

「親戚,知り合いがワクチン接種後に急死した」というコメントは,SNS上に溢れています.死亡だけではなく,脳梗塞,失明,難聴,半身不随,歩行困難,脳機能低下,蕁麻疹,脱毛など様々です.例えば,下記のブログではそのようなツイートを大量に収集しており,8月25日現在,vol.69まで記事が進んでいます(1 volume当たり,40件程度のワクチン後死亡例が載っています).

接種者がその後の経過を報告しているブログもあります.

もちろん,吟味せずにSNSを鵜呑みにすることは危険です.悪戯・勘違いもあるでしょう.ただし,これらの声を吟味せずに全てデマと断定することは,同じくらい危険なことと言えます.本記事を含め,どのような媒体からの情報であっても,ご自身で徹底的に真偽を判断されることをお勧めします.以下は,分子生物学,免疫学を専門とする研究者の方の発信です.


【補足①】

「原因不明の超過死亡がワクチン由来だとすると,接種数から考えて6月の超過死亡はもっと多くなるはずではないか」

という意見があると思います.これについては,次の2点が影響していると予想されます.

① ワクチン死亡率は,接種者の年齢に依存するであろうこと

例えば,6月21日からは職域接種が始まっています.

② 超過死亡の値は,確率的要因による幅を持つこと

本記事では,わかりやすくするために超過死亡値を1つに決めていますが,国立感染研は予測に幅を持たせています.例えば,1-5月の超過死亡は5,076~24,300人の範囲と推定しており,

https://news.yahoo.co.jp/articles/5a62426088d5bf411ffc1e018c48713809b51317

本記事の分析手法で求めた8,797人という値は,この範囲に収まっています(範囲の中では低めに見積もられています).


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