報告医「ワクチンと死亡に因果関係あり&他要因の可能性なし」→ 厚労省「評価不能」【26件の事例】

【背景】

1976年に,米国で豚インフルエンザが発生しました.4,000万人がワクチンを接種したところ,副反応で30人以上が死亡したため,2か月程で接種プログラムは中止されました .

これが,国としての正常な対応です.豚インフルエンザワクチンによる死者数は53人と言われています(本記事末尾の追記を参照).健康な人がこれだけの数亡くなれば,死者多発と呼ばれ,接種事業は中止されるのです.

今の日本はどうでしょう?コロナワクチンが8,120万回接種された7月25日までに,「医師が厚労省へ報告すると判断した」死亡事例だけで,834件(ファイザー828件,モデルナ6件)もあります.政治家に真っ当な判断力があれば,接種事業は即中止です.

8月4日公開の厚労省資料によると,死亡事例834件の99.6%に当たる831件が,「ワクチンと死亡との因果関係は評価できない」と分類されています.

ファイザー:

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https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000816282.pdf

モデルナ:

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https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000816283.pdf

これは,果たして妥当な分類なのでしょうか?ワクチン接種と死亡との因果関係を評価することが,医薬品医療機器総合機構(PMDA)の仕事であるはずです.それにも関わらず,死亡事例の99.6%を「評価不能」とすることは,職務放棄に当たらないのでしょうか?


【薬害の専門家による指摘】

この点に関しては,厚労省の第4回医薬品等行政評価・監視委員会において,委員長代理である佐藤嗣道准教授(東京理科大学薬学部)が,次のような重要な指摘をしています.

「通常、医薬品とその何かの有害事象との因果関係を判断するアルゴリズムとしては、例えばWHOが提唱しているアルゴリズムなどがあるわけですけれども、そこでは例えばpossibleですね。可能性ありというように判断する場合には、他の要因による基礎疾患による可能性があったとしても、恐らくそちらのほうが可能性は高いだろうという積極的な判断がなされない限りはpossibleになるのです。他の基礎疾患がなくて薬以外になかなかはっきりした要因が考えにくい場合にはprobable、あるいはdefiniteというところに判定されるわけですけれども、そのWHOのアルゴリズムに従うと、私は評価不能というよりはpossible、可能性ありというところの判断になる症例が多いのではないかなというように個別に公表された資料に基づいてだけですが、そういうようには私からは見えるわけですね。これはそういう私、薬剤疫学を専門にやっておりますし、医薬品の副作用の個別の症例の評価についてもそれなりにやってきたという自負は持っていますので、そういう立場から申し上げるのですが、それがほとんどの例が評価不能というようになっているというのは相当な疑問を抱いています。少なくとも可能性が否定できないというところに当たる。その可能性をprobableというように積極的に因果関係を認めるというところにはなかなかいかないかもしれませんけれども、少なくもpossibleということはほとんどの例について言えるのではないかというように思っております。」

厚労省が公開している議事録:

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19789.html

該当部分の動画:(1分10秒~)ぜひご覧ください.

https://www.youtube.com/watch?v=8a8OChmM04U&t=0s

佐藤嗣道氏は,サリドマイド薬害事件の実態調査で知られる薬害研究の第一人者であり,以下は厚労省が公開している委員選考理由からの抜粋です.

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佐藤氏の言うアルゴリズムとは,「医薬品と有害事象との因果関係を判断する方法」を意味します.例えば,WHOのアルゴリズムは次の通りです.

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https://www.who.int/medicines/areas/quality_safety/safety_efficacy/WHOcausality_assessment.pdf

有害事象は Certain, Probable, Possible, Unlikely, Conditional, Unassessable の6種類に分類され,この内,Certain, Probable, Possible に分類された事例が,「因果関係あり」と評価されます.重要なことは,

「Possible:接種者の基礎疾患によっても死亡を説明し得るが,ワクチンと死亡との時間的関係に合理性があり,ワクチン由来の死亡である可能性がある場合」

も,因果関係ありと見なされる点です.おそらく世間のイメージでは,「因果関係あり」とは「Certain:他の可能性が除かれて,ワクチンによる死亡が確定した場合」を指すかのように思われています.しかし,実際には Probable, Possible も「因果関係あり」に含まれるのです.文字通りに解釈すれば,厚労省の評価分類 α,β,γ との対応関係は次のようになります.

α:「因果関係が否定できない」→ Certain, Probable, Possible

β:「因果関係が認められない」→ Unlikely

γ:「情報不足等により因果関係が評価できない」→ Conditional, Unassessable

以上を踏まえて,議事録を読み返してみましょう.佐藤嗣道氏は「厚労省への死亡報告事例のほとんどは,少なくとも possible に該当する」と指摘しており,これはつまり「ほとんどの死亡事例はワクチンと因果関係があり,評価分類は実際には γ でなく α 」ということを意味します.


ちなみに,因果関係を判断するためのアルゴリズムには様々なものがあり,

https://medical-service-information.com/2020/04/19/causal-relationship/

例えば,米国の国立がん研究所(NCI)は次のような基準を用いています.

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https://www.ctr.med.keio.ac.jp/rinri/uploads/sae_kijun.pdf

この場合も,Definite, Probable, Possible に分類された事例が,「因果関係あり」と見なされます.特に注意してほしいのは,NCIのアルゴリズムには,「情報不足(Conditional)」,「評価不可能(Unassessable)」に相当する分類が設けられていないということです.つまり,因果関係は「あり」か「なし」かの 2 択です.この事からも,死亡報告事例の99.6%を「γ:評価不能」としたPMDAと厚労省の判断が,如何に常軌を逸しているかが分かると思います.


【個々の死亡報告事例】

ファイザー製ワクチン接種後の死亡報告事例を,具体的にいくつか見ていきましょう.個々の死亡事例には,PMDAによる α,β,γ の評価に加え,報告医による評価も記載されています.

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000816282.pdf

そして驚くべきことに,「γ:評価不能」とされた事例の内62件は,報告医が「ワクチンと死亡に因果関係あり」と評価しています.

(上記pdfを,「関連あり」というワードで検索してみて下さい)

さらに,その内の26件は,「他要因の可能性はなし」と報告医が判断しているのです.

(事例番号:16, 47, 83, 101, 113, 183, 185, 197, 198, 203, 204, 210, 230, 403, 405, 455, 554, 576, 605, 676, 693, 697, 794, 800, 801, 823)

報告医が「ワクチンとの因果関係があり,他要因の可能性はなし」と評価している死亡事例が Possible にすら分類されず,「γ:評価不能」とされていることに,違和感を覚えないでしょうか?佐藤嗣道氏が「相当な疑問を抱いている」と述べたことも頷けます.

以下では,このような26件の死亡事例の内5件をピックアップし,「PMDAによる因果関係評価コメント」と共にお示しします.


事例番号101:97歳(接種2日後に死亡)

コロナワクチン接種2日後に予兆なく死亡したことから、報告医により、ワクチン接種と死亡に因果関係があると判断されている。しかしながら、当該患者は、糖尿病及び高血圧等の合併症を有する超高齢者であることから、ワクチン接種以外の致死的疾患を発症した可能性も考えられる。血液検査等の情報もなく、死亡時の画像診断及び剖検は実施されていないことから正確な死因は不明であり、また、ワクチン接種と死亡の因果関係を評価することは困難であると考える。   因果関係評価:γ

正確な死因が不明であるため, Certain や Definite に分類できないことは分かります.しかし,「他の何らかの可能性もあり得る」というだけであれば,少なくとも possible であり,αに分類すべきでしょう.


事例番号185:80歳(接種2日後に死亡)

高血圧症と高脂血症をもつ80歳女性が、コミナティ接種2日後に急性心筋梗塞(剖検所見)を起こし死亡した。ワクチン接種との因果関係は否定できないが不明である。いくつかのMIのリスク因子をもっていたことに留意する必要がある。   因果関係評価:γ

これが一体なぜ,「α:ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの」に分類されないのでしょう?はっきりとそう書いてあるではありませんか.また,「剖検が行われていないため評価不能」というコメントが他の多くの事例で見られますが,「因果関係を認めないための口実」としか思えません.なぜなら,この事例のように,剖検を行っても結局は評価不能とされてしまうからです.


事例番号403:85歳(接種7日後に死亡)

コロナワクチン接種4日後から腹痛等を訴えており、接種7日後に死亡した。死亡時に血便が出ていたことから、血栓症が死因であると推測され、報告医により、ワクチン接種と死亡に因果関係があると判断されている。しかしながら、当該患者は、超高齢者でもあり、ワクチン接種と無関係に致死的疾患を発症した可能性も考えられる。血液検査等の情報もなく、剖検等も実施されていないことから、正確な死因は不明であり、ワクチン接種と死亡の因果関係を評価することも困難であると考える。   因果関係評価:γ

85歳以上の方は気を付けて下さい.ワクチン接種後に亡くなり,報告医が因果関係ありと判断したとしても,「超高齢者だから致死的疾患を発症したのかもしれない」と言われて評価不能にされるのです.これはあまりに酷く,高齢者への冒涜だと思います.


事例番号405:88歳(接種6日後に死亡)

時間的関係がありその他の要因も見当たらないことから、ワクチン接種が喀血の契機となったことを完全に否定することはできないものの、死亡時画像診断や剖検は実施されておらず、その病態を検討することはできない。ワクチンと死亡の因果関係は不明である。   因果関係評価:γ

WHOのアルゴリズムを読み返してみて下さい.「時間的関係性があって,その他の要因が見当たらない」のであれば,もはや Certain に分類される事例ではないでしょうか?


事例番号576:83歳(接種4日後に死亡)

83歳女性、経皮的内視鏡下胃瘻造設術を施行され、プレドニンやリクシアナ等を内服されているが、基礎疾患の報告がない方。コミナティ投与後2日目に発熱を認め、継続する。その後、投与後4日目に死亡。投与までの状況や、投与後の症状や全身状態、検査等の記載がないため、本剤と関連性を評価するのに十分な情報がないと考えます。   因果関係評価:γ

ワクチン接種後の発熱は,よく起こる副反応として広く周知されています.しかし,発熱が継続してそのまま死亡した途端に「因果関係を評価不能」とされるのは,あまりに理不尽です.


【報告数と実際の死亡者数の乖離】※2021/8/10に追記

厚労省の副反応検討部会で明言されている通り,ワクチン接種後の死亡はそもそも全数報告されているわけではなく,報告するかは医師の判断次第です.

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https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18118.html

そのため,「報告数」は「ワクチンによる実際の死亡数」と乖離していることが懸念されています.実際,厚労省の第4回医薬品等行政評価・監視委員会において,委員長代理である佐藤嗣道准教授は次のように指摘しています.

「医療機関から報告されなかった死亡例というのも恐らくたくさんあって、それらのうちには実際に因果関係があるものも恐らく含まれているだろうということを考えると、実際はこの頻度よりも高い頻度でワクチンの接種による死亡が起きている可能性も考えられるというように私は思います。もしかすると10倍ぐらい高い可能性も視野に入れておかなければいけないのではないかと思います。一般的にこのような副作用報告、副反応報告というのは実際に生じた事例の一部しか報告されないというのが常ですので、実際に旭川医大のように医療機関は報告しないと判断したけれども、遺族からの依頼によって報告がされたという例も報道されていますので、そういう例は恐らく全国の至るところにあるのではないかと思います。」

12分の動画(ぜひご覧ください): https://www.youtube.com/watch?v=XC3lGWbs1mw

厚労省公開の議事録: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19789.html

では,他国はどうなっているのでしょうか?米国の例を見てみます.米国には,CDCが管理する有害事象報告システム(VAERS)があり,死亡を含むワクチン有害事象が集計されています.7月23日時点で報告されている死亡者数は11,940人です.

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https://www.openvaers.com/covid-data

ただし,「VAERS には有害事象の 1% 未満しか報告されていない」という調査報告書が2010年に提出されており,

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https://digital.ahrq.gov/ahrq-funded-projects/electronic-support-public-health-vaccine-adverse-event-reporting-system

本当のワクチン死亡者数は,VAERS報告数より大幅に多いことが懸念されています.

7月13日に,米国医師グループ "AMERICA’S FRONTLINE DOCTORS" などが,ワクチン緊急使用の停止を求めて,アラバマ州の連邦地方裁判所へ以下の訴状を提出しました.

https://img1.wsimg.com/blobby/go/3c6a0774-cfad-46fa-aa97-af5aa5e74f00/M%20for%20PI%20file%20stamped.pdf

原告団はこのPDFの46頁において,以下の証拠書類(Exhibit)D,すなわち「匿名の内部告発者による宣言書」を引用しています.

https://ratical.org/PandemicParallaxView/Jane-Doe-Declaration.pdf

この宣言書の一部を抜粋して翻訳します.

「私は医療データ分析分野の専門知識を持つコンピュータープログラマーであり、それにより、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が管理するデータにアクセスすることができます。私は数学の学士号を取得しており、過去25年間で100以上の異なる医療詐欺検出アルゴリズムを開発しました。」
「2021年7月9日時点で、VAERSには9,048人の死亡が報告されています。私は、この数字を検証するため、第三者からの報告に頼らず、自分自身でVAERSの全てのデータを照合しました。合わせて、ワクチンと患者の死亡に関して、CMSの医療請求データを照会しました。その結果、ワクチン接種後3日以内に発生した死亡者数は、VAERSで報告された死亡者数よりも少なくとも5倍は多いと評価しました。これは、ワクチン関連の本当の死亡者数は45,000人以上であることを示しています。ちなみに、豚インフルエンザワクチンが市場から除かれた時の死亡者数は53人でした。」
「私は、アメリカ合衆国の法律に基づく偽証罪の罰則の下、上記の内容が真実かつ正確であることを宣言します。」

もし虚偽の証言をした場合には偽証罪に問われる,という点に注意してください.なぜ匿名であるかについては,上記訴状の46頁の脚注において,次のように説明されています.

「原告側の専門家は、宣言書に含まれる証拠を開示することで、彼女と家族の安全、そして職業からの排除を含む報復を恐れる、匿名の内部告発者です。原告は、彼女の身元の機密性を保持するために、適切に調整された保護命令の申し立てを裁判所に提出します。一方、被告は彼女の宣言の内容に返答し、彼女の身元を知らなくても彼女の専門家としての資格を確認できるため、不利益を被ることはありません。原告の弁護士は、証人が実名で署名した、この宣言書のコピーを所持しています。

原告側の弁護士の1人であるThomas Renz氏の講演も,合わせてぜひご覧ください(1分間の動画です).



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